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【2024年10~12月】昨年上場した「スライド作成のお手本にしたい」スタートアップ5選

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は、2024年10~12月に上場したスタートアップ企業に焦点を当て、その中から特にスライド作成の参考にすべきだと考えられる企業を5社紹介いたします。今回ご紹介する資料は2024年10月〜12月に各社が公開している「事業計画及び成長可能性に関する事項」及び「会社説明資料」となります。

3ヶ月毎に発表するこちらのシリーズは好評となっておりまして、過去には以下のような記事を執筆しました。

なお、「事業計画及び成長可能性に関する事項」については、宝の宝庫となる可能性を秘めておりますので、その探し方を別記事で詳しく解説しております。

それでは早速見ていきましょう。

株式会社Schoo

株式会社Schooは2024年10月22日に上場した、動画研修プラットフォーム「Schoo」などを提供するスタートアップです。「Schoo」は法人向けの研修サービスと個人向けの動画学習サービスに分かれており、法人、個人双方のユーザーに愛用されるサービスとなっています。2012年に個人向けサービスの提供を開始後、2015年の法人向けサービスのリリースを契機に、収益拡大を拡大し、この度の上場に至ったようです。
パワポのデザインに関しては、背景色の設定の仕方が非常に上手く、パワポ全体に立体感が生まれ、読み手にリッチな印象を与えることに成功しています。具体的には、濃い茶色と薄い茶色を組み合わせることで、メッセージ部分の視認性を向上させ、さらに強調したい部分には、白の背景を用いることで、視線の誘導がスムーズに行われています。これは単純なようでバランスを取るのが非常に難しい高度な技術であるため、まずは1枚のパワポを取り上げてじっくり研究するのが良いでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241021500369/

株式会社Sapeet

株式会社Sapeetは2024年10月29日に上場した、Expert AI事業を展開する企業です。同社によると、「Expert AI」とは、従来のAIが「ノンコア業務を代替し業務効率化を図る」ことに対し、「AIで各領域の専門家ナレッジを再現・サポートし、コア業務の価値をさらに増幅・拡張する」ものと定義されています。
パワポの特徴としては、AIソリューションを展開する会社らしく、細かなシナリオを一枚のスライドの中に効率よく詰め込んでいることが挙げられます。そのため、文字のサイズが一般の企業のスライドに比べ小さくなりがちなのですが、色のグラデーションやオブジェクト間の距離などを工夫することで読みにくさが軽減されています。通常ここまで情報量の多いスライドで全ての文字を読み込むことはないため、「どのようなイメージを読み手にいだかせるか」を重視したスライドとも言えるでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241025503306/

株式会社ユカリア

株式会社ユカリアは2024年12月12日に上場した、医療経営総合支援事業、シニア関連事業、高度管理医療機器事業などを行う企業です。2005年の創業時の祖業である病院経営サポート事業を軸に、新規事業開発やM&Aを組み合わせて成長を実現してきました。現在は、「医療/介護現場の生産性向上・最適化→医療機関/介護施設の経営安定化→患者/要介護者のQOL1向上」という三方良しの実現を目指しています。
同社のスライドの優れた点は、バランスの取れた色の配置です。ロゴに使われている黄緑〜濃紺までの4色を適宜使用しつつ、色が足りないところには、赤や薄い青を使用し、統一感を保っています。通常このようにロゴなどの都合で4色が指定されている場合、スライドの内容が必ずしも4つに分割できるものではないため、バランスを取るのが難しくなるのですが、3色、6色などのパターンも作って対応しているため、色が散らばっていたり、色数が多すぎるという印象を与えづらくなっています。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241211536793/

株式会社Synspective

株式会社Synspectiveは2024年12月19日に上場した、小型SAR衛星の開発・運用や衛星データの販売・ソリューション開発を行う企業です。「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」をミッションに掲げ、グローバルに技術開発を進めています。
同社のスライドに関しては、宇宙関連ビジネスを象徴するようなキースライドが複数存在するのが特徴的です。特にこれまでの実績を時系列で描いたスライドなどは、非常に独自性が強く、なかなか引用する機会はないかもしれませんが、見ていて読み手がワクワクするようなデザインになっていると言えるでしょう。技術的解説が分かりやすくなされているスライドも多く、決算を確認する目的以外でも活用できそうな資料ですね。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241218540440/

GVA TECH株式会社

GVA TECH株式会社は2024年12月26日に上場した、「リーガルテックサービス」の開発・運営を行うする会社です。法務組織があるような大企業・中堅企業と、法務組織がないような中小企業・小規模事業者のそれぞれを対象としたサービスを設計しており、前者のサブスクリプション収益と後者のトランザクション収益でバランスを取りながら事業成長を実現しています。
同社のスライドのデザインの優れたポイントは、色使いとレイアウトです。特にレイアウト関しては、特大の図1枚、左右2パネル、3分割などのパターンを上手く組み合わせて単調にならない工夫がほどこされており、一つ一つはオーソドックスなデザインながら、総合的に見て非常にクオリティの高い仕上がりとなっています。色使いも含め、全体的に初学者が参考にするには良い難易度のスライドが多く、テンプレートに近い使い方ができるスライド集だと言えるでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241225544151/

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回紹介した5社のみならず、近年上場する企業はや未上場のスタートアップはスライドのレベルがどんどん向上しているためめ、参考になる素材の宝庫です。また、中身についても、Synspectiveなどは理科の教科書のようなデザイン・内容であるため、読み物としても純粋に面白いです。Twitter等でも随時紹介しておりますので、関心のある方はパワポ研をフォローいただき、ご覧ください!

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