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化粧品によく記載されている「パッチテスト済み」とは?どういった試験をしているのかヒト皮膚試験専門機関の丸石ラボ様にインタビュー!





パッチテストとは接触皮膚炎(かぶれ)が起こるかどうか確かめる重要なテストになります。化粧品によく記載されている「パッチテスト済み」ですが、一体何をしているのか。
年間1,500程の検体をテストしている丸石ラボ様へインタビューしました。


①被験者はどのような方か

高司
化粧品業界ではよく見るパッチテストですが、どのような方が被験者になるのでしょうか。

石井様
一般的なパッチテストは健常な成人が対象になります。
ただ、1回テストすると3ヵ月休息期間が必要なので条件を満たした方対象になります。

高司
3ヵ月!そんなに間を空けないといけないんですね。
因みに、この人は1ヵ月前にやったな…など見たらわかるんですか?

石井様
もちろんです。
リストで管理し、必ず確認しておりますので休息期間満了していない方は受けられないようになっております。

②テストを行う部位と方法について

高司
そのパッチテストですが、どの部位で行うのですか?

石井様
基本は背中になります。20~30人の被験者の方の背中にシールを貼布し24時間後の結果を見るのですが、そのシールにはアルミのチャンバーがありその上にほぼ1滴を乗せていますね。この方法で複数の検体を同時に試験しております。

高司
なるほど。よくわかりました!
いくつかの検体を一度にテストしているんですね。

石井様
当社の場合は年間でトータル1500個程の検体をテストしております。

高司
かなり検査されているのですね!
そうなるとたくさん実績があると思うのですが、パッチテストができないものはあるのでしょうか?

石井様
基本的には無いですね。
パッチテストと言えば、化粧品や医薬品等想像つくかと思いますが、プラスチック、樹脂・布等、体に触れるもの全てテストができます。
マスクの紐や某大手様の服でも検査したことがありますね。

高司
そうなんですか!

石井様
そうですね。車のシートもありますし、エコー検査の際に腹部にあてる金属も行っています。

高司
化粧品くらいかと思ってました。
金属アレルギー等もありますしね。
アレルギー検査とパッチテストの違いってなんですか?

③パッチテストとアレルギーテストの違い

石井様
試験方法が違いますね。
先ほどご説明したパッチテストは一次刺激を確認するものですが、RIPT(アレルギーテスト)はそれを同一人物の同じところに約9回貼り累積刺激を確認し、2週間おいてまた別のところに1回貼り感作を確認します。
初めに説明したパッチテストは一次刺激を確認するものですが、RIPTは累積刺激と感作を確認するものになります。
パッケージに記載がある「パッチテスト済み」は一次刺激、
「アレルギーテスト済み」は累積刺激と感作をテストしているということになります。

高司
RIPTがアレルギーテスト済みと記載ができるんですね!
そのRIPTは何日位かかるのでしょうか。

石井様
1か月半程かかります。
月水金月水金・・と3週間かけ、2週間インターバルを置き1回の合計10回しますから。

高司
パッチテストとそんな違いがあったんですね。
敏感肌テストはそのRIPTで敏感肌の方でテストしているのでしょうか。

④敏感肌パッチテストについて

石井様
敏感肌のテストについては一次刺激のパッチテストになります。
方法は変わらないですが、健常者の方で過去に肌疾患(アトピー発症や金属・化粧水で荒れた等)の肌疾患症状がある方を対象に行います。

高司
なるほど。訴求については、敏感肌テスト済み等と書けるのですか?
また、結果で過去に何の肌疾患だった人がどういう結果が出ている等わかるのでしょうか。

石井様
訴求については、24時間閉塞パッチテスト(敏感肌パッチテスト)済等、内容に間違えがなければ自由です。報告書にはパッチテストの結果+過去に各症状別で(赤ら顔・アトピー等)結果が出ます。

高司
そんな細かく出るんですね!
因みにですが、SPF測定試験はどのように行ってますか?

⑤SPF測定試験について

ソーラーシュミレーター

石井様
ソーラーシュミレーターという光源になる機械があり、それを複数検体塗布した背中に照射します。被験者に応じて、フィルターで光の強度を調節して照射していますね。

高司
人によって肌の色も違いますからね。
照射時間はどのくらいになりますか?

石井様
照射時間はSPF数値によりますが、SPF50+になると1時間半程度照射し結果を見ます。

高司
ありがとうございます!テストについて大変よくわかりました!
因みに御社で動物実験のようなことはされてますでしょうか。

⑥動物実験(ラット試験)について

石井様
当社では外部委託しておりますが、ただ動物試験は数十年前まではありましたが、現在では行わず、代替法として細胞を培養して試験をしています。実際に虐待ですからね。ただ、現在でも行っているところはありますね。

高司
なるほど。ありがとうございます。
最後に申し込みから実施までの流れと結果が出るまでの納期を教えて頂けないでしょうか。

石井様
事前に依頼書をいただき、検体をお送りいただきます。実施についてはメールをいただいた順で行っております。
結果については、速報であれば、早くてテスト完了後から4営業日程で出ます。評点・分類を記載したPDFで提出させていただきます。本結果は+1週間程後にご提出となります。ただ、試験内容の被験者人数に達するまで行いますので、事前にご相談いただけますと助かります。

高司
承知いたしました。
弊社でも今後テストをお願いすることがあるかと思いますので、その際はよろしくお願いいたします!
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

~最後に代表の石井三惠子様から~

結構この業界は歴史があるんですよ。
我々だけでも15年程の歴史がありますが、その以前から私が製薬会社の品質管理をしていたこともあり、検査してほしい等の嬉しいお声をいただいております。
私は一つの製品の研究開発からのモノづくりを経験し、尚且つ品質を保証するお仕事をしておりましたので、モノに対する気持ち・思いやりは十分わかっているつもりです。
ただ単に安全性の確認をしているだけでなく、モノを売ってなんぼですから。

やっぱり、本当にいいモノを世の中に出していただいて、その会社様が繁栄されてまた、いいものを開発し、どんどん作り続けて行くために尽力させていただくことが我々の使命です。

~執筆者から~

インタビュー風景(視線の目標物の説明)

インタビューさせていただいた、丸石ラボ株式会社は化粧品・医薬部外品等のパッチテスト、RIPTをはじめとするヒト皮膚試験のエキスパートです。
代表の石井様は、単に業界の経験がが長いだけではなく、大変接しやすい人柄で検査に対する気持ちもすごく強い方でした。
オフィスもとても清潔で、いたる所に人形や花等の置物がありました。それは、目標物となるものを見ていただくことによって、視線・姿勢・顔の角度等の被験者の誤差を限りなくなくすために行っているようです。試験へのこだわりをかなり感じました。
パッチテストを行う際は、ぜひご依頼をさせていただきます!

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