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「発熱」=「PCR」ですか?

今日の記事は、憤り、不満→救われた話です。

読んでいただいた後に、「それくらいするのは当然でしょう」と不快に思われたらすみません。

いつも朗らかに笑い話をする入所者のJさん、90代の女性。

午前10時頃、食堂に座っていたJさんの様子がいつもと違うと感じたのは介護職員さん。

明らかに表情に元気がなく、少ししんどそう。

熱を測ると37,9℃ありました。

さらに右の足首が腫れてます。

ここ数日で転倒は報告されていませんが、看護師さんは「骨折による発熱」を疑いました。

その日は木曜だったので、午前中に整形外科を受診しましょうという話になり、さっそくに看護師が近隣の整形外科に電話をします。

状態を伝えて、しばらく待たされて返ってきたのは

「PCRをして、陰性なら来てください」

??

「熱はありますが、風邪症状はありませんよ?」

と伝えるも、変わらず。

別の整形外科に電話。

今度は最初から

「発熱はありますが、風邪症状はありません」

と伝えるも

「PCRをしてから来てください」

私も看護師さんも落胆、憤り…。

もし骨折していたら熱は出るでしょう。

しかもうちの特養がある自治体では、その日現在、新型コロナ陽性者は7人。

感染拡大地域とは程遠い状況にもかかわらず。

人の出入りが限られる特養入所者さんにその対応って…。

「こんな対応されるなら、発熱してるって言わなきゃよかった」

と、看護師さんがぼやきました…。

目の前でしんどそうにしているJさん。

近隣の整形外科はあと1つ。

そこは、私が地域包括支援センターに勤務していた頃からよく知っている先生でした。

熱心なんですが、患者さんの気持ちはあまり聞いてくれないという印象でした。

患者さんが「デイサービスで楽しく運動したい」と先生に相談すると、

「リハビリならうちに来んさい」

と言い、

別の患者さんが

「買い物に行くのが大変だから、電動四輪車を使いたい」と言えば、

「足腰が弱るけぇ、三輪車を使いんさい」

と平然と言う。

お世辞にも、地域の高齢者さんも

「あそこの病院には行きたくない」

と言われる方が多かったです。

ダメ元で看護師さんがJさんの状態を伝え、診察を依頼すると、

「わかった。往診するからもう少し待ってて」

診てくれるだけでなく、往診? あの先生が??😲

訪問診療専門の先生でない限り、初診は検査などするため通院することが多いので、なおさら驚きです。

約20分後に現れた先生は、Jさんの前でしゃがみ、

「ちょっと足を触るよー。これ痛い?」

と優しく診察されました。

「動きや足の色から考えて、骨折じゃないよ。下肢静脈瘤だね。痛みどめを処方するから、様子を見てくださいね」

診察後に、

「どこの病院に断られたの?」

「特養で陽性者が出るなんて考えにくいのにね」

「もし痛みや腫れがひかなかったら、いつでも連絡して」

と言い残し、颯爽と帰っていきました🌠

診療を断った病院の対応が悪いとは言いません。

その病院にもスタッフや患者さんが多くいますから、守るためには必要と思われたのでしょう。

ただ、

「感染したくない」

「感染してはならない」

という気持ちが強くなりすぎると、他者との接触を最低限にするようになり、本来であれば当然していたこともしなくなるのだと思います。

新型コロナウイルス感染によって亡くなられた方は、日本で1000人を超えました。

私は今回の件をきっかけに、

「本来ならばすぐ受診して適切な治療を受けることができたのに、受診を断られたことで重症化した方。または亡くなられた方」

も相当数おられるのではないかと思いました。

地球上から新型コロナウイルスが消えてなくなることは、おそらくないでしょう。

そして、いつまた新たな感染症が流行するかわかりません。

ウイルスとの共存

もっと簡単に言えば、

「安心して感染できる社会」

になってほしいと思います。

長い文章、最後まで読んでいただきありがとうございました。