【2023年10~12月】今年上場した「スライド作成のお手本にしたい」スタートアップ5選
みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。
今回は、2023年10~12月に上場したスタートアップ企業に焦点を当て、その中から特にスライド作成の参考にすべきだと考えられる企業を5社紹介いたします。今回ご紹介する資料は2023年10月〜12月に各社が公開している「事業計画及び成長可能性に関する事項」となります。
3ヶ月毎に発表するこちらのシリーズは好評となっておりまして、過去には以下のような記事を執筆しました。
https://note.com/powerpoint_jp/n/n7217c5b9ef8b
https://note.com/powerpoint_jp/n/n5812491de97a
なお、この「事業計画及び成長可能性に関する事項」については、宝の宝庫となる可能性を秘めておりますので、別記事で詳しく解説しております。
https://note.com/powerpoint_jp/n/ne5f9320352b5
それでは早速見ていきましょう。
S&J
Ｓ＆Ｊ株式会社は2023年12月15日に上場した、SOC（Security Operation Center）サービス及びそれに付随するコンサルティングを展開する会社です。海外拠点を含む国内の企業に対してサイバーセキュリティサービスを提供しており、ランサムウェア等による被害企業に対して緊急対応を実施後、各種対策を提案しています。
パワポのデザインに関しては、サイバーセキュリティを想起させる画像を背景に用いつつ、ほぼ青系統一色で表現されている非常に視認性の高いものとなっております。特に4枚目の収益構造のスライドなどは、5色の青色を使い分け収益の割合を表現しており、このまま他の用途にも転用できそうですね。
参考URL：https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231214503421/
ドリーム・アーツ
株式会社ドリーム・アーツは2023年10月27日に上場した、複数のクラウド関連サービスを展開する会社です。「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」をミッションに掲げ、大企業向けSaaSプロダクト（ノーコード開発ツール「SmartDB®」、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」、チェーンストア向け情報共有ツール「Shopらん®」）および特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR（DXCustomResolution）」の提供を行っています。
パワポの特徴としては、上述のS&J社と同様、青色の使い分け方が素晴らしく、加えて「セグメンテーション」の表現方法が参考になりそうです。市場規模や開発領域、戦略パートナーなど、様々なレイヤーが想定される概念について分かりやすく図示し、「この段階ではここに注力している」ということを明確化しています。今回紹介したスライド以外にも様々なフレームワークが載っているので、気になる方はDeck全体をご参照ください。
参考URL：https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231026572235/
笑美面
株式会社笑美面は2023年10月26日に上場した、シニア関連サポート事業を行う会社です。要介護者へのサービスは増加してきている一方で、介護を行う家族などへの支援は不十分という情勢を鑑み、介護家族による介護負担を課題として捉え、家族介護の負担を軽減する「シニアライフサポート事業」と、サービスの質が高いシニアホームを増やす「ケアプライム事業」を運営しています。
同社のスライドの特徴はタイトル+メッセージのエリアを灰色とすることで、余計な線を使わずに伝えたい内容の強調に成功していることです。特に2枚目と3枚目のようにオブジェクトの形に応じてメッセージの位置が変化する場合があるため、読み手がメッセージを見失わないよう、色分けしているという点が評価できます。
参考URL：https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231025571388/
売れるネット広告社
株式会社売れるネット広告社は2023年10月23日に上場した、D2C（ネット通販）向けデジタルマーケティング支援事業を行う会社です。「”最強の売れるノウハウ®”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世の中にたくさんのドラマを創る」を企業理念として掲げ、ネット広告/ランディングページに特化した➀クラウドサービス／➁マーケティング支援サービスの2点が主力として事業を展開しています。
スライドに関しては、マーケの会社らしく、力強いメッセージが太字で随所に配置されており、全社的な熱量の高さが伺えます。メインカラーも濃い目の赤となっており、上記の方向性と合致しているように見えますが、5枚目のスライドのように濃淡や余白を上手く使いこなして、圧迫感を与えないような工夫ができていることもポイントとなりそうです。
参考URL：https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231019569130/
キャスター
株式会社キャスターは2023年10月4日に上場した、オフィスワークのリソースを小ロットな月額で提供するサービス（WaaS事業）を展開する会社です。このWaaS事業では、分単位〜年単位での様々なタスクに対応し、大量のリソースを柔軟に利用可能できる環境を提供します。また、提供元であるキャスター社においても「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げ、800名以上のほぼ全ての従業員がフルリモートワークで働いているようです。
パワポのデザインに関しては、同社のロゴに使われている黒をメインカラーとして、黄色をアクセントカラーとして上手く使いこなしているのがポイントです。通常黄色は文字にすると非常に読みづらく、スライド全体の視認性を下げることに繋がるため、極力避けるのがセオリーなのですが、同社は蛍光マーカーのように黒文字の上から黄色を被せたり、黒文字の下線として黄色を使うなどして工夫しています。これにより、ノートや雑誌を読んでいるような感覚でスライドを眺められるのがGoodですね。
参考URL：https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231002561754/
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した5社のみならず、近年上場する企業はパワポのレベルがどんどん向上しているためめ、参考になる素材の宝庫です。「事業計画及び成長可能性に関する事項」に関する情報は、Twitter等で随時紹介しておりますので、パワポ研をフォローいただき、ご覧ください！
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