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【再考したい】パワポとWordの使い分け

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は「そもそもパワポをいつ使うべきなのか」というテーマについて、パワポ研の実務上の経験も踏まえて詳しく解説していきたいと思います。というのも「パワポ研」と銘打っておきながら、パワポではなくWordで資料作成を行うこともあるからです。
今回のケースはパワポにすべきか、Wordにすべきかと悩むこともあり、これと似たような悩みを持っている方は他にも沢山いそうだということで、今回記事にすることにしました。

世の中には「パワポ不要論」というのもあり、一時期Amazonが社内でパワポを禁止しているというニュースが話題になりました。

そのため、今一度「パワポで資料を作成する意味」について再考し、将来の意思決定に活かすことができればと考えています。

そもそもパワポ研は普段何をしているの?

薄々感づいておられる方もいらっしゃるかと思いますが、パワポ研はデザイン事業に取り組む専業のデザイナー集団ではありません。プロダクト開発やコンサルティング、データ分析など、多種多様な業務に取り組んでいる「なんでも屋」の側面が強いです。個人事業主だと業務効率が悪いため、プロジェクトごとに複数人が集合・解散を繰り返し、顔なじみのメンバーで複数の事業を同時進行させるという形をとっています。

そんなパワポ研ですが、官公庁関連の入札やアカデミックな発表の場に顔を出すこともあり、作る資料の種類も相当多岐に渡ります。テンプレートを使い回せる場合は良いのですが、アウトプットする内容の特殊性が高かったり、分量が多かったりする場合もあるので、その際はWordでの資料作成を検討することもあります。

資料のフォーマットを判断するための基準軸

資料を作成する際に考慮すべきことは、究極的には2つに収束します。「こちら側(作成者側)の判断軸」と「あちら側(受領者側)の判断軸」です。作成者側の判断軸は「どれくらい作成の工数がかかるか」、受領者側の判断軸は「どのくらい閲覧コストがかかるか」であり、言い換えると、作成者側、受領者側双方のかけるコストと得られる成果のバランスで資料の性質が決まるということになります。

● 作成者側の判断軸
資料の作成者は、できる限り分かりやすく見栄えの良いものを作成しようと思うのですが、ここで大事になるのが「その資料は今後も使い回せるのか」という視点です。例えば、外部に向けて発表をする機会の多い会社の会社紹介資料などは、相当汎用性が高いのでカテゴリーなので、多少手間暇がかかっても最初に作り込んでおくメリットはあります。一方で、単発のプロジェクトの報告書など「今後もう二度と使わない」というものに関しては、フォーマットを作り込む必要性は低くなります。

● 受領者側の判断軸
少しややこしいのですが、ここでいう「受領者側の判断軸」とは、作成者側から見た際の、「資料を受領してもらうシチュエーション」になります。例えば、作成した営業資料の決済権限が先方の会社の社長にあり、その社長が極めて多忙である場合、すぐにメッセージの理解できる形で資料を作成しておく必要があります。一方で、何らかの調査レポートを作成し、チェックするのが現場の担当者(研究員や調査員など)の場合、じっくりと読む時間があるため、分かりやすいパワポよりもむしろ細部にこだわったWord形式の方が好ましいでしょう。

何をパワポで作るべきなのか?

上記の「作成者側」と「受領者側」の判断軸を用いて、様々な資料の位置づけをプロットしたのが下図になります。

縦軸が作成者側の都合で上に行くほど汎用性が増すため、パワポで作った方が良い。横軸が受領者側の都合で、右に行くほど資料閲覧者の時間が限られてくるので、パワポで作った方が良い。つまり、右上に行くほどパワポで資料を作ることが望ましいという形になります。
一方で、左下にある調査レポートや要件定義書などは内容の個別性が極めて高い上に、受領側でもきっちりと時間をかけて確認していくタイプの資料となるため、無理やりパワポで作成するメリットは少ないと言えるでしょう。

上記に当てはまらないケースも数多く存在すると思いますが、汎用性と時間制約という2軸で判断すると、割とスッキリするのではないでしょうか。

最期に

いかがでしたでしょうか。資料作成の際のフォーマットについての考え方を整理しました。上記は全てパワポ研が作ったことのある資料であるため、実務面に即した議論ができたのではないかと思っています。もちろん、作業効率云々の話は別として「パワポを作るのが楽しい」という理由で、二度と使い回さないような凝ったパワポを作ることもあるので、あくまで参考程度にとらえていただければと思います。

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