私がソロキャンプに行くわけ
最近、相棒(犬)を連れてソロキャンプに行くようになった。
正直に白状すると、キャンプの夜はいつも暗闇の心細さと寒さで「やっぱり家で寝てればよかった」と後悔し、夜が明けて朝日を浴びると「やっぱり来てよかった」と思うことの繰り返し。
なにせ、平日の北海道のキャンプ場なんてほとんど貸切状態。夜、もしクマでも出ようがものなら悲鳴を上げてもサイレン鳴らしてもすぐ助けになんて来てくれないだろうし、なにより寒い。わざわざ氷点下のテントで震えながら寝るなんて、我ながら狂気の沙汰としか思えない。
それが夜明けと共に一転。パラダイスもかくやという朝の美しさとともに、自力で一晩を無事過ごせたという達成感に満たされる。普段なかなか感じることの出来ないこの達成感に、私は病みつきになった。
キャンプはチャレンジの連続だ。
カッコつけてキャンプ場で焚き火用の薪を買ったはいいが、くすぶるばっかりで一向に火がつかない。犬は寒さに震えながらうんざりした様子でうずくまっている。やがてとっぷりと日も暮れ、かれこれ2時間も煙に燻されながら悪戦苦闘していると、体が芯まで冷えきって胃がキリキリと痛んできた。さすがに限界を感じてキャンプ場の管理人さんに助けを求めた。
女子ソロキャンプはベテランキャンパーに見えるらしい。それが薪に火もつけられないんだから、恥ずかしいったらありゃしない。焚き火の初歩から教えてもらった…。
追記:焚き火には薪、着火材の他に焚き付けが必要なんです。私は松ぼっくりを拾って持って行きます。松ぼっくりは松ヤニを含んでいるので簡単に燃え、薪割りなんかしなくてもちゃんと太い薪に火が回ります。
緊急事態宣言も緩和された先週は、やっとオープンした地元のキャンプ場へ。
なんだかやたらとハエの多いキャンプ場で辟易しながらテントを建てると、管理人さんが心配そうに声をかけてくれた。「ずいぶんコバエがいますねぇ。」と私が言うと、「それ、ブヨだよ。」
ひぃぃ!どうりでチクチクすると思った。私は優雅にあぐらチェアに腰掛け、ブヨの群れの中で寛いでいたのだ!
こんな非日常を経験すると、蛇口を捻ればお湯が出て、レンジですぐに温かい食事が出てくる日常がとても尊いものに思えてくる。
テレビのドモホルンリンクルのCMを横目にブヨに刺されたこめかみ(!)に薬を塗りながら、今度はどんな冒険が待っているのかな?と期待する。
いろいろ失敗はあるけれど、キャンプスキルを学びつつ私は少しずつ進歩しつづけるのだ。ベテランキャンパー目指して!