見出し画像

アメリカの大学受験(1)

アメリカは、カウンティ(地方自治体)や州レベルで教育カリキュラムも行事も何もかも異なるため、一概には言えませんが、ざっくり言うと、9月から新年度が始まります。そして、ハロウィン、感謝祭、クリスマスまでエンジンを最大限にふかして頑張る空気が、学校だけでなく街全体に漂っています。

4年間ある高校生活でも、上級生になるにしたがい、学校生活が軌道に乗るとじきに、大学受験に向けて、親子でそわそわ、うろうろ、きょろきょろして来ます。平日の授業内にPSAT(予備SAT)試験も行われます。

日本の大学受験も、最近では大きく変わり、受験形式も試験日もさまざまなようですが、基本はきわめて公正、かつ平等な選考試験だと思います。他方で、アメリカの受験はきわめて不透明かつ不平等なのです。子どもの学業成績以外に、受験生本人の努力ではどうにもならないことが合否に左右することが多く、高校生の娘を持つ中産階級の父兄として、憤りを感じた後、ため息をつくことしきりです。なぜ憤りを感じるのか。その理由を3回にわけて説明したいと思います。

まず人種の壁があります。アメリカでは、労働者移民としてヒスパニックが大量流入する一方で、専門職の中国・韓国・インドをはじめとするアジア系移民も多いです。SATやACTなど(日本のセンター試験のようなもの)の試験を受けると、アジア系男子、続いて女子が上位層を占め、白人より上位になるそうです。

他方、ヒスパニックやアフリカン・アメリカンが下位を占めるのが実情のようです。そこで大学側は、人種のバランスを取るために、試験で同点数だった場合、アジア系ではなく、他の人種が選ぶのが一般的だと言われています。そもそも日本のように、学業成績・統一試験の成績結果と、大学合格者の内訳を示す正確なデータはないのですが、高校生を持つ父兄の間では皆、そうささやかれています。なので、アジア系の学生はもっと頑張らなければ、大学合格通知はもらえないのです。

同じようなことが書かれた記事が掲載されていたので、ご参考までにリンクを貼ります。
https://globe.asahi.com/article/11796429

アメリカの受験(2)では、憤りを感じた第二の理由として、親の収入の壁を取り上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?