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英語力と先入観

外国語を使って生活をしていると度々感じる先入観があります。
それは、日本では幸いにも感じなかった類の偏見だったり先入観だったりします。
他言語で生活する人には付きまとうものとは思うのだけど、今回は英語環境を軸に話を進めます。

英語力と先入観

英語圏の移民国家のニュージーランドは多民族国家です。
どこへ行っても様々なアクセントが聞こえてくるし、それぞれの国の人がそれぞれの文化を大切にしながら、ニュージーランドという国の文化になじんでいます。
それだけ「外国人」が一般的なこの国でも、先入観が勝ってしまう場面が多々あるんです。
それが、英語力と個人の能力に対しての先入観。
話し手側と受け手側の期待値や立場の違い、認識の違いによって引き起こされていると考えられていたりするのだけど、とてもやっかいなものなのです。
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話し手側の視点

話し手側の視点では、頭の中は常にフル回転。
単純な感情を表現したり、目の前で起こった事象を表現するだけなのに、頭の中では日本語を英語に変換してみたり、英語から日本語を探してみたり、単語の順番で迷ってみたり。
簡単な会話でも常に行ったり来たりを続けているので、英語のネイティブスピーカーとは違ったタイミングで止まってしまうのです。

この感覚は複数の言語を日常的に使う・練習している人からしたら当然のことだと思うのですが、この経験を経ていない受け手はそのことを理解できないことが多いんです。

更にこのタイミングの違いや、つまずく単語には一貫性がありません(少なくとも受け手側からは把握できない)。

受け手の視点

受け手側(英語のネイティブスピーカー側)は、まずはいつも通りの「会話」を期待します。
でも、話し手側の口から発せられる英語は、今まで触れてきた英語とは異なったアクセントや異なった文法。
この時点で既に期待と現実のギャップが訪れます。
その後受け手が直面するのが、通常とは違ったタイミングや単語の途中で止まる言葉達。
ここで生まれる先入観は人種や性別ではなく、その人の能力に対して発生します。
しっかり話す能力がないのかな?というイメージが先行し、必要以上に気を使った会話(子どもに話しかける・あやすような話し方)や場合によっては下に見られてしまうことも。

最近見た光景

自分は今年は大学のとあるコースに通っています。
そのコースのレクチャラーの一人が英語のネイティブスピーカーではありません。
オンライン上での質問にはとても素敵でわかりやすく、且つ簡潔に書いてくれます。
ただ、スピーキングは文章力とは違ったレベルにいます。
発音を確認する仕草や、アクセントの違い、話すリズムの違い。
それに加えて学んでいる内容の単調性も手伝い、授業がとても間延びしている印象を学生へ与えてしまっています。
そのせいか、現地学生の「チャレンジング」な質問が最初のレクチャラーより多くなるんです。
学生側はレクチャラーが発するたどたどしさが、言語的な原因なのか、準備不足なのか、はたまた根本的に知識が足りないのかを判断する術がないので、フラストレーションが溜まっていきますし、レクチャラーは自分の実力を試されているような質問が来るために必要以上に気を張ってしまいます。

語学力≠能力

一般的に人が語学力と個人の能力は無意識のうちにリンクされてしまうようです。これは就職活動や仕事をしていく場面でも同じで、実力がある人でも下に見られたり、過小評価を受けてしまうことがあります。
母国語、他言語といった場面以外でも言えるのですが、語学力≠能力なのです。
これは一人でどうにか出来る問題ではないので、初めから直面する問題として構えていた方が気が楽だと思う。

個人的に気にかけていること

自分は、幸いなことに本職とは別に大学で自分のコースも教えています。
それでも、自分が十分な英語を使いこなせているという自信は未だにないし、作った教材のミスに教えている途中で気づくこともしばしばあります。
この時に気を付けているのが、使う単語を制限することと、つまずくタイミングと考えるタイミングを可能な限り合わせること。

使う単語の制限は、アクセントの違いの負担を減らすことが目的です。
常に新しい単語のみを並べて話す方が知的な印象を与えられるのですが、その分受け手は違う単語に付随する異なったアクセントを脳内変換する負担を強いられます。その負担を減らすことでも会話がとてもスムーズになることがあるんです。

次がつまずくタイミングと考えるタイミング。
これは英語力が問題で言いたいことが言えないのか、それとも実際に返答する知識が足りないのかを把握するタイミングです。
英語力が足りないのなら、自分が持っている語彙力で別の言い方で説明出来ないか模索します。
知識が足りないことが原因で止まってしまっている場合は、言語的な問題ではないので、今すぐには答えられないという返答ができます。
この返答により、受け手はたどたどしいリズムが英語的な問題なのか、実力の問題なのかを把握することが出来るので、語学力≠能力の構図をこちらから与えられます。



とはいっても、本当に個人的に心掛けている部分なので、万人に通用する方法ではないのかも汗
最近のレクチャラーの大変さっぷりを見ていてここに書いちゃったけど、まとまりのない内容になってしまいました汗

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