技術ってなんだろう@製造業
製造業の会社に入って、「もっと技術が身につくかと思ったのに」とか「サプライヤーの管理ばかりで」という声が最近多いので、ここで「技術って何だろう」と考えてみた。
私自身、子供のころの興味そのままに進路を決めて仕事を決めていたら、確実に計装工事士とか飛行機のメカニックになっていましたな・・・(それはそれでとてもやりがいがある!できるなら今からでもやりたい!)
それも「技術」。一般的に「技術」というと、そういう認識の人が多いのではないかと思います。まあ、技術なんだけど、その中で定義を狭めて言えば「技能」ですね。手に職、みたいな。
「女の子は普通高校に行きなさい」とかなんとか、自分の希望が通らなかった、というか、素直なので「はいはい」と言っているうちに、仕事では上流部門の設計の仕事が職業のスタートライン&ベースになった次第で。
プラントの基本設計というかプロセス設計の仕事を10年くらい。はじめの3年で、完全にベースが出来ました。子供のころは、やはり手を動かす系の技術(もちろん、図面を描くということはやってましたが)しか知らなかったのですが、仕事を始めて上流設計を知って、こんな面白い仕事があったのか、と。ざっくり言えば、図面を描く前のプランの仕事ですね。
「設計してる」というと「CADとかやってるんでしょ?」とよく言われたが、基本設計やプロセス設計では、分野で異なるとは思いますが、少なくともプラント業界では基本設計の人は2DCADも十分に使えません!詳細図面も描けません!(ある程度は読めるけど)
という人がほとんどだと思います。
「技術屋なのにそれでいいのか?!」という声もあるかと思いますが
「い~んです、それで!」(川平慈英風に)
その代わりに、プロセスシミュレータなど、基本設計向けのツールがいろいろあるんです。CADを使う人は、それで計算された数値を根拠として形状を作成したりするので、ざっくり言うと、CADの元ネタを作る作業が上流設計(それだけじゃないけどね)
もちろん、詳細設計の世界とか、実際の機器なんかは知っていたほうが断然役に立つのですが、それも程度問題で、「配管設計する人は溶接できないといけないのか?」「機器設計する人は切削できないダメなのか?」と聞かれれば、絶対「それは違う!」です。
というわけで、技術といえどもいろいろあるのです。
でも、上流設計の仕事は下流(という言い方よりも、「後工程」のほうが井一般的には印象いいかもです。下流は普通に使いますが)を知っていると断然違います!
反対に、自分が想像する「技術」ってのは、ほかの大多数の人も想像できてそれを仕事にしている人もいっぱいいるということなので、反対に「自分が期待はずれだと思っているその技術を身につけたほうがレア人材になれるかも!」ということかもしれません!ただし、あまり「レア人材」になると、企業としてはすごくきてほしいんだけど働ける地域がずごく限定されるというデメリットが生じるリスクが・・・
で、上流の人がサプライヤーの管理ばかりで、とういのは上流としての技術管理として意味のあることで、提供される技術に関しての評価をしなければならない、という点で、決してダメな技術なわけではないと思います。プラント設計の場合でも、機器の設計自体は外部に出すことも多いので、その際にはきちんとチェックをして、不明な点は問い合わせて、という感じで、技術的に知識がないとなかなか出来ないことではあります。
また、「技術がサプライヤー頼りで・・・」というところは、では、料理をするのに自分で畑で作ったものを使ってますか?ということに尽きるのではないでしょうか。また、最終製品の責任は誰が取るのか?という点もありますね。
とはいえ、一昔は「基本設計は会社の良心」ということで、基本設計部門は絶対社内で、という会社が多かったとは思いますが、まあ、いろいろ変革があって、今では会社によっていろいろ・・・なんだと思います。
「こんなのが技術?」という一例ですが、コンフィグレータすなわち「自動設計」。組み合わせなので「こんなもの、ちょっと考えたら出来るじゃん!」と思うかもしれないですが、数が増えてくると人間が考える能力をはるかに超えるので、条件付けをしてやる必要があります。それも「技術」。手前味噌ですが→「夢の自動設計 1 (コンフィギュレーター編)」https://note.mu/powerhiromi/n/ne03e9cd9e398
とにかく、「こんな仕事があるの?!」「自分のこんな技術が重宝がられるんですか?!」というのが、外から見ても実態がよくわからない、実務の技術の世界なんではないでしょうか。
おあとがよろしいようで。
面白いと思ったら、スキと一緒にぜひサポートお願いします。励みになります!