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なんとなく美味しいだけではなく、続いていく感動を作れてこそ
コンビニに行けば、100円でおにぎりが買える時代に同じ材料でも何倍もの価格で売るためにできることがあると思います。
・細部までこだわり抜く
・ストーリーを届けきる
この2つがあれば、料理は進化します。
細部へのこだわりが詰まっているか、疑い続けること
細部へのこだわりとは、一つ一つ丁寧に″仕事″をしていくということ。作業ではありません。
食べた時のゴールイメージを設計して、逆算して材料選び、仕込み、盛り付け、サーブまで一貫してこだわり抜くことで感動を生むことができます。
『味として成立していれば良い』なんてことは、sioグループにはないはずなのです。
しかし、料理は人間が手作業でやることですから、どうしてもブレが生じてしまいます。
疑いの気持ちがなければ、ブレを止めることができません。
だから、僕たちは毎日ランチ営業前に社内全員がいるグループで、その日提供するランチメニューの完成品を写真で報告し、確認し合います。
ソースの色や量、火入れの具合、盛り付けの美しさ。毎日意識してみれば、違いに気づきます。
もっとこうした方が良いのでは?とお互いに疑いの気持ちを持ち続けることで、最高の状態をキープできると思っています。
美味しいには、グラデーションがあると思います。基本的な味付けのベースを外さなければ、美味しいはちゃんと成立します。
しかし、僕たちが目指すのは感動的な美味しさです。レストランクオリティをどの料理にも求めます。
食べて″まぁ美味しいよね″ではダメなのです。一口食べて″わぁ、美味しい…!″まで作り込まなければなりません。
そこまでして初めて、sioのイズムが詰まった料理だと思います。
ストーリーのある料理は、届けきってこそ完成する
ストーリーのある料理を作ったとしても伝えられなければ宝の持ち腐れです。
ただの塩むすびではなく、ひとつぶひとつぶ米の大きさが揃うように選定した上で絶妙の硬さで炊き上げた究極の塩むすびがあったとします。
(美味しんぼの中にあるおにぎりにまつわる大好きなエピソードです)
かかる労力は何倍にも何十倍にもなっている。でも、見た目は同じなのです。
食材の産地や作りかたをこだわり抜いて、ストーリーのある料理を作ったとしても、知られなければ意味がありません。感動させるためにもきちんと知ってもらうことが重要なのです。
逆に言うと、ストーリーを謳っている料理は細部にこだわり抜いているからこそ意味があります。中身が伴っていないと逆にショックを与えてしまいます。
こだわっている内容や自分たちの想い、その料理における取扱説明書とも言える情報を発信しているからこそ、お客様は僕たちの料理に大きな期待をして来店されます。
まずは、美味しいではなく感動を生むためにゴールイメージを設計すること。そのゴールに対して、あらゆる細部までこだわること。そして、そのこだわりをストーリーとして届けきること。
もちろん、ただ作って終わりではありません。
感動を提供し続けるために、お客様を裏切らないように。自分たちを疑い続けることでクオリティを担保すること。
そこまでできて初めて、sioのイズムと言えるように日々作業ではなく、仕事をしていきたいと思います。