ソーラーパネルの温度は発電量に影響するのか?【備忘録】
こんにちは!今回は、ソーラーパネルの表面温度が発電量にどのような影響を与えるのか、実際に検証してみました。この記事では、その過程と結果をご紹介します。
今回は、簡単な実験です。内容が充実してきたら「パワーバンクス」に完全版を作成します。
実験設定
使用機材:
ポータブル電源:BLUETTI AC70
ソーラーパネル:レノジー 両面受光型ソーラーパネル 220W × 2枚(同型)
接続ケーブル:ALLPOWERS社製 共通のものを使用
ThermoPro TP30 非接触温度計
実験日の気温:34度
実験1:単体パネルでの検証
まず、1枚のパネルで温度による発電量の変化を調べました。
高温時(58.2度):138W
水で冷却後(25.4度):155W
結果として、パネルを冷却することで発電量が増加しました。
温度差:32.8℃
発電量の増加:約12.3%
実験2:パネルの直列接続での検証
次に、2枚のパネルを直列接続して同様の実験を行いました。
高温時(63.3度):314W
冷却後(25.6度):345W
こちらも同様に、冷却後の方が発電量が増加しました。
温度差:37.7℃
発電量の増加:約9.9%
一般的なソーラーパネルの温度と発電量の相関関係
一般的に、ソーラーパネルの温度と発電量には負の相関関係があります。つまり、パネルの温度が上昇すると発電量は減少する傾向にあります。この現象は以下のように説明されます。
温度係数:多くのソーラーパネルには温度係数が設定されており、通常1℃あたり-0.3%から-0.5%の範囲です。これは温度が1℃上昇するごとに、その割合で発電効率が低下することを意味します。
物理的メカニズム:温度上昇により、半導体内の電子の活動が活発になり、電圧が低下します。これが発電効率の低下につながります。
最適動作温度:多くのソーラーパネルは25℃前後で最も効率よく動作するよう設計されています。
今回の検証における相関関係の分析
今回の実験結果を分析すると、一般的な傾向と一致する相関関係が見られました:
単体パネルでの検証:
高温時(58.2℃):138W
低温時(25.4℃):155W
温度差:32.8℃
発電量の増加:約12.3%
直列接続での検証:
高温時(63.3℃):314W
低温時(25.6℃):345W
温度差:37.7℃
発電量の増加:約9.9%
これらの結果から、以下の相関関係が観察できます。
温度低下と発電量増加:両方の実験で、パネルの温度を下げることで発電量が増加しています。
温度係数の推定
単体パネル:約-0.38%/℃
直列接続:約-0.26%/℃
カタログ値と実測値の比較
カタログ上の温度係数: -0.38%/°C
実験で得られた温度係数
単体パネル: 約-0.38%/°C
直列接続: 約-0.26%/°C
結論
両方の実験において、ソーラーパネルの温度を下げることで発電量が増加することが確認できました。これは、パネルの冷却が発電効率の向上に寄与する可能性を示唆しています。
この実験を通じて、ソーラーパネルの温度管理が発電効率に重要な影響を与えることがわかりました。今後は、より多様な条件下での検証や、長期的な観察が興味深いかもしれません。例えば、異なる気象条件での実験や、冷却方法の最適化などが考えられます。