
私を守る香りの盾。香水専門店が「シールド オブ プロテクション」を試します
こんにちは。ネット香水専門店CelesでSNS運用を担当している立井といいます。
毎回自己紹介するのもなんだかなぁという心地ですが、誰かが「シロウトの文章の書き手なんかいちいち気にするかよ! だから毎回挨拶しろ!」と言っていたので律儀にそれを守っています。まじめですね。私がポケモンだったら、厳選に敗北してボックスの片隅に眠らされていそうです。
さて、今回も最近Celesでリリースした香水のレビューをお届けします。
初回の前回はエタ リーブル ド オランジェの「ゴースト イン ザ シェル」をレビューしましたが、香りが難しすぎて自分のゲーム体験を吐露するだけになってしまいました。気になる方はこちら。
(立井)
(略)景色が鮮明すぎて実存への不安を抱く気持ち、めちゃくちゃわかります。
私も『ゴースト・オブ・ツシマ』をプレイしていた時期、ツシマの空が綺麗すぎて現実の空がかすんで見えて、「自分が本当に存在しているのはあの対馬なのでは?」と一週間くらい考えていました。未だにちょっと思っています。
今回はその反省を活かして、今度こそちゃんと香りのレビューをしたいところ。あ、でもツシマはめちゃくちゃ面白かったです。
そんな今回は、7/17(日)にリリースしたキリアンの「コローニュ シールド オブ プロテクション」をレビューします。

(キリアン – コローニュ シールド オブ プロテクション)
シンプルなボトルですが、ブランド名のフォントが洒落ていますね。表札のフォントがこれだと困っちゃいますが。
これはいったいどんな香りなのでしょうか。
ブランド説明
まずはブランドをご紹介します。
今回ご紹介する香水のブランドはKilian(キリアン)。名前からしてラグジュアリーですね。
世界的コニャックメゾンであるヘネシー家に生まれたキリアン・ヘネシー。そんなラグジュアリー界の貴公子が描くのは「Perfume as an art」真のラグジュアリーを極める世界。
彼が生み出すフレグランスは、そのユニークで斬新なアプローチに基づいて定義された5つの香りのファミリー(フレッシュ、ナーコティック、セラー、スモーク、リカー)に分類されます。
そのバックボーンにあるのは、幼少期に暮らした城のコニャックセラーの木樽から漂う芳しき香り。それは神に捧げられたエンジェルズシェア(天使の分け前)。神秘性がブレンドされた彼のアーティスティックなパルファムは、人生をドラマティックに触発します。
幼少期を過ごした城?!
ブルジョワが過ぎてよく内容が理解できませんが、きっとだからこそラグジュアリーな香りを生み出せるのでしょう。私も貴公子に生まれたかった。
ときに、私にとってのキリアンはキリアン・マーフィーですが、皆さんにとってのキリアンは誰ですか?

(『オッペンハイマー』楽しみにしてます!)
レビュー
さて、私の好きな顔面をご紹介したところで、香りのレビューに移りましょう。
コンセプト
「シールド オブ プロテクション」、強そうな名前です。私はソードを買ったので少し複雑な心持ちですが、ずばり香水のコンセプトは自分の身を守ってくれる盾だそうです。盾と言えばキャプテン・アメリカ派ですが、この香水の登場により盾と言えば香水派が誕生したことでしょう。
この香水を作るきっかけになったのは、キリアン自身が子どもたちに会いに行くパリ行きの機内、ラバトリーでのこと。
中世の貴族のような振る舞いを意識している彼は、ラバトリーにあったクラランスのコロンを(疫病から身を守るがごとく)半分以上浴びたそうです。(どういうこと?)

さすが貴公子だ
そして席へ戻った彼は目に見えないシールドを感じ、さっそくお馴染みの調香師カリス・ベッカーに「プロジェクトを再開しよう!」と手紙を書いたとのこと。

↑かっこいいか
キリアン初のコロンとなったKologne, Shield of protectionのKologneの頭文字は「C」ではなく自身の名前の頭文字「K」にしたそうです。
なお、この香水はコロンではなくオーデパルファムです。コロンの伝統的なレシピ(シトラスやローズマリー等)を意識して作られていますが、キリアンは市場が求める賦香率の高さにこだわりつつ、コロンの香りとしてオーデパルファムをクリエーションしたわけです。

↑かっこいいか
今日はよくスタイリストが飛び出しますね。
いろいろ気になる点がありすぎて内容がまったく入ってきませんが、きっとこれもラグジュアリーな世界では普通の出来事なのでしょう。一般人にとってはラグジュアリーな物事って理解が難しいんですね。
これ結構真理だと思いませんか? 『ハンガー・ゲーム』では、豪勢な暮らしをしている貴族階級たちは、より多くの美味を味わうために満腹になると故意に嘔吐する描写がありました。一般人の、あるいは劇中の貧民階級に感情移入している私たちはそれを理解不能なもの、許しがたいものとして受け取ります。でも貴族にとってみれば、食事とは美味を味わうものであって空腹をしのぐためのものではないのだから、何もおかしなことはありません。
つまり、置かれた環境によって価値観や考え方は容易に変化するのです。私たちが普段常識だと思い込んでいるものは本当に常識なのでしょうか?
ま、要するに新時代の常識は香水を大量に浴びることだというわけです。
皆さんはまだ香水浴びてないんですか?!常識ですよ?

「それくらい常識だよ」と言う人の常識を信じてはいけません。
↑かっこいいか
香りについて
またしても前置きが長すぎましたね。
それでは香りのレビューに移りましょう。
今回レビューするのはこちらの2人。


前回に引き続き、香水のプロに初心者が対よろする形になります。何度も言いますが、感想に優劣はないので。
さっそく香りを試していきます。


割と爽やかな香りですね!
強そうな名前で身構えていましたが、思っていたより柑橘系のすっきりした香りがします。なんとなくシソ感もある。温度的にはかなり冷たくて、夏に使いやすそうですね。

確かに、冷たいハーブやビターなグリーンを感じますよね。
そのためか、香りとしてはどちらかと言うと男性的かも?
フゼア系が苦手な方は避けるのが無難です。

(フゼアってなんだろう……)

ヘアトニックっぽい香りです。

(ヘアトニックっぽいってなんだろう……)

簡単に言うと、男性的な香りですね!
ラベンダーやハーブ系の冷たいアロマティックなノートで、身近なものだと整髪料やシェービングクリームの香りがそれに近いです。
シールド オブ プロテクションはかなり軽やかな香りではありますが、若干そういったいわゆる”メンズフレグランス”感があるので、それが苦手な方は避けた方がいいかもしれません。

なるほど!!!
(※編集上省略していますが、実はここで立井にフゼア系を理解させるべく阿部さんに20分くらいご尽力いただきました。ありがとうございました)
阿部さんの思う、この香りの面白いところはどこですか?

ベースノートにある謎の樹脂アコードですね。
エリクサーオブライフ(賢者の石からとれる不老不死のスピリッツ)とレビューされている海外のサイトもあるくらいです。さぞ強力な真夏の武器になってくれることでしょう。

真夏の武器……スピノサウルスってことですか?

ちょっとよくわからないです。


おすすめのシーンや使い方はありますか?

ローズマリーにグリーンマンダリンが爽やかでアロマティックなので、どのシーンでもオールマイティに活躍できます!
私はジンベースのカクテルを好んで飲むことが多いですが、なんとなくあのきりっとした爽快感を感じます。 おしゃれなムードなので、華やかなナイトシーンにもよさそうです。

華やかなナイトシーン……私には縁が遠そうです。
ほかにおすすめのシーンないですかね?

自分自身に「目を醒ませ!!!」と言いたくなるときもぜひ!
そんな無敵の香りです。

『インセプション』でいうコマですね! 完全に理解しました。
おすすめの使い方はどうでしょうか?

できればキリアン様みたいにバシャバシャ浴びたい……!

(ハトムギ化粧水かな?)

豪快に浴びるのは、我々平民だと諭吉が目に浮かぶので震えてしまいますが……たくさん浴びても安心できるほど爽やかな香りです! 肩に2プッシュ、両腕にワンプッシュずつがベストかなと思います。

肩というところがオシャレですね。
ぜひ皆さんも参考になさってください!

終章
というわけで、「シールド オブ プロテクション」をレビューしてきました。
すっきりしていて、とてもつけやすそうな香りでした! 阿部さんの仰るように目を覚ましてくれるような爽快感もあります。
ただ、結局フゼア系がなにかもこの香りのどこらへんがフゼア系に近いのかも私ではよくわからなかったので、もしこの香りが合うかどうか不安な方は、まずムエットでお試しください。
相変わらず超初心者の感想で大変申し訳なく思っていますが、そのぶんどんな香りなのか気になってくれていれば幸いです。
なお、Twitterではキリアンの量り売りのお買い物に使える12%オフクーポンを配布中です!
今回の香水を試すもよし、気になっていた他の香水を試すもよし……ぜひご活用くださいね。そしてTwitterもフォローしてください。フォロワーがいっぱいいると嬉しいからです。
それでは、次回の記事をお楽しみに。
皆さんもよき香水ライフを!
※このnoteは、Celes公式の見解ではありません。