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【ルッキズム】

私は不美人だ。

どのくらい不美人かというと、生まれたとき連絡を受けた父が病院で
私の顔を見た瞬間、何も言わずきびすを返して帰宅したくらいの
筋金入りの不美人だ。

それでも年頃になると化粧を覚えたおかげで、十人並みくらいになった。

しかし10年前、男に振られてから怨み辛み妬み嫉みを心に抱えて
過ごしてきたところに加齢も伴って、気づいたらシワとたるみで
不細工に拍車がかかっていた。

もうマスクは外せない…マスク無しでは外出できない…
そう思っていたのに、ある日たまたま観たYouTubeでニューハーフさんがこう言った。

「だれもアンタのことなんて見てないんだから、自由に生きればいいのよ!」

そうか!そうだよな!こんなオバサンのことなんて、だれも見てないよな!
次の日から職場ではマスク無しでも平気になったとさ。

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