を。のちょっとだけ自慢する話
「東川中学校 二年、山田 碧。」
はい、と中学生らしく元気良く返事をする。
今からわたしは、ざっと500名ほどの入る小ホールで
区のお偉いさんたちと区内の代表中学生を前に
夏休みに認めたエッセイを披露する。
ここはエッセイコンテスト会場ではない。
中学生の弁論大会である。
周りは環境問題についてだの
社会問題についてだの
真面目な話を書いてきている中、
わたしが書き上げたのはひいばあちゃんの話だ。
原稿用紙4枚を二行にまとめると、
「笑顔の素敵なひいばあちゃんみたいな
素敵な女性になりたいです。」
難しい話がめんどくさいから、という
マイナスな気持ちで選んだこれが
何がどうして、クラス選考で1位になり、
そのまま上級生を差し置いて校内大会で優勝して
区大会まで来てしまった。
一生懸命、社会問題について調べ上げて
弁論を書いてきた同級生や先輩は
さぞなんだこいつ、と感じたことと思います。
空気読まずに提出してごめんなさい。
とはいえ、当時のわたしはそんなのお構いなし。
一生懸命暗記したそのエッセイを、
堂々と前を向いて淀みなく読み上げた。
◇
そして、わたしはそのまま、
区大会の最優秀賞を掻っ攫った。
更に翌年、再度校内大会で優勝し、
同じ区大会で優秀賞を獲得することになる。
区のお偉いさんから
「2年連続受賞は前代未聞だ」
とお褒めの言葉もいただいたものだ。
これといった特技も自慢もなかったわたしが、
ちょっと自信を持って文章を書けるようになったのは
おそらくあの弁論大会のおかげ。
ばあちゃんありがとう。
国語の先生とふたりきりで練習したあの時間、懐かしいなぁ。
今でもお元気でありますように。
そして更にその5年後、専門学校で弁論大会に出場し、
審査員特別賞を貰って高級ホテルでランチを食べたのは
また別の自慢話。
これは弁論の題材になった、ばあちゃんの話。
◇
みょーさん主催の #ちょっとだけコンテスト に参加させていただきました。
人様に自慢できる話が文章の話か、
友人に恵まれている話かの二択だったので
題材にかなり悩みましたが、
こんな機会でもないと話さないだろうし、
わかりやすく表彰状をもらった話にしました。
…と言ったもののクソ寒い自慢話になった気もしなくもないので失格になるかもしれない。
面白く書けなかった。すいません。ぐぎぎ。
◇
締めの一言。
言葉を原稿用紙に書き殴るのもいとをかし。
△
最後まで読んでくださり、ありがとうございます! コメントもいつでもお待ちしております。