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話題になるものと売れるものはなぜか違う

はじめまして、鳥類をモチーフとした陶芸作品などをつくっている「ぽっとり」と申します。

陶芸を2002年から習い始め、2013年の「ペンギンアート展」から、ペンギンや飼い鳥、野鳥などをテーマにした手作り作家イベントに出展しています。

鳥類の身体の中でも特に爬虫類のようなテクスチャの足がカッコよくて大好きで、足だけをモチーフとした作品も多々つくっています。

ペンギンの足の箸置きとか

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ケイマフリという海鳥の足のぐい呑とか

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全身でつくる場合にも、執拗に足をつくるようにしています。これはペンギンカップの高台(底面)です。

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私の作品を知っている方には「足の人」というイメージがあるのかなと思います。

また、まだあまりインコのフンをモチーフにした作品づくりをしている作家さんがいない頃にインコのフンのバッジをつくり、それなりに反響をいただきました。今では、ある種の定番モチーフになりつつあります。

普段、新作をつくるとTwitterやInstagramなどに投稿しますが、こうした“色物”もとい“個性的な”作品の方がいいねやリツイートやコメントといった反響を多くいただきます。

ただ、実際のイベントでこうした作品が売れているかというと、売れなくはないのですが、あくまでマニア受けです。前提としてペンギン好きや鳥好きしか来ないマニア向けイベントに出展しているのに、その中でさらにマニア受けということです(笑)。

こちらは2015年からつくっているトボガンペンギンです。トボガンとは、お腹を地面につけてソリのようにすべって移動すること。

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自分では鋳込みという技法を最初に試した作品なので思い入れ深くはありますが、SNSでの投稿でも特に大きな話題になったわけでもなく、そんなにインパクトの無い作品なんだろうという認識でした。しかし、この5年間で一番売れたのは、このトボガンペンギンです。

委託で参加したイベントやペンギンがメインではない飼い鳥系や野鳥系のイベントなどでもきちんと嫁いでくれます。

近年は金継ぎを習うなど金狂い状態なので、金ピカ仕様でつくっています。やはりこちらもきちんと嫁いでくれることが多いです。

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よくイベント後は購入してくださった方がタグ付投稿してくださいますが、このトボガンペンギンはそうした痕跡もほとんどなく、本当に反響がないままに売れている謎の作品でもあります。

イベントでご一緒する作家さんと話していても、本人が「自信作だ!」「これが推しだ!」と思っている作品以外が売れるというのは、けっこうあるあるのような気がします。

多くの方に受け入れられるには、あまりマニアックすぎない普遍性があるのがいいのかなと。ごくごく当たり前の所感ですが。

こうしたことから、今後つくるときに偏愛的な趣味を発揮すべきなのか、ある程度の普遍性をもたせたものにすべきなのかは、よく考えます。

私は今のところ陶芸はメインの生業ではなく副業的なものなので、売れ線や守りに入っても意味がないのかなとも思いますし、もともと変なアイデアとかを考えるのが好きというのもあり、陶芸の技術が抜きん出ていないからこそそこを強みと考えるべきなのかなとも思います。しかし、普遍的なものに偏愛的な要素をうまく組み込める方がより偏愛布教になるのではないかなとも。

「こうするべき」という結論は簡単には出ませんが、日々こんなことをもんもんと考えています。そして、実際にアイデア出しするときは「これを、こんな風にしたらおもしろいのでは!!!!」と、そんな論理的な思考は忘れて盛り上がるを繰り返しています(笑)。

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