見出し画像

【キミの女装の中心線#05】女装サロンバーで働くキミと

▼前回はこちら


#05

今回出会うのは、2丁目の人気女装サロンバー『女の子クラブで働く女装男子。

名前は、れみさんだ。

集合場所は、新宿で永遠に開いているカフェ。東京のカフェはいろんな人がいろんな境遇で話こんでいて、すぐに私のメモ帳が満タンになりそうだ。

れみさんはゆっくりと歩いてこちらの席に向かってきた。

高いところから注いでもらうと、お得な気分

挨拶をして、話しはじめるまで彼女の意外な過去は分からなかった。
それはここには書けないんだけれど、人にはたくさんの秘めた魅力がある。こういうことは街中で見かけても話さないと分からないのだから、またこうやって直接知ることができた不思議を感じる。女装をしている段階で、魅力はまた増していくわけだけれど、それは最初の印象で、さらにベースで何層にも積もった大切にしているものが分かる。

いかなる時も萌え袖を忘れない

「ウィッグ、自然ですね」
「はい。これは今日メイクしてもらった、RAARさんのウィッグです〜。いつもバーで働いてる時は自前のものをガシガシ使ってます」
「ウィッグって、洗ったりします?」
「よく洗いますよ、柔軟剤で。いい匂いになりますね。」
「へ〜。シャンプーとかじゃないんですね」
「うんうん。あとウィッグに関しては長時間つけてると頭が痛くなるから、夜、お風呂に入る前にバサっと脱ぎ捨てるのがこれまた快感で!」
「開放感、、、クセになりそうですね」

お互い、お茶を飲み干し、エレベーターに乗り込んだ。

「そうだ。今夜、うちに飲みに来てくださいよ」
れみさんは言った。

「お、行きたいです。女の子クラブって、キャストはいろんな人がいるんですか?」
「はい、もう多種多様で」

「れみさんは、どんなキャラなんですか?」
「飲み、担当かな。一度、ツイッターで飲みつぶれた人の写真が投稿されるアカウントに、渋谷の路上で倒れてる姿をキャッチされました」
「え、あの有名なアカウント?」
「はい。それを見て、自分こんなんなってんだなって。そういえばその酔い潰れた翌日の朝、渋谷の宝くじ売り場の近くで寝てたら売り場のおばさまに水かけられて起こされたなって」
「飲みキャラとしてハクが付きましたね」
「う、うん」


大きな目に見守られている、ステージがあった

私はその日の夜、女の子クラブ に向かった。
フロアはビルの中に2つあり、エレベーターで移動する。
入場チケットを受付で買い求め、れみさんのいるフロアに移動した。

このチケットを持って2つのフロアを行き来する

下の階のフロアは赤が基調となっていたけれど、上のこのフロアはピンク一色だ。まさに女の子クラブ、というドリーミーな世界観だ。

女装のセットもバッチリ置いてあって、ここで女装デビューする人も多いという。大きな鏡でメイクもしやすそう。こういうすべてが揃っているところで、男性が気兼ねなく自分に合うものを着飾る体験ができる場所は貴重だ。

れみさんが先ほどの女装を解いて、いつもの女装姿になっていた。青みがかったアッシュヘアーは彼女によく似合っている。

伏し目も可愛い

「何のみますか?」
「えっと、レモンサワーで!」
「はーい♡」

「れみさん、そんな可愛い感じだと派手に酔っぱらったところ、全然想像つかないです」
「そうですか?でもまだ、お店オープンしたばかりだしな。」
「夜はこれからか」
「はい!かんぱ〜い!!!」

聞き上手なれみさんと一緒に飲もう!

お酒は進み、れみさんの今後の目標を聞いた。

「目標か〜、むずかしいな。今年で女装を始めて4年目になるから、引き続き人に迷惑をかけずに楽しんで生きたいですね。あとノリでシャンパンをんバンバン入れすぎないこと♡」

新宿2丁目で、女装男子と出会える魅惑のサロン、女の子クラブ。
女装体験をするもよし、恋バナをするもよし、ふらっと1人で飲みに行くもよし、シャンパンをバンバン入れるのもよし。あなたのいつもの生活に、新しい楽しみを見つけに行ける場所。ぜひ、いってみてください。れみさん、ありがとうございました〜!



次回は、サラリーマン女装男子と出会います、おたのしみに。


*今回デートした女装モデルさん
れみちゃん
Twitter:@remi_2019

*協力
女の子クラブ(女装体験と交流ができる女装サロンバー)
営業時間:19:00〜5:00 (年中無休)
TEL: 03-5357-7875
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-16 SENSHOビル 4F


*協力
女装サロンstudio RAAR 新宿
Twitter:@salon_RAAR
営業時間:10:00~20:00(不定休)
TEL:03-6205-6450
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-18-12 八重洲ビル6階 60A号室
※ダイコクドラックのある建物の上階です。
都営新宿線、東京メトロ丸ノ内線 「新宿三丁目駅」E1出口から徒歩1分
都営大江戸線、東京メトロ副都心線 「東新宿駅」A1出口から徒歩3分
※事前に必ずご予約してください。


* 作家プロフィール
ご機嫌よう。稲田万里(いなだ・まり)です。
福岡県出身の作家、占い師。東京デザイナー学院卒業後、ブックデザイナー佐藤亜沙美氏に師事。その後、不動産会社、編集プロダクションなどに勤務し、スナックのママも経験する。占い師としての専門は霊視、易。2022年の10月、ひろのぶと株式会社より初の著書『全部を賭けない恋がはじまれば』を上梓。Twitter @chikazukuze

全部を賭けない恋がはじまれば
(ひろのぶと株式会社)

ぜひ読んでください。感想、すご〜く嬉しいです。精神がお腹いっぱいになります。

#キミの女装の中心線

#女の子クラブ

思いっきり次の執筆をたのしみます