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読書記録「実家じまい終わらせました!―大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方」松本明子

女優・コメディエンヌとして有名な松本明子さんの著書です。
タイトルからじわじわと、「大変だったんだろうなあ…」と伺えます。

お父様が香川県高松市に建てた総檜造り・木組みの5LDKのご実家は、随所にこだわりを尽くし、大きな庭や、今では珍しい欄間(和室の天井と鴨居の間にある、柵のついた窓みたいなやつ、今でも旅館とかにあります)があったそうです。

松本さんが上京し、その後、東京にご両親を呼んでから空き家となりましたが、維持に25年で総額1800万円もかかったそうです。
すごい額ですよね。

お父様は亡くなる直前に「実家を頼む」と明子さんに言いました。
お父様のこだわりと家族の思い出の詰まった家を、どうにか守ってほしいとの思いで口から出た言葉ですが、この言葉は鎖となって松本さんを25年間、金銭的にも、体力・精神力の面でも苦しめました。
決して苦しめるつもりでも、無理をしてまで維持をしてほしかったわけではないと思いますが、やはり親の思いには応えたくなってしまうものです。

空き家になってから、いろいろと問題が起きます。
庭の草木の手入れ、郵便受けにたまった郵便物の整理、何かあった時に住める状態にしておくためのリフォーム費用とその打ち合わせ。
金銭的にも体力的にも、HPがゴリゴリと削られていきます。

いざ売ると決心した後も、今度は売れる状態にするためのリフォーム、大量に残された家財や遺品の整理が待っていました。
これが、読んでるだけなのに本当にしんどい。しんどい。

骨董品、着物、洋服、本、レコード、、、皆さんのご実家や祖父母宅にもあるのではないでしょうか。でっかい石、壺、日本刀、ガラスケースに入ったハチの巣の置物、。可燃ごみなのか不燃ごみなのか、個人情報的にどうなのか、許可なく捨ててはいけないものなのか。1つ1つ自治体のごみ捨てマニュアルを見ながら調べるのです。
考えただけで10円ハゲができそうです。

テレビや舞台の仕事と並行してこれらの作業を終わらせた明子さん、
体力的にも精神的にもタフすぎです。かっこいいです。
この本を読むまでは、水曜日のダウンタウンの「マツケンサンバを踊りながらなくことなどできない説」のときの姿の印象が強かったのですが、
今では気合と根性で空き家を手放した人のイメージに塗り替わりました。

ここまでで、やっと実家の空き家問題が片付きましたが、最後にお墓問題が残っていました。お墓はもうしばらく高松に残すようですが、この問題も根深いですよね。

明子さん、おつかれさまでしたー!!大変だったねー!!というねぎらいの気持ちが湧いてくる本でした。同時に、自分は子どもにこんな大変な思いはさせたくない、いろいろしっかり整理してから天国に旅立とう、と強く思いました。

ABEMAで配信されている「しくじり先生」の松本明子さん回で、この本と同じ空き家問題のことをもっとわかりやすく、面白くお話しされています。
めちゃくちゃおもしろいので、こちらもおすすめです☆


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