【2024年4~6月】今年上場した「スライド作成のお手本にしたい」スタートアップ5選
みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。
今回は、2024年4~6月に上場したスタートアップ企業に焦点を当て、その中から特にスライド作成の参考にすべきだと考えられる企業を5社紹介いたします。今回ご紹介する資料は2024年4月〜6月に各社が公開している「事業計画及び成長可能性に関する事項」及び「会社説明資料」となります。
3ヶ月毎に発表するこちらのシリーズは好評となっておりまして、過去には以下のような記事を執筆しました。
なお、「事業計画及び成長可能性に関する事項」については、宝の宝庫となる可能性を秘めておりますので、その探し方を別記事で詳しく解説しております。
それでは早速見ていきましょう。
(株)イタミアート
(株)イタミアートは2024年4月8日に上場した、SP商材(販促品)の製造・販売を手掛ける企業です。会社設立当初は、うちわキットやオリジ ナル ハガキ等をカタログ通販の形で販売しておりましたが、2009年に自社でECサイトを開発し、取り扱う商材も横断幕や懸垂幕などに広がりを見せます。現在はECと卸売の双方の販売チャネルを上手く使い分け、多種多様なSP商材を集客から販売、製造、出荷までワンストップで取り扱えることを強みとして事業を展開しています。
パワポのデザインに関しては、タイトル、メッセージ、ボディがバランス良く配置されているオーソドックスなフォーマットを採用しており、色使いはかなりカラフルです。このあたりはおそらく、実際に開発しているECのデザイン(4枚目参照)にも関連するところで、同社のターゲット層を意識した構成になっていると言えそうです。
(株)ハンモック
(株)ハンモックは2024年4月11日に上場した、法人向けソフトウェアの開発、販売を行う企業です。「組織を強くするIT環境をすべての人へ」をミッションに掲げ、「ネットワークソリューション」「セールスDXソリューション」「AIデータエントリーソリューション」の業務領域が異なる3つのソリューションを提供しています。
パワポの特徴としては、緑・赤・青の3色をそれぞれの事業と関連付け、同社の事業全体のバランスを外観できるように工夫うされている点が挙げられます。一般にこの3色を同時に用いるのは視認性の観点から望ましくないとされており、かつ同社の用いている3色は原色に近い形ですが、領域を明確に区切るという今回の使い方であれば大きな問題とならないことが分かるかと思います。
レジル(株)
レジル株式会社は2024年4月24日に上場した、電力サプライチェーンの受給最適化及びエネルギーDX事業の提供を行う会社です。特に、受給最適化の領域では電力サプライチェーン全体で売り手・買い手双方の立場で事業展開を行っており、前者の文脈では「電力小売サービス」を、後者の文脈では「マンション防災+一括受電サービス」を提供しています。
同社のスライドの最も優れた点は、その色合いの構成です。色数を減らし同系色でまとめるのがスライド作成のセオリーではありますが、それを高いデザインレベルで忠実に実行しているスライドであると言えるでしょう。よく見ると、メインカラーの青系統だけでなく、背景色の灰色系統も複数段階の展開があり、細部にこだわりを感じます。また、電力サプライチェーンのようなステークホルダーが多岐に渡る領域では、同社のような表形式の図解が有効である点も参考になりそうですね。
(株)学びエイド
(株)学びエイドは2024年5月28日に上場した、教育デジタル事業を提供する会社です。「教えたいと教わりたいをていねいに紡ぐ」をミッションに掲げ、学習塾を対象とした「学びエイドマスター」「学びエイドマスターfor School」と教育関連事業者を対象とした「学びエイドforEnterprise」を両軸としたサービスを展開しています。
スライドに関しては、まず独特のフォントに目が行きます。理由は定かではありませんが、事業が教育デジタル領域であるため、あえて手書き感を演出するフォントを採用していると考えられます。また、色数が多く、メッセージが長い(1行に留まらない)のも同社の特徴です。これらの要素が黒板や講義の風景を連想させる一方で、スライドとしては構造化されているため、資料としての体裁を崩さない状態でオリジナリティを発揮している好事例といえるでしょう。
(株)アストロスケールホールディングス
(株)アストロスケールホールディングスは2024年6月5日に上場した、「スペースデブリ除去をはじめとする軌道上サービス」に取組会社です。スペースデブリとは、宇宙の中の「障害物」のようなもので、役割を終えた人工衛星がそのまま宇宙に残存することによって生まれます。このままデブリを放置すると今後の持続的な宇宙開発が困難になるため、これらを除去したり、軌道を修正したするサービスを同社が提供しております。上場後の時価総額は既に1000億円を超えており、将来性の高さが伺えます。
パワポのデザインに関しては、宇宙を想像させるダークブルーを基調としつつ、随所にクオリティの高い図が組み込まれているのが特徴的です。特に、同社が行っている技術開発は一般の方から想像しづらい領域なので、ビジネスモデルや市場に関する項目の図解は非常にありがたいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した5社のみならず、近年上場する企業はや未上場のスタートアップはスライドのレベルがどんどん向上しているためめ、参考になる素材の宝庫です。また、内容についても近年のビジネストレンドを反映しているため、新規事業の立案などにも活用できるでしょう。Twitter等でも随時紹介しておりますので、関心のある方はパワポ研をフォローいただき、ご覧ください!
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