ハリー・ポッター:許されざる呪文
許されざる呪文使われすぎ問題。
許されざる呪文は4巻でムーディ先生により存在が明言され、磔の呪文、服従の呪文、アバタケタブラ(殺害)の3つのうちどれかを人に対して使うとアズカバンで終身刑となるものです。
また、それをかけるには相応の魔力と「本気になる」必要があります。
それを言った直後にまずムーディが、訓練だと言って生徒に服従の呪文かけていますが、魔法省大臣のファッジによればダンブルドアが勝手をするのを見過ごしてきた、らしいのでこれも見過ごしたのでしょう。
見過ごしていい問題ではありませんが、後にムーディが死喰い人の変装であったことが分かるので、ムーディは不問にしておきます。
ここではダンブルドアがいかに簡単に法を破り、服従の呪文を使用することを許可したかという点が問題です。
信用していたムーディが悪用しないこと、迫り来る脅威に対して対抗する訓練を受けることの大事さを優先し、先生が軽はずみに許されざる呪文を使うことで与える生徒への影響を据え置いています。
また、4巻では、ヴォルデモートが強大だった頃、魔法省は闇払いに、許されざる呪文の使用を許可した前例があると述べられています。
ここで疑問なのが、磔の呪文は果たして必要なのかという点です。
何かを吐かせるのに有用なのは真実薬や開心術であり、磔の呪文は闇の魔法使いの楽しみとして使われる事例が多いです。
禁忌を破ってまで使用する必要があったのかは謎です。
翌年ハリーはシリウスを殺された恨みからベラトリックスに磔の呪文を使用します。
憎しみの力が足りなかったため、正確にかけられなかったからか、相手が闇の魔法使いだったからかわかりませんが、不問にされます。
7巻ではハリーがグリンコッツ銀行に侵入する際に小鬼とトラバースに服従の呪文を使います。
こちらはヴォルデモートを倒すために必要な銀行強盗のために、咄嗟の判断で行ったことでやむを得なかったかもしれません。
その後、マクゴナガル先生に唾を吐いたアミカスに向かって磔の呪文をかけます。今度は本気になれた様で成功します。
こちらは、使用する必要があったのかは謎です。
捕まえる・失神させる等方法は多々あったでしょうが選んだのは禁止されている磔の呪文でした。
闇の魔法使い相手とはいえ、カッとなってやってしまった以外に考えられず、こちらは十分に刑に値すると思います。
ちなみにマクゴナガル先生も服従の呪文をアミカスにかけます。
杖を差し出させるためだけの行為で直後に別の呪文で拘束しています。
武装解除・失神・拘束等選択肢は無限にあったため、必要のない禁忌破りでした。
学校がヴォルデモートの手に落ち、罰則として磔の呪文が使われてるとはいえ、騎士団員の先生が使うのはどうかなと。
使ってみたかったのですかね?
1巻でマクゴナガル先生がダンブルドアに対して、あなたは(そういった力を使えないのではなく)気高くて使おうとなさらなかった、と言ったセリフには(私は使うけど)が加わる感じですかね。。
ハリーはヴォルデモートとの戦いにはアバタケタブラを頑なに使いません。
滅ぼす・殺すと何度も言う覚悟の割には甘すぎる気がしますが、どうやら自分の中に基準はあるようです。
殺しはしない、相手と同じ所までは落ちないと。
(失神や石化等でなく、毎回得意な武装解除なのも気になりますが置いておきます)
しかし不必要な磔の呪文を、憎いという理由だけでカッとなって使うことは自分の基準に反しないのでしょうか。
「少々規則を無視する傾向がある」では済まされない禁忌破りを、戦時下とはいえ自分の都合で行うハリーは、闇払い局長となるまでに反省・更正していてほしいですね。
備考 真実薬使用に関して
魔法省の指針で厳しい制限はありますが、逆に禁止されてはいないので制限を守れば使用できるということです。
磔の呪文を使用する魔法省に対して
真実薬>磔の呪文を提唱しておきます。
なぜ磔の呪文を使うのか
①手続きがめんどくさい可能性
磔の呪文を許可する緊急性があるなら真実薬を使う手続きを限定的に取り払えばいいと思います。
痛みを伴うものと伴わないものなら伴わないにこしたこはないです。
また、効果として、解毒薬を飲まない限り真実を話す真実薬は、かならずしも相手が話してくれるわけではない磔の呪文に勝ると思います。
②悪用
悪用の可能性に関しては、分が悪いです。
誰にでも使える簡単さと、誰かに奪われる可能性、効力が真実薬>磔の呪い
という3点で真実薬の方が悪用の可能性は高いです。
しかし、敵側が好んで磔の呪いをかけてくるのであれば、真実薬を奪われてもあまり被害はなく、その他の人の手に渡り犯罪に使われる可能性に関しては、犯罪を犯す人なら、近い効果のある磔の呪文をかけて忘却呪文をかける等という手が存在するため真実薬が流れても犯罪件数はそんなに激増しないと思います。
正義を謳う人達が敵側と同じことをして不必要に人を傷つけることで矜持を失うデメリットの方が大きいと思います。
また、代替案として開心術との併用を推しておきます。
③供給
煎じるのに半年かかる難しい薬なので供給が追い付かない可能性があります。
まずは増やすことについて考えます。
ガンプの5大原則では、食品などを、1あるものを10に増やすことはできるが、0から生み出すことは不可能だとされています。
この理論でいくと1度作ってしまえば無限に増やすことができます。
しかしハーマイオニーがポリジュース薬を増やさなかったことから、もしかしたら薬等は増やせない制限があるかもしれません。
とはいえ、作り方が確立されているため、機械化(魔法を使うでしょうが)して大量生産することは可能なはずです。
需要が多ければ自然と供給は増えるでしょうし、ましてや戦いに必要なら魔法省直々にコストをかけて作っても良いと思います。