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ヤンキースがAndrew Benintendiを獲得。交換要員はBeck Way、T.J. Skkema、Chandler Champlain

こんばんは、Spencer-Betです。

ここまで大きな動きのなかったトレード戦線ですが、ヤンキースが動きました。
ロイヤルズからAndrew Benintendiを獲得し、代償として3人のプロスペクトを放出することに。


Andrew Benintendi


Andrew Benintendi

ドラフトイヤーの2015年に好成績を残し、その年のMLBドラフト全体7位でレッドソックスが指名。当時私自身は、直前に評価を上げたレイトライザーということもあり、個人的にあまり気に入っていませんでした。

プロ入り後は速やかにマイナーを卒業すると、MLBでは毎年ホームラン15〜20本、OPS.800前後の打撃成績を記録。今季はホームランこそ僅か3本であるものの、開幕からハイアベレージを維持し、xBAや空振り率といったコンタクト系の指標はトップクラス。デビュー当時からスプリントスピードが低下しており、外野守備はレフト一択。今季もOAAは平均未満と守備力にはさほど期待できないと思います。

ヤンキースは昨季にトレードで獲得したJoey Galloが開幕から大不振で、ファンから大ブーイングを浴びており、さらについ先日にはGiancarlo Stantonが故障によりIL入り、そもそもStantonがIL入りする前からMatt Carpenterを外野で起用するなど外野手のやりくりに苦労しており、外野手補強が最優先事項だったのは事実なのでBenintendi獲得自体は悪くないのでは。ちなみに少し前まではワクチン未接種という観点からヤンキースのBenintendi獲得はないのではと言われていましたが、今後ワクチン接種を受けるようで、その点に関しては問題ないようです。

ここからは交換要員の3選手について


Beck Way 


Beck Way

コロナによるパンデミックに陥った2020年のMLBドラフトにおいて、4巡目指名を受け、ヤンキースに入団。COVID-19によるシーズン短縮&対戦相手の質の問題はあったものの、ドラフトイヤーの投球成績、92〜97マイルの速球とプラス級のチェンジアップの評価が高く、この年のヤンキース指名選手の中ではもっとも攻めた指名でもありました。

プロ入り後はストライク率が60%前後、通算四球率4.2と制球の乱れがあるものの、速球の球速が100マイルを計測するなど、球威がさらに上昇。またプロ入り前は評価の低かったスライダーが三振を奪うボールとして機能し、プロ2年間の奪三振率は10.8と高く、まだ22歳という年齢も考えると最大限成長した時の上限はエース級といっても過言ではないレベル。まあ個人的には惜しいなあとは思いますが、リスクの高さからトレードチップになるだろうなあとも思っていました。


T.J Sikkema


ミズーリ大学の3年間で安定した成績を残し、2019年のMLBドラフトで全体38位指名を受けてヤンキースに入団。もちろん実力はあった選手なのですが、本来は2ー3巡目レベルと評されており、オーバーピックされたのは同じくヤンキースに指名されたAnthony Volpeの契約金を捻出するためではと言われていました。(まあ実際はスロットと同額で契約したので、契約金節約のためとも言い難いのですけど。)

ドラフトイヤーに早速Aー級に配属されるとERA0.84と無双し、速やかな昇格を期待されていましたが、これ以降は度重なる故障に悩まされ、シーズン中止となった2020年だけでなく2021年も全休。3年ぶりの実戦復帰となった今季は故障明けということを考慮され、慎重に起用されたものの、好投を続け、だんだんと球数も増加。球威やナスティーな変化球はないものの、ストライク率70%前後の安定した制球力と、アームスロットを横手に変えるなどの巧みな投球術で、今季もここまで11登板、36.1イニングでERA2.48、奪三振率11.0、WHIP0.83と支配的な投球を披露。なぜ2A級に昇格していないのか不思議なレベルでしたが、今年オフにルール5ドラフトの対象となるなど、売り時の選手ではありました。ちなみにマイ・フェイバリットです。


Chandler Champlain


Chandler Champlain

詳しくは上記記事を見ていただけると幸いです。
高校の時には高く評価されていた選手ですが、カレッジではパッとせず2021年のMLBドラフト9巡目指名に落ち着きました。プロデビューイヤーとなった今季は80マイル後半のスライダーに平均93〜94マイル、最速96.7マイルの速球を織り交ぜるスライダー偏重の投球で、スライダーの調子に左右されるスタイルゆえ好不調の差が激しく、ここまでの成績(A級)は16登板でERA4.30、WHIP1.24と平凡であるが、好不調に関わらず三振を奪えるため、奪三振率は11.5と高く、救援に絞るなり、投球スタイルを変更するなりすることで大化けする可能性はあります。面白い選手ではありますが、まあ放出を躊躇するレベルでもないですね。


○雑感

個人的にドラフト時にBenintendiを気に入ってなかったこともあり、少しWaySikkemaの放出は悲しいですけど(特にSikkemaはフェイバリットの1人だったので)、客観的に見れば、2Aにも到達していない、ヤンキース傘下で余剰気味の投手プロスペクトで、大不振のGalloに代わる外野手のBenintendiを獲得できたのは美味しいのではと思います。

以上、簡潔に書きました。

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