20弾青単プレイング解説ノート(最高レート1771)
初めに
今回のnoteは、自身の最高レート(1760→1771)を更新し、カイザー刃鬼カップの青単使用者のうち、観測上最高レート到達者であるpottarが、使用デッキである青単の構築の変遷と、それに伴って得た相性考察及びプレイングについて簡潔に記すものである。NDでもADでも猛威を振るった青単というデッキタイプは、その高いデッキパワーとは裏腹に繊細なプレイングを要求される。本著が読者の青単、ひいてはこのゲームへの理解を深め、さらなる飛躍への一助となることを願う。
1、構築の変遷
この章では、前期自分が使った6種類の構築を時系列順で解説しつつ、なぜこの使い分けを行ったのか、環境の変遷を見ながら解説していきたい。
これは1599から、前期最初に考えた構築である。この時は新弾がでてから日が浅いこともあり、墓地ソースの母数が多く、シータ基盤の母数が少なかった。そのためゴーゴンを不採用にしており、代わりにコンクリオンを多めに3枚投入することで墓地ソースを厚めに見た構築を考えた。また、この時の構築のコンセプトとして「すべての対面に満遍なく勝てる」ことを目標にしていたため、一定数環境に存在した青黒祝門に対抗するためにサンダーボルトを採用した。この時はミラーが少なかったこともあり、ノートリにして自分の動きを最大限通せることを重視した。
これはチーム内で先のリストを回していた際、サンダーボルトのバグを発見してしまい、リストの変更を余儀なくされたときに握ったリストである。徐々に環境に復権し始めていたシータ基盤を見るためにゴーゴンが再び採用され始めている。特徴的なのはソニックウェーブの採用である。これは使えなくなったサンダーボルトの代替枠として採用し、サンダーボルトでハンデス自体をけん制する方向性ではなく、ソニックウェーブで盤面のチャーマジュンをバウンスすることで間接的にハンデスをケアする方向性に切り替えることで、祝門に対する勝率を落とさないようにしている。また、この当時の環境へのソニックウェーブの刺さり方がかなり良く、ミラーのマイパッドを戻したり、シューゲイザーのエンターテイナー、墓地ソースのロビンを戻したりと、かなりいぶし銀の活躍を見せていた。1つ目のリストで18-5、このリストで8-0を記録し、計26-5、勝率約84%でレート1700に到達したのもこの構築である。このころもまだミラーが少なかったのでトリガーは不採用である。また、ゴーゴンが2枚なのはジャバキッドの濁りを嫌ったうえでのことである。
これは4cヴィルヘルムに握り替え1651まで溶かしたのち、22-4でレートを盛りなおしたリストである。ついにミラーが増え始め、クロック型が横行していた当時は入っているのが当たり前だという認識からか、過剰に盾を詰めてくるプレイヤーが多かったため、先に盾を詰めるのを咎められるサーファーとブラザーズを合計5枚採用し、流行りの構築を逆手にとった。自分の構築にクロックが入っていないとばれ始めるまでは基本的にはこの構築を使っていた。
本構築で自身の最高レートの1771を達成した。自分の構築にクロックがないという事実が界隈にばれ始め、クロックを切ったプレイをとられることが多くなったため、逆にそれを逆手に取り、クロックを切ったプレイを咎めるというコンセプトで組んだ構築である。ゴーゴンが2枚なのは同じくジャバキッドのバリューを鑑みた結果である。墓地ソとシータに構造上の有利、ミラーに情報のアドを利用した間接的な有利をつけていたこの構築では勝率80%近くを安定してキープ出来ていたため、大きな連勝こそないものの、5連勝や4連勝の積み重ねでこのレートまで到達することができた。ランクマッチでは名前を「あ」にして潜り構築を隠すやり方もあるが、あえて名前をそのままにして結果をだし、その情報を逆手に取るやり方が存在することを知れたのはいい経験だったと思う。
環境にシータ基盤が増えてきたために改良した構築であり、現状の筆者の結論構築でもある。クロックをケアして盾を詰めるとブラザーズの裏目が発生し、逆にブラザーズを警戒すると盾のクロックがどうしようもなくなる。この両縛りを成立させるうえで、ブラザーズとクロックの採用はセットにすべきなのではないか、というのが現状の筆者の考えである。現状の構築ではサーファーとクロックが両採用され、受けを多めにとった構築が一般的になっている。もちろんそのアプローチも理に適っているし、実際に結果を一番出している構築もそれである。しかし、ブラザーズは殴ってくる対面へのカウンター性能だけでなく、祝門やMRCに対するリソース管理、シータのトリガー吸い込むや永遠への間接的なケアと、持てる役割がサーファーと比べるとかなり多い。トリガーを増やすアプローチだけでなく、青単というデッキの中にも様々なアプローチがあることを知っていただけると、自分がこのnoteを書いた意味があると言えるだろう。
これは最終日前日にかけてレートを1580から27-3で1731まで戻した構築である。かなりかみ合いで勝った様子が否めなかったので構築の強さ自体は保障しかねるが、エメラルがミラーだけでなく墓地ソ―スに刺さったおかげで勝った試合はかなりある。受けが能動的に強くできる点は評価できるし、超竜クルトさんの構築のようにエメラルを多投して結果を残している方も見受けられるので、一つのアプローチとして記載しておく。
1.5 メイ様ナーフ後の青単の立ち位置について
メイ様がナーフされてから数日が経ったが、これまであれ程環境に蔓延っていた青単は環境から姿を消してしまっている。一部の上位プレイヤーが好んで使っている程度で、
ここまでは結果を出すまでの構築の変遷を見ていただいたが、ここからは相性及びプレイングに関して解説していく。楽しみにしてくださっているという声を多く頂いているために無料で公開することも考えたが、あまりにも情報の価値が高いことを鑑み、ここからは有料部分とさせていただく。ここまでの内容を読んで興味を持たれた方は、是非購入して、青単というデッキの神髄に触れていただきたい。
2、相性考察と各対面のプレイング考察
・墓地ソース・・・50%対面
なぜこの相性になるのか
GT着地はほぼ詰みであるし、クロスファイアルートのノートリ貫通も割と起こり得る事象ではあるが、墓地ソースというデッキの性質上安定してGTを出せるのは6ターン目であり、クロスファイアのリーサルも最速5ターン、安定6ターンであり、これは青単のキルターンよりわずかに遅い。キューブリックが3ターン目に起動する要求値は高く、デスゲートを手札に引き込んだ場合、処理に手間取ればさらに起動も遅くなるだろう。しかし、殴るデッキである以上トリガーが付きまとう。トリガーが多い分体感的には不利に近い対面であるが、構造を見ると先手後手、クロックの有無に結果がほぼ集約されていると言え、五分とみるのが正しい相性考察と言えるのではないだろうか。なお、これはコンクリオンを搭載していない構築の話であり、搭載されている場合は60%ほどまで勝率は跳ね上がる。
プレイング考察
この対面で意識すべきことは、
① キューブリック及びクロスファイアの要求値を最大限まで高めること
② 相手にブロッカーがいる場合に不用意に盾を詰めないこと
③ 打点の横にできるだけアクアガードを立てる意識を持つこと
の主に3つである。順番に解説する。
まずは①だが、これは言い換えると小型の殴り方の問題である。パワー1000ラインがほとんどであり、相手のテスタなどのルーターに上から踏まれるため小型でいつ殴っていつ殴らないのかの判断に困る場面は多いだろう。結論から言うと、盤面に進化獣が着地できたかつこちらの盤面が3面(理想は4面)並んだタイミングで、相手の盾が残り2枚になるように殴るのが最も有効な詰め筋であると考えている。残り2枚まで盾を削っておけばデスゲートをケアできる可能性が出てくるだけでなく、ルーターからのキューブリック+クロスファイアを強要できる。手札が3枚増えているとは言え、相手がこれを返すためにはそれまでのターンに青を2枚以上埋めている+単色マナを埋めながら2コストルーターというまあまあな要求を通したうえで、墓地6枚以上+キューブリックが必要条件になるので、ここまでも順調に動けていることが前提の上での要求だということも考えると墓地ソ視点が苦しくなることは想像に難くない。相手視点で捌き切れない打点を構築してから殴り始めるのは、少なくとも今の環境では必要な感覚になる。また、この詰め筋を応用して逆算すると、2ターンマイパッドを出せた後に、リソースを吐き切ってまで進化獣を出して殴るよりも、敢えて横展開をしてから進化獣を投げた方が強い場面が稀にあることは理解してもらえるだろう。墓地の枚数や盤面のルーターの数などを総合的に判断するため実際に直面すると難しい択にはなるが、特に後手の場合には先に2面展開をする択も選択肢に入れておくと拾える試合は確実に増える。
次に②だが、これはブロッカーの墓地肥やしに必要以上に仕事をさせないための考え方である。シンカイタイフーンやホネンビーがいる状態で焦って盾を詰めた際に冷静にブロックされ、その1枚の墓地によってGTの着地が1ターン早まってしまった経験の一つくらいあるだろう(かくいう筆者もその一人である)。なぜこの1枚が致命的になるかというと、墓地ソというデッキの構造上、4ターン目に溜めたい墓地の目標がクロスファイアの出せる6枚であり、ここに1枚増えて7枚になると次のターンにピッタリGTが着地してしまうからである。デッキ構築の時点で4ターン目の墓地6枚を目指しているのだから、この6枚という数字はある程度現実的であり、逆に7枚肥やす要求値が高いからこそ、この対面は成り立っている。この1枚をわざわざ自分から肥やさせにいく必要はないのである。この考えを前提にして考えると、青単視点ヴィルヴィスヴィードやパラディンをなるべく2枚以上キープしながら立ち回るとスムーズに盾を詰められることも理解できるだろう。墓地ソは小型ばかり並ぶためにバウンスが効くイメージが湧かないという人もいるだろうが、安直にマナに置かないよう気を付けよう。
最後に③だが、この対面のアクアガードの重要性は筆舌に尽くしがたい。自分の打点を守るだけでなく、相手の安易なカウンターリーサルも防ぐことができる。何よりキューブリックのバウンス先を間接的にガードに固定できるのが強く、場合によっては永遠にキューブリックの強制当て先として運用できることもあるだろう。墓地ソ対面と分かった瞬間、必ず1枚はガードを維持しながら戦うといいだろう。
他にも細かいテクニックはあるが、これ以上語るときりがないのでここでは割愛する。もし気になることがあればぜひDMなどで聞いてもらいたい。
追記:先日墓地ソース研究会で青単対墓地ソースの相性関係について20戦行い検証したため追記する。青単側は5つ目の構築、墓地ソース側は雷鳴神さんの構築を使用した。
結果としては、最初の10戦は8-2で青単の勝ち越し、後の10戦は3-7で墓地ソースの勝ち越し、トータル11-9で青単の勝ち越し、勝率55%に落ち着いた。世間的には先手後手の勝負という理解が多そうだったので先手後手による勝敗の相関に関しても検証したが、青単の勝ちのうち先手5回に対して後手6回、負けのうち先手4回に対して後手5回と、先手後手による相関が確認されなかったことも記しておく。
この結果をどのように判断するかは個人の裁量にゆだねられているが、少なくとも本記事内では青単側が五分から微有利である、という結論を提示しておく。
・シューゲイザー 白入り・・・55%対面 デアリ・・・65%対面
何故この相性になるのか
そもそもシューゲイザーのワンショットには少なくともシュゲ+キリュー+プリン+αが必要であり、この時点で相応の要求値を通さなければならないだけでなく、通したとしてもクロック1枚で止まってしまうと青単の強烈のカウンターが待っているという構造上の対面欠陥が生じている。そもそもキルターンは青単の方が早いため、シューゲイザーの走る難度に関わらずその前に勝つので関係ないという話すらある。白入りはホワグリ+スパークのギミックで無理やり耐えながらシューゲイザーを着地させてくるが、手札とマナの要求値が高い上にマナが伸びていない分結局解決にならない状況がある程度起こり得るのが玉に傷である(もちろんデアリ型よりは勝率は改善される)。相手のトリガーを考慮しても青単側の負ける条件をシューゲイザー側が満たせる場面があまり訪れず、逆に青単の勝つ条件が緩いために有利と言い切ってもいと判断し、この相性とした。
プレイング考察
この対面で意識すべきことは
① キリューでの反撃が致命傷にならない殴り方及び盤面構築を行うこと
② 可能な限りガードを盤面に維持すること
③ なるべくパラディンをキープすること
の3つである。順番に解説する。
まずは①だが、2ターンに分けて殴る考え方を基本として、ため切ってジャスキル+1打点を作ってから殴り切るパターンを使い分けることを心がけるとよい。基準として、殴った後に追加の進化獣を出して詰め切れるもしくは盤面にガードがいるなら刻みはじめ、そうでないなら小型を並べて溜める。追加の進化獣がいれば相手がキリューで進化獣と相打ちする動きをケア出来ているし、ガードがいてもケアできる。逆にそれができない時のキリュー相打ちは致命傷になり得る。いかに相手のキリューを手札で腐らせるかによって拾える試合の多さはかなり変わる。なお、先攻かつ3ジャバor3エリート進化できたときは殴り始めても良い。後続を抱えているのが理想だが、殴ってもライフ以外の裏目が基本ないため手札まで考慮したくない人は殴ってしまっても問題ない。
次に②だが、これにはキリューの反撃を防ぐこと、シューゲイザーのワンショット条件を厳しくすること、エンターテイナーでエリートが封じられた時に緊急で進化をのせられることの3つの意図がある。1枚、出来れば2枚盤面に並べながら盾を詰めることができれば勝ちに大きく近づく。
最後に③だが、これは対面のヨーデル+アヴェマリア及びアシッドに対処するためである。デアリ、白入りともにパラディンでしか超えられないカードがある以上、気軽にマナに埋めてはいけない。常にマナ埋めには細心の注意を払いながらプレイするとよいだろう。
・シータ基盤 4cヴィルヘルム・・・60%対面
何故この相性になるのか
見た目以上に盾は厚いものの、その事実とは裏腹に溜められると脆いデッキである。トリガーブーストが多い分下手に刻むと痛い目を見るが、4cというデッキの性質上一気にリソースを稼ぐことは苦手なため、溜めることでマナだけ伸びてその後の強い動きがない状況を作り出すことで時間を稼ぎ、盤面を整えてから殴れば案外貫通する。ゴーゴンや溜めでいかに盤面を作りながらターンを稼ぐかが重要な対面である。しかしすべての試合がそう上手くいくわけでもなく、実際には刻まなければならない試合も起こり得るし、メイ様や吸い込むリュウセイホールの動きで完封されるときもある。刻まなければいけない場合、最初の盾3枚中2枚がトリガーであることを負け条件として設定していることから、トリガー15枚と仮定して計算したこの確率31%とメイ様上振れ、先攻ブン周りを総合してこの勝率とした。
プレイング考察
この対面で意識すべきことは、主に
① 3ジャバができるように立ち回りながら、状況に応じてしない択を考えること
② 序中盤かつブーストトリガーが致命的になる盤面では我慢して殴らないこと
③ 相手のトップ解決を切り、手札読みに尽力すること
④ 相手の手札がある上で9マナ以上溜まる状況が発生するまでに決めきる意識を持つこと
の4つである。順番に解説する。
まずは①だが、3ターン目に出せる手札だからと言って、必ずジャバジャックを展開しないといけない道理はない。想定される状況として、青単先攻で2ターン目のマナ埋め前の手札がエボリューター、ゴーゴン、ジャバジャック、ジャバキッド、パラディンであるときなどがいい例だろう。相手が4cと分かっているかつ先手である以上、3ターン目はほぼゴーゴンをプレイするだろうことが想定される。ならば、4ターン目に盤面の小型にジャバジャックを進化することがほぼ決まっている以上、エボリューターよりもジャバキッドを優先してプレイする可能性がある、という話である。もちろんエボリューターから展開することにも、ガードや2枚目のエボリューターを引けた際に4ターン目の展開量が1打点分増えるという利点があるため一概にどちらのプレイが正解であると決定づけることはできず、各個人の見解に委ねられる部分ではあるが、筆者は先攻であること、今の手札のカードの価値が高いこと、②で後述するが4ターン目のジャバジャック展開のあとおそらく盾を詰めないために1打点増えるうまみが少ないことを考慮すると、わずかに2ターン目のプレイはパラディン埋めジャバキッドの方が価値が高いと考えている。他にも、同じく先攻2ターン目のエボリューター、ジャバキッド、ジャバジャック、マイパッド@1のような手札など、3ジャバはできるがその他のプレイの価値が高い場面は案外起こり得る。今の青単はマイパッドやクロック、ゴーゴンなどの不純物を投入している都合上、ジャバキッドからのリソース補充に不安がある。どうすれば盤面とリソース、稼げるターンを最大効率化できるか。先のプレイを考慮したうえで判断できるようになると、青単というデッキは今までにないくらい味のあるデッキへと変貌を遂げるのである。
次に②だが、これが勝敗を一番左右する部分であると考えている。最たる例が、先攻マイパエリートを決め、後続にエリートジャバジャックを抱えられている場合である。この場合、実は盾を詰めに行くよりもいったんターンを返し、返しのターンにエリートジャバ、あわよくばガードを横に添えてから盾を詰める方が勝率は高くなっているのである。吸い込むで返されると折角の3ジャバが無駄になっているのではと感じる人もいるだろう。しかし冷静に考えると、相手が吸い込むを打っているターンは相手のマナが伸びておらず、対して返しのターンでジャバジャックを展開しなおした場合のこちらのマナは4マナまで伸びている。これはリュウセイホールから勝利のリュウセイカイザーを出されて4マナ域の強い動きを阻害されるのを防いでおり、同時に盾から踏むブーストトリガーの価値を著しく低下させている。ビマナの1マナよりもビートの1マナの方が価値が高いという考え方である。吸い込むの代わりにシャワーをプレイされているなら、もう1体ジャバジャックを展開してから詰めれば押し切れる確率はかなり上がる。ここで言いたいのは、3マナ域で踏むブーストトリガーは致命的だが、4マナ域で踏むブーストトリガー1枚は前者に比べて痛手にならない、ということである。もちろん2枚同時に踏めばかなりしんどくなるので殴り方には細心の注意を払うべきであるが、それでも最初に述べた「最初の3枚のうち2枚がトリガー」という負け条件よりさらに厳しい条件を相手に押し付けることに繋がる。ビートデッキである以上盾を詰めることが明確な勝利条件として存在するがゆえに進化を出したら殴りたくなるのは当然の心理だが、いったん立ち止まって、何を踏んだらだめで何なら踏んでいいのか冷静に計算して、より勝てる確率の高い方を選べるようになると、勝ち試合を落とすことはかなり減るはずだ。ちなみに同じように殴らないパターンとして、先3ゴーゴン→4ターン目ゴーゴン展開が見えている場合の3ターン目や先2マイパッド→3ターン目2面展開などがある(後手3ゴーゴンは状況に応じて殴るかどうかを判断する)。
次に③だが、これは青単側が溜めるプランをとった際に相手が手札を切って無理やりブーストを通してきた場合についてである。基本的に4c側が連続でシャワーやリュウセイホールをプレイできなければ、溜めている限り相手のリソースは増えず、いつか必ずリソースが尽きるターンが訪れる。その時、マナが伸びているからと言って焦ってはならない。トップで引かれて致命的となるカードがどの程度あるのかを考えたうえで、負けに直結するカードが限りなく少なくできる溜め方及び殴り方を考察すべきである。相手の手札が残っている場合なら、2ターン程度ログをさかのぼって相手のプレイを振り返ると概ねどこを着地点としてプレイしているのかがある程度推測できるため、その手札読みが当たっている前提でプレイを組み立てる。4c側の主な着地点は永遠、ヴィルヘルム、鬼丸覇、入っているなら刃鬼であり、全てコストがばらけている分マナの伸ばし方を見ると大体どれをキープしているのか推定することはできる。トップ解決されるのは割り切り、勝てる試合を確実にとり切れば、青単というデッキはレートが上がるようにできている。
最後に④だが、これは青単の溜められる最大値まで溜めようとしたときのタイムリミットである。9マナまで伸びてしまうと盾から返された後の鬼丸覇でひっくり返されうる。青単は鬼丸覇以外のすべての動きにワンチャンを作れる代わりに、鬼丸覇にはどうすることもできず、ただただジャッジに勝つことを祈る事しかできない。9マナ時点というよりも、鬼丸覇がゲームに絡まないように立ち回ることを意識してみてもいいかもしれない。永遠は殴り方や盤面形成でケアできるし、ヴィルヘルムはさしたる脅威にならない場面の方が多い。鬼丸覇だけは出させてはいけないと肝に銘じておこう。また追記しておくが、盾大地から逆転を許さないために、クロックをマナに埋めなくても円滑にプレイできるならなるべく埋めないように立ち回るようにするとよい。ただし、それを意識しすぎるがゆえにプレイを歪めたり、動きを妥協したりするよりかは埋めてしまった方がいいので、頭の片隅で少しだけ意識する程度にとどめておくと良い。
・トリーヴァミケランジェロ・・・35%対面
何故この相性になるのか
殴るデッキでこのデッキに勝とうとするのは至難の業である。それでいてコントロールにも一定の勝率をたたき出せるというのだから末恐ろしい。トリガーの豊富さ、能動的な盾仕込み、パーフェクトマドンナの存在、フィニッシュの安全性とどれをとってもビート殺しであり、流石に不利と言わざるを得ない。しかし、意識すべきことをしっかり意識し、条件をしっかり通せば全く勝てないわけではないし、実際筆者はトリーヴァ対面も勝ち越している。ここまでの対面とは少し意識を変え、チャレンジャーとして強気にプレイすることが求められる。
プレイング考察
この対面で意識すべきことは
① 素で埋まっている吸い込むとブーストトリガー×2は割り切って積極的に盾を詰めるプランと、コントロールするプランを使い分け、2アクションをさせないこと
② 横に面を広げず、縦に打点を伸ばす事
③ 意地でもクロックをマナに埋めないこと
の3つである。順番に解説する。
まずは①だが、これは、ゴーゴンがある場合のほとんどはゴーゴンを最優先でプレイすることと言い換えることもできる。相手の素引きマドンナはきついが、不利対面にそんな悠長なことは言っていられない。ゴーゴンを展開しながら、盾の除去とブースト×2枚だけ割り切りながら盾を詰めていくと、通った場合トリーヴァ側はホワグリで盾にスパークやクロックを仕込むだけでターンを返すしかなくなり、それを割り続けるといつかホワグリか盾に埋めるトリガーが枯渇して勝てるタイミングがやってくるのである。2アクションをとられ、リソースを稼がれるのだけは避けなければいけない。また、逆に相手がリソース札を引いておらず、マナを伸ばした後の手札が枯渇している場合にはしっかりため切って手札の枚数上2アクションをとらせないように立ち回る。とにかくリソースを枯渇させ、相手をコントロールする感覚を持ってプレイするとよいだろう。ビートデッキであるにも関わらず、間接的にコントロールのような動きが取れるのがこのデッキの強みでもある。
次に②だが、これはJイレブンのケアの側面と打点効率の最大化の2つを狙いとしたプレイングである。小型を並べないプレイは一般的に意識されているレベルだし、なんなら進化獣3枚だけにとどめて詰めるプレイも有名である。しかし、これらのプレイはJイレブンはケアできてもマドンナを超えられず、盾にトリガーを埋めてから盾を詰めてこられると瓦解してしまう。そのため、進化獣は相手のマドンナの枚数に応じて展開していき、場合によっては5面以上並べることも必要だと考える。Jイレブンは明確な負け筋として見えている情報なので警戒したくなるのは当然だが、ケアしすぎた結果勝ち筋を逃してしまっては本末転倒である。ヴィルヴィスなどで的確に相手の盤面を減らしながら展開すれば、面を広げながらでもJイレブンはある程度はケアできる。負け筋を作る代わりに細い勝ち筋を作りに行くのは不利対面への考え方の一つとして有効だろう。また、この考えを応用すると、2ターン目のマイパッドとエボリューターの展開に迷った場合にはエボリューターを展開しておくことで、後々盤面に進化して間接的に小型を盤面からどかせるようにすると良いだろう。ゴーゴン以外の非リキッドピープルは展開しないようにするのが望ましい。
最後に③だが、これはそのままの意味である。シータ基盤を相手にするときは動きを妥協するくらいなら埋めた方がいいとしたが、トリーヴァ対面は大地を盾に能動的に埋められるためわけが違う。ジャバジャックが絡みそうにない場合は埋めるのもやむを得ないが、絡みそうであれば意地でもマナには埋めず、少しでも相手の要求値を上げることが大切である。
・ミラー・・・先攻有利
今のミラーは、完全にクロックをお祈りした雑な盾殴りや先攻マイパエリートヴィルヴィスなど引きや運に左右される部分が多いため、プレイの絡まない大味な試合展開になることが多いことは否定しない。しかし、クロックをケアしたり、打点計算を正確に行って適切な盤面処理と盾詰めを並行して行ったりするなどして勝率を少しでも上げる工夫は必要である。トリガーに頼らずにミラーを制するようになってこそ、青単の最大値を引き出すことができるのである。
プレイング考察
ミラーで意識すべきことは、
① 盾を2枚まで削ること
② 相手の構築を割り出し、ブラザーズの有無をいち早く見極めること
③ 最初の2点はクロックを踏んでも痛くない盤面、最後の2点はサーファーをケアできる盤面を構築すること
④ 相手の最大値を切ったプレイをとること
⑤ 不利トレードを行わないこと
の5つである。順番に解説する。
まずは①だが、これはクロックを最大限ケアしようとし、なおかつこちらの盾にクロックがある場合に最大限のリターンが得られる殴り方である。相手のブラザーズやサーファーなど、裏目は様々あるものの、基本的には相手に盤面をとる選択を強要させることを意識した殴り方が強いというのが、今のミラーに関する筆者の所感である。
次に②だが、ブラザーズやサーファーの有無はプレイを変える必要のある重要な情報である。相手のマナ置きのエメラル、サーファー、ブラザーズ、スパークなどの特徴的なカードからある程度の構築を割り出し、それに合わせて柔軟なプレイをとることを心掛けるとよい。
次に③だが、これは殴り方の都合上ケアできない方のトリガーは割り切り、踏んでもケアできないタイミングよりかはまだ痛くないトリガーの効力を最大限落とすことを目指した考え方である。具体的には、最初の2点のクロックは相手の盤面を更地にしてから殴ることで、盾3枚の状況下での逆リーサルを阻止できるし、最後のサーファーはジャバジャックやジャスキル+1打点を形成してから殴ることで対策できる。当たり前のような考えと思われるかもしれないが、こういった小さなことを積み重ね、詰将棋のような丁寧な詰め筋を心掛けることは、勝率を担保する重要な要素である。
最後に④と⑤だが、これは前期の青単ミラーから来ている、ミラーを制するうえで最も重要な考え方であるから、是非読みこんでもらいたい。ここからは、ミラーは先攻有利であるという前提のもと、どのようにして後手を捲っていくかについて焦点を当てて考えていく。まずは④だが、これは主に相手の先3及び先4ヴィルヴィスを切ったプレイをとる必要がある、ということである(そもそも先3ヴィルヴィスをケアできる方法などないのだが)。ミラーではいかに盤面を優位に構築しながら盾を刻み、相手に不利なトレードを強要させるかがカギになる。この意味でエリートヴィルヴィスという動きはその2つを体現した、ミラーにおいて最強の動きと言わざるを得ず、タダでさえ盤面形成が遅れている後手側がこれを被弾すると、ここから正しくプレイしてくるプレイヤーに対して勝ちを拾うことは難しい。今はマイパッドが絡む以上先手の強い動きはかなり増えており、盤面ごとに致命傷になるプレイはいくつか存在するものの、ここで「この動きをされたら負けるから…」といって弱気な択をとると、その場はしのげているように見えて結局勝ちにつながっておらず、負けるべくして負ける盤面が出来てしまう。された時点でほぼ負けるプレイを考慮に入れてプレイしても、負けるものは負けるのである。だからこそ、先攻の最大値はどこかのタイミングで割り切り、強気に自分が勝ちに行くプレイを通すことが重要である。そして、その最たる例が⑤である。後手をとると、基本的に先に盾を詰められているので自分にリーサルがかかることを恐れて盤面をとりたくなるのが人間の心情というものだろう。特に進化獣が相手の盤面にいるプレッシャーは尋常ではなく、対面が進化獣を相打ちさせながらなんとかして盤面をとろうとする姿は何度も見てきた。しかし、そのプレイが勝ちにつながっているかと言われるとそうではない。自分のリソースが豊富かつ相手に押し付ける側に回れるのならその限りではないが、基本的に盾を詰めた進化獣はすでにその仕事を果たしているため価値が低く、逆に本来の役割をまだ果たせていない、盾を詰めていないこちら側の進化獣は相対的に価値が高い。これを自ら相打ちして盤面をとりに行く動きは紛れもなく不利トレードであり、1ターン使っていることも考えるとむしろ負けに近づくプレイであることも多いのである。後手が相手の展開を捌き切って勝つことはほぼ不可能なのだから、ある程度の最大値は切りながら強気のプレイを通し、いち早く自分も盾を詰めることが、後手を捲るうえで一番の近道である。
しかし、今期の青単はクロックが採用されている都合上前弾よりも盾を詰める意味は大きくなっているとは言え、盾のクロックに懸けて、盤面を処理している方が勝つ可能性が高いにも関わらず盾を詰めてくるプレイヤーが増えている。いくら盾を詰める価値が高いと言っても、自分の盾にクロックを期待したプレイは良くも悪くも勝率を43%に固定してしまうことと同義である。クロックに懸けないと本当に負けている盤面なのか、それとも他のプレイをとった方が勝率が高いのか、冷静に判断して、少しでも勝ちに近い択を模索する癖をつけるとよいだろう。
終わりに
今回はここまで長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。これから青単というデッキがどのように変化していくのかは分かりませんが、この記事が読んでくれた方の青単に対する、ひいてはこのゲームに対する本質的な理解を深める一助になっていれば幸いです。何か質問等ありましたら、@pottar14までDMしていただければお答えします。青単というデッキが正しく理解され、あるべき姿になることを願って、この記事の結びとさせていただきます。
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