過去のプロレス日記より【受けと襟足】

そうそう襟足なんですけど
2008年02月17日22:20


プロレスに於いて最も重要な事は何だと思いますか? 

そうです、「受ける」事です。 

他の格闘技とプロレスの圧倒的な相違点が「受け」です。相手が出す技を受ける。考えてみて下さい、他の格闘技はわざわざ相手の攻撃を真正面から受けますか?避ける、防ぐ、逃げるのいずれかではないですか?(矢吹さんのノーガードは漫画ですからね) 

まず軽いボディスラムかなんかで倒されます。そして相手がトップロープに昇るまでそのまま仰向けで待つ事十数秒、「その間に逃げれるじゃん」と思う人はプロレスど素人です。 

相手、例えばベイダーにベイダーアタックされて倒された後、トップロープに昇り咆吼するベイダー。確実にムーンサルトプレスからフィニッシュの体勢です。あの巨体が空から降ってくる、その恐怖は想像に難くないものですが、三沢さんは受けます。そこでスリーカウントが取られるかどうかは些細な事で、受ける事がプロレスをプロレスたらしめている要素なのです。ご存知の通り三沢さんは、リング下で10秒横になれば体力が全回復すると言われる方ですから、いくら強力なベイダーハンマーを受けたとて、ベイダーがロープを昇る間に余裕でかわせるだけの余力はあります。しかし受けるのです。 

もう一つ分かりやすい例を挙げるとすれば、新崎人生の「拝み渡り」でしょう。これは人生が相手の手を引きながらトップロープを歩くというもので、泉田が真似しておもっきし股間を強打していたおなじみの技ですが、これも相手が受けることを前提にして考案された技だと思います。 

で、襟足ですが、あれは受け身の際のクッションの役割を果たしています。後頭部はやはり急所なので、長い襟足で守っているわけです。 

そうすると天山は背中まで完璧にガードしているんですね。入場時は牛魔王みたいなメットで頭全体を守っているため、背後からの不意打ちが完全に不可能になるわけです。 

最近はバーリトゥードがもてはやされているため、レスラーも襟足を伸ばさない風潮があるのは嘆かわしい事です。

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