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大きな水玉の青いワンピース

近所を散歩していると、今まさに家を出ようとしている女性と目が合った。
青地に大きな白の水玉が散りばめられたワンピースを着て、黒い自転車にまたがるところだった。

彼女は僕の方をちらりと一瞥して、僕が歩いているのと同じ方向に向かって自転車を漕ぎ出した。
彼女の後ろ姿が目に入る。
背中も白い水玉でいっぱいだった。

突き当たりを彼女は坂を登る方に曲がり、僕は坂を下る。
傾斜が急ではない坂。
それでも次の交差点までは距離があるから、登りきるのには骨が折れそうだ。

けれどきっと彼女はそのまま自転車を漕いでいくだろう。
途中で止まることなく、涼しい顔をして登りきるに違いない。
大きな水玉の青いワンピースが大きく揺れる様を想像することはできなかった。

坂道を下る途中、一度も振り返ることはなかったので、どうだったかは分からない。

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