2022年MLBドラフト ヤンキース6、7巡目指名選手(Chase Hampton,Cam Schlittler)
こんにちは、Spencer-Betです。
なんかだいぶ日が開きましたが、今回は6、7巡目指名を受けたChase HamptonとCam Schlittlerについて。
Chase Hampton
ポジション:投手
投/打:右/右
身長/体重:188cm/102kg
生年月日:2001年8月7日生まれ
☆略歴
テキサス州ロングビュー出身で、高校は同じくテキサス州の北東部にあるキルゴア高校に進学。
2年生時は8勝1敗、66.1イニングでERA1.65、81奪三振、33四球、3年生時は12勝3敗、58.1イニングでERA1.55、158奪三振、34四球、UILステートトーナメント進出に貢献しました。高校最終年はCOVID-19により短縮シーズンとなったことで僅か3登板にとどまったものの高校通算では22勝5敗、162イニングでERA1.94、284奪三振と好成績。
高校卒業後にMLBドラフトで指名されることはなかったものの、実力の評価は高かったのか地元テキサスの強豪校テキサス工科大学に進学。
入学1年目の2021年から登板機会が与えられ、初登板は救援だったものの自身2度目の登板で先発投手として登板。3回無失点。5日後にも先発として起用され4回1失点とまずまずの好投を見せたものの、そこからは起用法が安定しない便利屋的な扱いを受け、最終的に先発としての7試合を含め計18試合に登板。44.1イニングでERA4.26、奪三振率6.9、四球率3.5、WHIP1.19となんとも言えない成績を記録。それでもポストシーズンでは4登板し、そのうち3試合に先発。カンザス大学戦では6回無失点7奪三振、アーミー・ウエスト・ポイント大学戦では6回1失点7奪三振と好投を見せました。
シーズン終了後に参加したケープ・コッド・リーグでは4登板(1先発)、11.0イニングでERA4.91、K/9=11.5、BB/9=3.3とまたも平凡な成績でしたが、翌2022年のカレッジシーズンは昨季後半の先発としての好投が評価されたのか、先発投手としての登板機会が増加。特に最終4登板においては17.2イニングでERA1.66、奪三振率15.4(37三振)と圧巻の投球。ドラフト前の最終登板であった7月4日のノートルダム大学戦ではチームは敗れたものの、6回12奪三振無失点の好投を見せ、評価を上げました。早生まれということもあり、2年生ながら2022年のドラフト対象で、このとのドラフト6巡目(全体190番目)でヤンキースが指名。
MLB.comの出していたTop250には入っておらず、ベースボール・アメリカのランキングでも291位と割とオーバーピックなはずですが、後述のスペックもあってかヤンキースはスロット額の26.4万ドルを大きく上回る49万7500ドルで契約。ということで6巡目の割に割と期待は大きそう。
☆選手としての特徴
投球フォームは比較的オーソドックスなスリークォーター。1番の武器である速球は普段は92〜96マイルですが、最速は99マイルを計測するなど非常に球威があり、高い奪三振率の要因。変化球はスライダー、カーブボール、チェンジアップとありますが、1番クオリティが高いスライダーは84〜87マイルの空振りが取れる球である一方で、ゾーン外に上手く投げることができておらず、現状は平均的な評価にとどまっています。カーブボール、チェンジアップはスライダーよりもさらに球威に欠け、やや心許なく先発として残りたいのであれば改善が必要でしょうね。
まあかなりの確率でリリーフに落ち着きそうですが、今季終盤に見せた先発でのパフォーマンスを見るとまず先発として見てみたい気もします。
あと関係ないけど、感情を表にかなり出すタイプっぽいです。
Cam Schlittler
ポジション:投手
投/打:右/右
身長/体重:198cm/95kg
生年月日:2001年2月5日生まれ
☆略歴
マサチューセッツ州のイースト・ウォルポールに生まれ育ちました。マサチューセッツ州はボストン・レッドソックスのお膝元ということもあり、幼少期は勿論レッドソックスファン。高校は地元のウォルポール高校に進学。高校の時から既に高身長かつ恵まれた体型で、バスケットボールもプレイし、また野球では高校最終学年時に7勝1敗、ERA1.11を記録するなど活躍を見せたが、速球の球速が90マイルに満たないなど全く評価が高くなく、卒業後はボストンにあるコロニアル・アスレティック・アソシエーション・カンファレンス(通称ACC)所属のノース・イースタン大学に進学。
大学進学後の2020年はCOVID−19によるシーズン休止になるまでの3登板(2先発)、13.2イニングでERA1.23、奪三振10(K/9=6.6)、四球2(BB/9=1.3)、H/9=4.6、WHIP0.66を記録し、短期間ながらインパクトを残しました。
翌年2021年は開幕から3番手の先発投手として起用されると、順調に好投を積み重ね、13試合(13先発)に登板、76.2イニングでERA1.88、奪三振85(K/9=10.0)、四球20(BB/9=2.3)、H/9=6.8、WHIP1.02を記録し、シーズン終了後にはフレッシュマン・オール・アメリカン(いわゆる最優秀1年生賞)にも選出。
しかしシーズン終了後に参加したケープ・コッド・リーグでは25.0イニングで11四球を出すなど結果を残せず。
2022年シーズンは先発1番手として開幕を迎えたものの、好調時は昨年に引き続き支配的な投球を見せたものの、3月11日のクリムゾン大学戦での4.2回7失点やウィリアム&マリー大学戦での4回6失点に見られるような炎上を時折見せたことで評価も低下。シーズン通算も15先発、91.2回でERA3.44、85奪三振(K/9=8.3)、32四球(BB/9=3.2)、H/9=7.6、WHIP1.19と昨季から一歩後退したシーズンに。
強豪カンファレンスならともかく中堅カンファレンスで成績を落としたこともあり、さほど評価も高まらず2022年のMLBドラフトでは7巡目(全体220位)でヤンキースが指名。ちなみにベースボール・アメリカがドラフト前に出していたドラフトランキングでは448位にランクインしておりややオーバーピック気味。スロット額20.75万ドルに対して契約金20.5万ドル。ちなみに同ドラフトで18巡目指名されたSebastian Keaneは大学のチームメート。
☆選手としての特徴
投球フォームはやや後方へのテークバックが大きいものの、シンプルなスリークォーター。速球の球速は90マイル前半程度(最速95マイル)で、ナチュラルなシンカー軌道。198cmの高身長ということもあり球速に関してはまだ伸びる余地があると考えられています。その他にスライダー、カーブボール、チェンジアップも投じますがいずれの球種もプラスグレード未満の威力と評されており、その中でも最も評価が高い80マイル中盤のスライダーはスイーパー軌道を描き、好調時はカレッジにおいて空振りを奪っていましたが精度はイマイチでfringe–average級、時折投じる70マイル後半のカーブは典型的な12−6軌道を描くが良くてfringe–average級と評されており、チェンジアップも同様。
カレッジ通算BB/9=2.7を記録しているストライク・スロワーで、一定の制球力は備えているはずですが、カレッジでの182.1回で21個の死球を与えているのは気になるところ。
まあ高身長なのは面白いですが、現在のスペックだけ見たらこの順位&評価なのも納得かな。