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いや、それは八つ当たりでしょう・・・

昨日のこと。
学校から帰宅してしばらくの間、子どもが一人でお留守番をしていた。
通院していた私は、帰宅後すぐにオンライン会議の予定があり、テレビをつけながら宿題をしていた我が子を横目にそそくさと自分の用事に集中した。
17時になった時、オンライン会議をする私の横で息子がジェスチャーをした。

…なんだかよくわからないが、お怒りのご様子。

「もうちょっと待ってて」とメモを書いて渡してオンライン会議に戻ると、横で無声のまま口をぱくぱくさせて再びお怒りアピール。

なんやねん。

私がPCを閉じると、急に大きな声で息子が泣き言を言った。

「お母さんのせいで僕の宿題終わらないよ!!」

習い事の時間が迫っていた息子は泣き喚いた。

なんでやねん。

「いや、あなた、それは八つ当たりでしょうよ。学校から帰ってきてからもう4時間半以上経つのに、なんで宿題終わってないの?」
「だって、わからないのにお母さんが教えてくれないから!僕もう出かけなきゃいけないのにどうしてくれるの!!」

何だと?

「知るか!あんたの宿題でしょう!!」
「もおおおお〜〜〜〜!もう行かないと習い事遅刻しちゃうよ!宿題終わらないよ!!」

習い事は18時から21時までみっちり体を動かすもので、帰宅してから宿題に取り組む余力はない。わかっているので本人としては焦っていたのだろう。
彼の頭の中はパニックである。

「じゃあ休めば?」
「やだ!」

「じゃあできませんでしたって先生に言えば?」
「ダメだよ!」

「じゃあちゃっちゃっと宿題やっちゃえばいいじゃん。ほれ、何が終わってないの?」
「全部」
「全部ってどういうこと?」
「漢字ドリルと計算ドリルと音読と日記」

ほんまに全部やないかい。

「あんたTV見てたじゃん!なんで4時間もほったらかしてたの?漢字なんか、辞書見れば正解載ってるじゃん」
「だって見ないで書かなきゃいけないんだよ。お母さん書いてよ」
「いや、教えてもらっても一緒でしょうよ。それよりは自分で辞書調べた方がマシだよ、見ろよ辞書。タブレットで調べろよ」
「もうやだ〜〜!!!!」

こっちがやだよ。と思いながら、仕方がないので書いてやる。
何とか書き写させて、計算ドリルに移る。
確かに、計算した痕跡はあった。しかし明らかに間違っている。桁がずれている。

「お母さん丸つけするからその間に日記書きなさい」
「もーやだー!ほんと最悪」

いや、それは母ちゃんのセリフだよ。

「終わらないからもう明日の朝やる」
「無理ですよ、今やりましょう」

習い事の先生に遅刻の連絡を入れ、計算ドリルの説明をする。
この段階でもう息子のやる気は切れている。

「はい、これで終わったでしょ?出かける準備しな」
「まだあるんだよ。ほら、プリント」
「……何でこんなにあるのに今までTV見てられたの?」
「もうやだよ!!やってらんないよ!!」

母もやる気が切れた。

「じゃあやめちまえよ。やってらんねーのはこっちだよ、ふざけんなよ」

という言葉を、どこから出てくるのかわからないような裏声で言ってやった。
息子、一瞬ポカン。
ボイスチェンジャーにかけたような宇宙人声で、私は続けた。

「だいたいなぁー、ダラダラTV見てる場合じゃねーだろーよ。わかんないことは自分で調べろや。ゲームの攻略法は自分で調べてやってるじゃねーか。なんで宿題はできないんだよ、甘ったれてんじゃねーぞ」

息子、言葉のキツさに涙ぐむ。

「お母さんひどいよ!口が悪すぎる!」

「ひどくねーよ。なんだかんだと付き合って宿題やってる母ちゃん、神様みたいじゃないか。褒めろ讃えろバカやろー!」

ここまでずっと、とんでもボイスのまま。
息子、堪え切れずに爆笑。

「お母さん、ふざけないでよ」
「ふざけでもしないとやってらんないんだよ。ほれ、早よやり」

そんなこんなで、習い事開始時間から遅れること1時間、無事に宿題をやり終えだ息子は晴れ晴れと出掛けて行きましたとさ。

もう少ししたら、私では教えてやれない内容ばかりになるだろう。
寄り添ってやれるのもあと少しだ。
そう思いつつも、こんなふうにじっくり向き合ってやれるのは家にいるから。
仕事を再開した暁には、彼のフォローをどうしたら良いか途方に暮れている。

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