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メッツプロスペクト その2 Brett Baty

こんにちは、D-Betです。

前回のFrancisco Alvarezに続いて、今回は強打のサード・プロスペクトであるBrett Batyについて書こうかと。


Brett Baty

基本情報(投/打、身長、体重、生年月日)
(右/左、190cm、95kg、1999年11月13日生)

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・経歴

 テキサス州ラウンドロック出身で高校はテキサス州にあるレイク・トラビス高校に進学。高校ではテキサス州の3Bとしてはトップ、テキサス州全体でもBobby Witt Jr.に次ぐ2位とかなり評価の高い選手でした。
 年齢離れした体格と優れた運動能力もあってか野球選手としては勿論ですがフットボール、バスケットボールの選手としても優秀だったようで(特にバスケットボール)、3年生までは野球での試合経験もあまり多くありませんでしたが、最終学年になる前に野球に専念。
 最終学年であった2019年には39試合で.602/.737/1.306、19HR、10盗塁を記録しただけでなく、強肩を生かしてマウンドにも上がり、53イニングでERA0.92、奪三振96、12四球と好投を見せました。 

 高校ではテキサス州の3Bとしてはトップ、テキサス州全体でもBobby Witt Jr.に次ぐ2位とかなり評価の高い選手であった一方で、2019年ドラフト時点で19歳6ヶ月と他の高校生ドラフト候補と比較してかなり年上である点を懸念点として挙げる声もありました。
 しかしそれを差し引いても素質は圧倒的であることに変わりなく2019年のドラフトにおいてニューヨーク・メッツからドラフト1巡目(全体12位)で指名され、契約金390万ドルで入団。ちなみに高校卒業後にはテキサス大学への進学が内定していました。

 入団後はルーキーリーグのガルフコースト・リーグ・メッツに配属され、僅か5試合ですが.350/.480/1.130、1HRと相手投手を圧倒し、すぐにアパラチアン・リーグのキングスポート・メッツに昇格。先述のように早生まれということもあり、これまでの野球キャリアの中で年上を相手に対戦した経験が少なく、この昇格により自身よりリーグ平均年齢が1.5歳高い環境に配属されたこともあって、やや打撃面で苦しみ、昇格してから1ヶ月ほどは打率1割台を彷徨う状態。

 8月中旬頃から当たりが出始め、最終的には42試合で.222/.339/.775とこれまでみせていた圧倒的な打撃成績ではなくなりましたが、それでもwRC+115と平均以上の成績を残しただけでなく、42試合で6HR &四球率12.9%と自慢のパワー&選球眼を示しました。8月に.261/.369/.869と対応をみせたことが評価され、8月30日にshort-A級のブルックリン・サイクロンズに昇格。昇格後はシングルヒットとツーベースが一本ずつでHRはなかったものの、17打席で6四球を選び、選球眼の良さは示しました。

 COVID-19によるシーズン休止を経て迎えた2021年はA+級のブルックリン・サイクロンズに配属されると(マイナーリーグの再編によりshort-A級が消滅しサイクロンズがA+級になりました)、開幕から順調に安打を積み重ね、5月は.317/.429/.826と好調なスタートを切った一方で、長打率.397、HR0本と長打が出ませんでした。しかし6月以降はコンスタントに長打を量産し、A+級では.309/.397/.911、7HR、wRC+145を記録。この活躍もありプロスペクトのオールスターことフューチャーズ・ゲームに選出されました。その直後(7月10日)に2A級のビンガムトン・ランブルポニーズに昇格を果たしました。

 2A級昇格直後の7月は昨季の昇格直後の同様に安打が出ない日々が続き、打率2割にも届かない状態でしたが、8月に入ると適応を見せ、そこから順調に安打を積み重ねると8月は.311/.400/.856、3HRの好成績を記録。最終的には2A級の40試合で.272/.364/.787、5HR、wRC+118の打撃成績を記録。またシーズン終了後にはアリゾナ・フォールリーグに派遣され、プレイヤー・オブザ・ウィークにも選出されました。(アリゾナ・フォールリーグについてはこちらに)


・選手としての特徴

・打撃

打撃フォームはグリップ位置はほぼ顔の高さにあり高く、また顔の近くにあります。またレッグキックを採用し、ストライドも大きめ。高校生の時に既に打球初速度101マイルを計測するなどスイングスピードと体格の良さから生まれるパワーは間違いなく平均以上のポテンシャルを秘めていますが、プロではそのポテンシャルをゲーム内で上手く発揮できているとはいえません。これはゴロ率が50%以上と高く、長打になりやすいフライ打球が少ないのが要因かと思われます。しかしこのようなパワーポテンシャルを秘めながら、振り回すだけのただのプルヒッターではなく、状況に応じてフィールドを広く使い広角にバレルの打球(HRも含めて)を放っている点は印象的で、単なるHRヒッターではないように個人的にも感じます。

 ゾーンスイング率は40%台前半と待球型で、しっかりとボールを見極めて投球を叩くタイプであるため四球を選ぶ能力には長け、マイナーではいずれの階級でも四球率は10%以上を記録。このようにアベレージも残せるタイプの強打者なのですが、コンタクト率は70%前後、またいずれの階級でも三振率は25%前後を喫するなどややコンタクト面には不安が見えます。(まあ三振が多いのは待球型というのもありますが‥。)
 まあ今の打撃アプローチをより上の投手に対しても維持できれば最低でも平均程度は打撃で貢献できるのではないかと。


・守備走塁

 高校時にバスケットボールやフットボールでも活躍した身体能力の高さが自慢ですが、高校時に計測した60ヤード走では7.2秒を計測とスピードは遅め。その時より体格の大きくなっている今ではもっと遅くなっている可能性がありますね。

 サードの守備に関しては先述の強肩やグラブ捌き、フットワーク等は悪くないものの、打球反応や守備範囲に関しては評価が良くなく、現状はポジショニングによりその問題を解決しているよう。総合的な守備の評価はどの媒体でも平均レベルと評価されています。そのような問題もあってか既にレフトとしての起用も見られています。まあこれに関しては同じ強打のサードプロスペクトであるMark Vientosと共存させる目的もあると思いますが。

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(上の写真はBatyのライバルであるMark Vientos


・雑感

 プロ入り当初は早生まれであることから懐疑的な見方をされていましたが、プロ入り後も年上選手を相手に好打撃を披露しており、その辺の心配は不要かと。ただ各階級において昇格直後は打撃不振に陥いるなど適応に時間を要しており、3A、MLBへと向かうであろう今後もその傾向は続くように思われます。とはいえ順調にいけば最低でも2年以内にはMLBデビューを果たせると思います。

 先に述べたように同じチーム内に同じポジションかつ同じ強打者のMark Vientos(こちらの選手についてはいずれ)がおり、Mets首脳陣はBatyのサード守備時における左右の動きを改善するように取り組んでいますが、どちらかは他のポジションにコンバートされる可能性大。まあ個人的にはBatyはファーストが最適ポジションだとは思いますが、MLBにはPete Alonsoがいますしどうしたらいいものか‥‥。

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