配信やゲームVCでマイクが周りの音を拾わないようにする方法

こんにちはパウブロの運営者、komugipowderです。

この記事では、普段から配信向けマイクのレビューも行っている現役PCゲーマーの筆者が、実用的なマイクの取り扱い方を紹介します。

前回の記事でマイクを近づけろ!と言い放ったので、なぜマイクを近づける必要があるのかの解説+マイクの解説です。

ざっくり結論

周りの音を拾わないようにするために、簡単な説明をします。以下2つを重視してください。

  • 信号対雑音比 (S/N比) を大きくする

シンプルに、目的の音とそれ以外の雑音に、必要性の優先順位をつけてください。ほとんどの場合、優先順位が高くなるであろう目的の音にマイクを近づけます。信号対雑音の比が大きくなる=雑音よりも目的の音がデカい状態になります。

これを意識するだけでBGMやゲーム音声に周りの音は紛れるようになります。

配信やゲームVCなら指一本分か拳一個分にしてください。雑音が入るのはマイクが遠いから起こることです。

  • マイクの指向性をさらに限定する

マイクの指向性は収音軸の許容範囲です。狭ければ狭いほど許容範囲は減りますが、目的の音だけを狙えるようになります。

周りがあまりにもうるさいならダイナミックマイクのようなエンドアドレスかつ、スーパーカーディオイドのマイクを使ってください。

一般的な部屋ではカーディオイドのダイナミックマイクが理想的です。

以上の2つが極めて重要です。シンプルですが、要点はこれだけです。

逆のことを言うと、この2つを無視するだけで周りの音をめっちゃんこ拾います。

要は、マイクを極限まで近づけて使う、使っているマイクの収音軸を理解して収音軸には余計な音が鳴るものを配置させずに録音するというだけです。

マイクの基礎知識が無い方からすると意外なことに思えるかもしれませんが、マイクの基礎知識が無いと、高級マイクを使っても録れる音のクオリティはどうしてもよくなりません。

詳しく解説

簡単に解説しようと思いましたが、簡単な言い回しが無いので、ここからは前提知識を身に着けながら読んでいくパートです。

コンデンサー?ダイナミック?

ETHOS vs SM7dB

コンデンサーマイク? or ダイナミックマイク?問題は周りの音の拾い具合とは少し違う問題だと思った方がいいです。

巷ではコンデンサーマイクよりもダイナミックマイクの方が周りの音を拾いにくいなんて言われていますが、個人的にはそうは思っていません。

それは、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクを録り比べてみても、そこまで周りの音の広い具合で大きな差を感じることができなかったからです。周りの音の入り込み具合は、マイクの設計や構造が同じであればほとんど変わりません。

まず、ほとんどのコンデンサーマイクはサイドアドレスなので、マイク背面からも音を拾えるようになっています。マイク背面からは音が拾いにくくなっているエンドアドレスがほとんどな、ムービングコイル式のダイナミックマイクと構造が大きく異なります。

もしダイナミックマイクとコンデンサーマイクを比べるなら、ペンシルマイクのようなエンドアドレスのコンデンサーマイクを使うか、リボンマイクのようなサイドアドレスのダイナミックマイクを使うかでないと条件が揃えられません。

構造とマイキングと指向性の方が大事

エンドアドレスでカーディオイドのマイクが口に対して向いている?

周りの音の拾い具合は、構造とマイキングと指向性の差のほうが大きく影響しています。

まず、筆者は配信やゲームVC用途ではエンドアドレスを推奨します。

エンドアドレスでカーディオイドのダイナミックマイクとエンドアドレスでスーパーカーディオイドのコンデンサーマイクを録り比べてみると、エンドアドレスでスーパーカーディオイドのコンデンサーマイクの方が録れ音はクリーンかつ、周りの音の入り込み具合も少なかったです。

また、エンドアドレスのコンデンサーマイクの多くはスモールダイヤフラムであることが多いので、最大SPLも140dB以上ということも多いです。ダイナミックマイクと似たようなスペックになっていたりします。

もし配信やゲームVCでコンデンサーマイクを使うなら、個人的にはスモールダイヤフラムのコンデンサーマイクに適性があるんじゃないかなと思っています。

言わずもがなマイキング

どこの音を録るという意図はあるか

これは前回の記事でも書いていますが、マイキングがすべてと言っても言い過ぎではないくらい、周りの音の拾い具合にはマイキングが重要です。

ある程度、録音を繰り返していくとどれくらいの距離で録音しているのか分かるようにもなります。

良いマイキングができていないとマジでなんにも意味がありません。高級マイクを使っていてもマイキングが悪ければ、低価格マイクを使って良いマイキングをしている音声に負けます。

音声を簡単にハイクオリティにしたいなら近づけることが大事です。

配信やゲームVCでは、マイキングで信号対雑音比 (S/N比) をコントロールします。ノイキャンを使う前にまずやることがマイキングです。マイキング がまともなら、タイピング音くらいの雑音はゲーム音声で掻き消えます。

マイクを遠ざけて許容範囲を広げよう!のように考えてマイクを遠くしている方もいるかもしれませんが、収音軸に入り込んでいる音も拾えるようになっていることを理解してください。

例えば雑談配信のような話し声以外が発生しないような状況であれば問題ないと思います。しかし、キーボード入力をするなら注意が必要です。タイピング音が収音軸に入り込んでいるなら当然のように音を拾います。

指向性も大事

GoXLR MICはスーパーカーディオイド

指向性も重要です。雑音がどれくらいの音量かにもよるんですが、指向性をカーディオイドからスーパーカーディオイドに変えるだけでも周りの音の広い具合は変わります。

特にスーパーカーディオイドのダイナミックマイクは、カプセル正面の音だけを拾います。顔の向きが変わったくらいでも強烈に音量変化を起こすくらいです。

カーディオイドのマイクで近くにマイキングをしても周りの音を拾ってしまって困っている場合は、スーパーカーディオイドのマイクにしてみるのもアリです。それでもうるさい場合にようやくノイキャンです。

まとめ 意外と考えることは多い

マイクの基礎知識が求められるDTMとかだとマイクは正しく扱うことができると思うんですが、ゲーム用途となるとマイクをファッション感覚で使う方も多いんじゃないでしょうか。

そこで筆者のような謎発信者の出番というわけです。

配信でも、イイ感じになっていない音声の方をよく見かけます。別にそれでもいいとは思うんですが、どうせなら良いマイクを良く使ってもらえたらいいなと思ってしまいます。

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