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宣伝会議「編集・ライター養成講座」は推し活と両立できるのか


宣伝会議「編集・ライター養成講座49期」を半年間受講していました。
最終課題の卒業制作で、最優秀賞をいただきました。

「推し活で忙しそうだから、卒制は無理かと思ってた」
受賞したあと、講師の方に言われた言葉。そういえば受講開始した半年前は、最後まで走り切れるか不安で仕方なく、たくさんの先輩たちのnoteを読み漁ったことを思い出しました。

忙しくて、両立できるか不安…という方に向けて、私の半年間の経験をメモとして残しておきたいと思います。
受講を悩んでいる方(とくに推し活するオタク)に、すこしでもなにか参考になれば嬉しいです。

受講期間は推しの全国ツアーと丸かぶり

編集・ライター講座を知ったときは、推し活真っ只中だった。
推しである「でんぱ組.inc」の活動終了が発表されていて、後悔しないようにより最後までなるべく多くのイベントに行こう、というモチベーションのなか、毎週土曜日に講座を受けるというのはけっこうな決断だった。

受講期間は7月末から1月の半年間。でんぱ組の活動終了は1月。講座は毎週土曜日。なにより卒業制作の退出〆切は12月末。10月から12月にかけてラスト全国ツアーが発表されていたので、完全に被っていた。

1月までは推し活に専念して、全部落ち着いてから、1月スタートの期で受講するか…と思ったけど、「いや、逆に一緒に走り切っちゃえばいいじゃん」という発想になった。

そもそも、推しは年中ツアーをする。
春ツアー、夏ツアー、冬ツアー。
どうせいつだって推し活は忙しいのだから、半年見送っても同じことかもしれないと思う。

推し活でお金がないので、教育ローンを利用して申し込んだ。

卒業制作、出せんの?問題は、移動時間の有効活用で解決

推し活をしている人が二の足を踏むとしたら、「卒業制作」の存在が大きいと思う。でも大丈夫、なんとかなる。
6,000字の記事なんて書いたことがないし、どれくらい大変かも未知の状態で決めなければならない。怖すぎる。

カリキュラムの中で、8月には「卒業制作の心得」の授業、9月に「アポ取りの方法」、10月に「模擬インタビュー」の授業があり、このころには卒業制作のテーマについて考え始める。
私の場合は、11月にアポを取り、12月前半に何度かの取材、書き上がったのは〆切前日と、実際の制作期間としては1ヶ月あるかないかというスケジュールだった。(もっと早くから取材する人もいる)

推しの全国ツアー中だったので、移動中の新幹線や、グッズ購入列(3〜4時間並ぶ)の待機中にひたすら書いた。

私の卒業制作は、広島パルコの階段の踊り場で完成した。

課題で学んだことを推し活へ

オタクというものは、推しへの愛をXやYouTubeのコメント欄などで叫びまくっている生き物だと思う。
私の推しであるでんぱ組は、「推しにメッセージを送ると自分宛にメッセージを返してくれる」という神コンテンツを提供していた。文字数制限750文字いっぱいに、自分の思いをつづって送りつける。直近のライブの感想などを羅列していた。「ほんとすごかった、最高」という旨を、750文字。

講座での学びはここでアウトプットしていた。
「テーマを一つに絞ってみよう」「掴みをどうしようか」「削れるところはないか?」と工夫を凝らして書くようになった。推し=読者という意識が芽生えた。推しへのファンレターが上手くなっていった。

あきらめた現場の数だけ強くなる

基本的に、講座と推し活は悔いなく両立できた。
とはいえ、あきらめたイベントはそれなりにあった。

編ラは、参加できなかった授業も「補講」としてアーカイブ動画を視聴できるというシステムなので、わりと融通がきいた。
しかし、「補講がない」の授業が1回だけあった。
その日は、推しの台湾公演とかぶっていた。
どうしても受けたい授業だったので、台湾はあきらめた。

「メンバーと一緒に海外に行ける貴重なチャンスを捨ててでも、この授業を受けた」という事実が後押しして、なんとしてでもものにするぞという気合いが入った。
「メンバーも戦っているのだから、私も戦わなくちゃ」ちがうフィールドだけど戦友だぜ的な、よくわからない悦に浸ることだってできた。
オタクは妄想のなかで強くなることができる。

推し活と毎週土曜の講座は両立できるのか?

結論、できる。

そもそも、他の受講生は仕事も私生活も忙しそうなひとがほとんど。
推し活うんぬんのまえに、みんな忙しいなかなんとか時間を捻出していたので、「こんなに忙しそうな人も毎週出席して、課題も出しているのだから、私も頑張ろう」と思えた。

ひとつ後悔を挙げるとすれば、当初の予定よりも現地参加できる講座数が減り、補講(アーカイブ動画)の受講で出費が多かったこと。
今から受けるなら、補講とセットのコースを申し込むと思う。出席できなかった日だけでなく、出席できた日の振り返りにもなるから。(数日間のアーカイブがあるので、聞きたいところを何度も聞ける)

予定外の現場が想定されるオタクには、補講セットプランをお勧めしたい。
これが言いたくて記事を書いているといっても過言ではない。

推し活と走り抜いた事実が、人生を変えた

私の愛するでんぱ組.incは、2025年1月5日にエンディングを迎え、16年のグループ活動に幕を閉じた。
つまり事実上の解散だが、「解散」という言葉を使わなかった彼女たちの物語。
自分も「目標に向かって全力で走り切る」と決めて、並走できたような気持ちでいた。

でんぱ組.incのラストソングに、こんな一節がある。

忘れないでね忘れないから
共に命を焦がした日々を
遅れてやってきた青春時代を

W.W.D ENDING / でんぱ組.inc 作詞・作曲:前山田健一

推し活のあとにガストにかけこみ、課題を〆切1分前に提出したことも、受講後の飲み会で仲間と朝まで語り明かしたことも、遅れてやってきた青春だったのかもしれない。

命を焦がした仲間と出会えたこと、まちがいなく一生ものの財産だと思っている。

飛び込むと、見える景色がある。

いま、あのころの私と同じように迷っている人が、
すてきな推し活ライフと、編ラライフを送れますように。

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