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メッツ・プロスペクト その5 Alex Ramirez

こんにちは、久しぶりのD-Betです。

今回はメッツの外野手プロスペクトで現在非常に成長著しいAlex Ramirezについて紹介しようと思います。


Alex Ramirez

守備位置:センター
投/打:右/右
身長/体重/生年月日:190cm/88kg/2003年1月13日生


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A級セント・ルーシー・メッツでのAlex Ramirez


☆略歴


 ドミニカ共和国のサント・ドミンゴ出身。2019年の国際FA契約解禁日(7月2日)になる前からその運動能力を高く評価されており、特に当時のメッツの国際スカウトディレクターのChris Becceraの眼に強く留まったようです。そして解禁日当日に契約金205万ドルでメッツと契約。ちなみにMLB.comの国際FAランキングでは29位に入っていました。

2020年はご存知のように、COVID-19によりマイナーリーグシーズンが中止になり、プロデビューはお預けに。

 そして実質プロ1年目となった2021年はドミニカン・サマーリーグをすっ飛ばして、アメリカに上陸。そしてルーキーリーグも飛ばしてA級に配属されました。この年は.258/.326/.710、wRC+96と苦しみましたが、今季(2022年)は前年から三振率を減らした効果もあり、開幕から安打を量産し、一時期は4割近い打率を記録。その活躍もありシーズン途中のFangraphsのトップ100プロスペクトに選出。ちなみに同い年、同階級のJasson Dominguezよりも高評価でした。とはいえ開幕当初に比べると調子は落ちてますが‥‥。とはいえここから立て直していけば今シーズン中のA+級昇格は間違いないでしょうね。

 同じくメッツのトップ・プロスペクトであるRonny Mauricio同様のフリースインガー&高BABIPということもあり、今後大きく下振れする可能性もありますが、この状態を維持できれば大きくランクアップする可能性がありますね。



☆選手としての特徴


走攻守に優れた5ツールプレイヤーとして期待されているプロスペクト。


・Hit

 A級でハイアベレージを記録しているとはいえ、Hit Toolは彼の弱いツールの一つで、トップの位置、スイング自体はシンプルなものの、投球の見極めやコンタクトスキルが昨季までは未熟で、アプローチの悪さ(BB/K=23/104=0.22)が目立っていましたが、2022年は三振率とコンタクト率に改善が見られ(2021年三振率31.1%→2022年22.0%、コンタクト率65.6%→75.5%)、BB/Kも改善傾向(6月22日時点で18/56)。それが今季の開幕時のハイアベレージに繋がっているといえそうです。とはいえ2022年も相変わらず選球眼はイマイチで、未だにゾーン外のボールに手を出してしまい翻弄されることも多く、四球率は低レベル。まあ対戦相手の殆どが年上で、今後の成長の余地がある部分でもありますが。

 p.s. 6月に入って一気に打撃成績は失速していますが、BB/K=11/15=0.73(6月23日時点)とアプローチが良化しています。これは選球眼の成長か、それとも短期間の産物なのか?


・Power

 契約時からパワー(とスピード)を高く評価されていましたが、入団時には190cm、77kgと長身細身だったのが現在では190cm、88kgまで成長。その成長もあってか生来のパワーポテンシャル自体は平均以上を誇っており、軽い力で飛距離のある打球を放つことができます。現在19歳ながら打球初速度105マイル前後の打球を何度も放っておりなんなら2021年、2022年シーズンのいずれも打球初速度109マイルの打球を放っています。身長を考えるともう一段階くらいは筋力のよる体格の成長が期待できそうで、将来的には打球初速度110マイル超えを計測するでしょうね。
しかし、これはあくまでロウ・パワー(生来のパワーポテンシャル)の話で、試合の中では先述の選球眼の悪さもあってポテンシャルを十分に発揮できていません。まあまだ19歳ですしそこまで悲観する必要はないですが。


・Speed & Fielding

 先述のようにメッツと契約前から身体能力の評価が高く、特に生来のスピードとセンター守備における打球への反応を高く評価されており、プロ入り前の60ヤードダッシュでは6.34秒を計測、また肩の強さも既に平均以上のポテンシャルであったと、契約当時メッツのスカウト部長であるTommy Tanousは語っています。しかしプロ入り後に体格が大きくなった影響かスピードが落ち、今では20-80スケールで50~55というレポートが多いようです。55はともかく50ってことはないと個人的に思ってますけど。
  
 スピードが落ちたこともあり、プロ入り当初は長くセンターに留まると言われていた守備もライト向きであると言われるようになりました。実際に2022年のセンターの守備成績でも低下が見られる指標もあります(FRAA)。まあライトを守る分には現時点では十分の守備範囲でしょうね。
 肩の強さは契約時から変わらず平均以上のプラスツールで、ライトを守るには申し分ないレベル。


☆雑感


 分かってはいましたけど、Ramirezの打撃成績が失速しているこのタイミングで、この記事を書いたのはタイミングが悪かったです。それはともかく野手ではAlvarezBatyMauricioに次ぐトップ・プロスペクトで、現状は打撃の粗さが目立ちますが、試合を経験するごとに改善を見せている部分もあり、今後が楽しみではあります。とはいえMauricio同様のフリースインガー傾向はなんとかしてほしいですけど‥‥。

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