プチデザート
昼食で近所の中華屋さんに行ったんです。
俗に言う街中華。
カウンター席に通されて、程なくして店員さんが注文を取りに来てくれた。
中華屋のプチデザート
その店で日替わりランチを注文した時に、店員さんに一緒に+100円でプチデザートを勧められた。プチデザートとは日替わりランチにオプションで追加できる有料のデザートで、何のデザートかはその時々で違う。
以前プチデザートを頼んだ時は、嫌いな杏仁ミルクだったのを思い出した。
杏仁ミルクってのは味は杏仁豆腐で、ドロドロした固まらなかった杏仁豆腐の出来損ないみたいな飲み物なんすよ。
前回は嫌いな杏仁ミルクが出ただけに、慎重に店員さんに今日のプチデザートは何ですか?と訪ねた。すると店員さんがマンゴープリンだと言うので、私はプチデザートを注文することにした。
ちなみにタイミングは食後だ。
その方がコース料理っぽく感じるだろ。
カウンターのお隣さん
私が注文をした後に、隣の席に若いお兄さんが座った。
同じ日替りランチを頼んでいた。
そして同じように店員さんにプチデザートを勧められ、デザートも一緒に頼んでいた。つまり隣のお兄さんは私と同じメニュー構成ということになる。ただしデザートは食後ではなく、日替わりランチと一緒のタイミングで注文してた。
近頃の若いもんは店員に勧められるがままに日替わり定食とプチデザートを受け入れるYESマンばかりだと、老害のように嘆きつつ料理が来るまでお互いスマホいじりが始まった。
ガチャガチャしてる
料理が運ばれてくるまでスマホで暇つぶしをしてたら、隣のお兄さんがガチャガチャとスマホを操作している。なんかアクション系のゲームをやっているみたいだった。
大抵は飲食店ではソシャゲーのような指先タッチでできる程度のゲームをするのがマナーなのに、近頃の若いやつはディアブロみたいなゲームをしやがって昨今の教育はどうなってるんだと老害のように嘆きつつエロサイトを観てたらポッカキットに飛ばされた。
料理到着
そうこうしていると、店員さんが料理を運んできてくれた。
「お待たせしました、日替わりランチの〇〇です」
とても美味しそうだ。
ほぼ同じタイミングで隣のお兄さんにも料理が運ばれてきた
「お待たせしました、日替わりランチの〇〇とプチデザートの杏仁ミルクです」
!? え?
いまプチデザートの杏仁ミルクって聞こえた…。
気になって隣を観たら、あの出来損ないの杏仁ミルクが置いてある…。
え?今日のプチデザート杏仁ミルクなの?
いやでも、さっき店員さんはマンゴープリンって言ってたのに…。
ちゃんと確認したのに、、、
え、聞き間違い?
私は日替わりランチをぱくぱく食べながら、これから運ばれてくるのが杏仁ミルクなのかマンゴープリンなのか、分からなくなった。
日替わりランチを食べながら、プチデザートが仮に杏仁ミルクだった場合のシミュレーションを考えてみた。
1.そのまま受け入れる
2.店員さんに言う
3.ゴネる
まぁ3は無いが、2も店員さんが「マンゴープリン」と言った確証がないし、私は誰よりも自分の事を信用していないので、私の聞き間違いということも否定できない。
これは、運ばれたものを受け入れるしかないと結論づけた。
ちなみに受け入れるが杏仁ミルクを口に入れることはない、私は白くてドロドロした物が苦手なのでシチューや牛乳なども一切食べない。
味が嫌いだとか体質に合わないだとかではなく、白くてドロドロしたものは食べたくないからだ、ポリシーの問題だ!
あ、カルピスは飲みます。
そしてランチを食べ終えた
甘酢あんかけがのったパリパリの唐揚げはとても美味しかった。
メインの日替わり定食を食べ終えたのを見計らって、店員さんがプチデザートを運んできてくれた。
「プチデザートのマンゴープリンです」
!? マンゴープリンです!
そう店員さんに言われ、右斜後方に振り向むきマンゴープリンを観た時に、隣の若いお兄さんが一番ビックリした顔をしていた。
そりゃそうだ、プチデザートのメニューが違う上に
方や出来損ないの杏仁ミルクと、
方や完成度の高いマンゴープリンだ
ビックリするはずだ。
あんな杏仁ミルクなんて、おおよそ人の口に入れるものとは思えないものと、どの辺がマンゴーかも分からない味ではあるものの、高級食材マンゴーを冠したプリンですから違いは明白なわけです。
この隣の若造との差が生まれたのは席についたタイミングだけだったのか、それとも私が持っている品性の差から生まれたものなのかは定かではないが何はともあれ、なんだか賭けに勝ったような優越感を味わい気分が良かった。