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【2024年7~9月】今年上場した「スライド作成のお手本にしたい」スタートアップ5選

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は、2024年7~9月に上場したスタートアップ企業に焦点を当て、その中から特にスライド作成の参考にすべきだと考えられる企業を5社紹介いたします。今回ご紹介する資料は2024年7月〜9月に各社が公開している「事業計画及び成長可能性に関する事項」及び「会社説明資料」となります。

3ヶ月毎に発表するこちらのシリーズは好評となっておりまして、過去には以下のような記事を執筆しました。

なお、「事業計画及び成長可能性に関する事項」については、宝の宝庫となる可能性を秘めておりますので、その探し方を別記事で詳しく解説しております。

それでは早速見ていきましょう。

(株)タイミー

(株)タイミーは2024年7月26日に上場した、スキマバイトサービス「タイミー」などを提供するスタートアップです。SNS等でサービスの体験談が多く拡散されているため、ご存知の方も多いサービスかと思いますが、サービスの提供開始は2018年8月と、この6年間で急成長を遂げたことが分かります。現時点での登録ユーザー数は約770万人、登録クライアント事業所数は約25.4万拠点と、全国各地に浸透しつつあることが伺えます。
パワポのデザインに関しては、メインカラーとして扱う難易度が高い黄色を上手く利用しつつ、数字の大きさやイラストなどで視認性を高める工夫が随所に見られます。余白も比較的多いため、メッセージがないスライドに関しても、「このスライドで何が伝えたいのか」が一目で分かることもGoodポイントですね。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240723553129/

(株)PRISM BioLab

(株)PRISM BioLabは2024年7月2日に上場した、創薬技術開発及び創薬を行う企業です。「PepMetics®技術によって「創薬不可能」だった標的を「創薬可能」にし、治療法のなかった病気を治療すること」をコーポレートミッションとして掲げており、複数の新規創薬標的に対して自社開発プログラムを進行させています。
パワポの特徴としては、タイミーとは対照的で、一枚一枚の情報量が多いことが挙げられますが、必ずしも視認性が悪いわけではなく、構造化によって読み手の理解を促進しています。創薬という業界構造上、どこに差別化のポイントがあるかを説明するためには、どうしても技術的な記述が必要となり、読み手側にも一定のリテラシーがあることを想定しているように見えます。ディープテック関連の領域で事業を行っている方には、非常に参考ポイントが多いスライドと言えるでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240701542165/

(株)Liberaware

Liberaware株式会社は2024年7月29日に上場した、ドローンやロボット、3次元化ソフトウェア等の開発及び関連するデータ処理・解析サービスの提供を行う会社です。2024年1月には能登半島地震にて、小型ドローン「IBIS」による災害支援活動、3月には世界で初めて原子炉格納容器内調査でドローンが利用されるなど、災害時の調査や、予防・予知保全などの領域で定評のある技術を複数有しております。
同社のスライドの優れた点は、写真とイラストを融合させ、作業工程のよりリアルなイメージが付きやすい工夫を行っている点です。通常、このようなハード系の技術開発の会社であれば、職人的に細部まで分かるような画像を載せるか極限まで簡略化したイラストを載せるかのどちらかのパターンが多いですが、同社のスライドはリアルでありながら、読み手の理解を促進する分かりやすいレベルに図が揃えられています。そのため、技術力へのこだわりを示しつつ、メッセージを補足することに成功しており、高等技術であると言えるでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240729556162/

Heartseed(株)

Heartseed(株)は2024年7月30日に上場した、iPS細胞を用いた心筋再生医療の研究・開発を行う会社です。同社曰く、「私たちが作製する心筋球(心筋細胞を球状の微小組織にしたもの)がフウセンカズラ(英名HEARTSEED)の種の白い模様が心臓の形をしていることと、心筋梗塞などで壊死してしまった部位に、その心筋球が心臓の種(heart seed)となることで、重症心不全の患者さんを救う事を願って」Heartseedという社名が命名されたようです。
スライドに関しては、技術的な内容とビジネス的な内容が共存するスライドが多いことが一つのポイントと言えます。通常、このようなバイオベンチャーは技術的な図解メインの説明スライドと、ビジネス的な数字メインの説明するスライドが完全に分かれているのですが、同社のスライドは「中期ロードマップや「ポジショニング」などで、両者の視点が混在します。数字だけ見たい人に取っては混乱を招く可能性もありますが、同社の事業への関心があり、経営状況を知りたい多くの株主に取っては非常に有用なデザインとなっていると言えます。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240729556691/

(株)オプロ

(株)オプロは2024年8月21日に上場した、「セールスマネジメントソリューション」及び「データオプティマイズソリューション」を開発・提供する会社です。行政・公共機関、企業や組織が保有する取引情報や人事情報などの帳票データをはじめ、さまざまな形式のデータにアクセスし、これらのデータ層から必要な情報を抽出・処理・整理することを得意としています。
同社のスライドのデザインの優れたポイントは、色使いとレイアウトです。特にレイアウト関しては、グラフィックデザインを本格的に行うレベルで計算されている様が見て取れ、ビジネス担当者に加えてデザイナーがパワポの作成に関わっているということが伺えます。この余白の設定や文字の配置、大きさの調整などは一長一短でできる技術ではなく、専門性が問われる分野ではありますが、このスライド群を手本として取り組んでみるのも良いでしょう。

参照URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240820573943/

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回紹介した5社のみならず、近年上場する企業はや未上場のスタートアップはスライドのレベルがどんどん向上しているためめ、参考になる素材の宝庫です。また、内容についても、例えばスキマバイトサービスとして身近に知っているタイミーがどのような事業戦略を練っているのかを客観的に知ることができるため、読み物としても純粋に面白いです。Twitter等でも随時紹介しておりますので、関心のある方はパワポ研をフォローいただき、ご覧ください!

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