にゃあ日記15
〈おひさしぶりですにゃ〉
にゃあはどっこい生きていた。
マスターの気持ちを蔑ろにし突然姿を消した理由が消えたタマから事情が垣間見えた。
あと一つ、
あのガングリオンだと懸念したあの
悪夢のシコリも消えていて
顎先は気持ちスリムになった。
1番心配していた心配事すら消えて
マスターは安堵したことだろう。
ただ相変わらず口はうまく
閉じれないようで
マズルと呼ばれる猫の鼻口部をみると
「あぁ…にゃあたん」
とマスターは消えた猫の存在を
しっかり再認識したようだ。
歓喜の生存確認の連絡があった
その夜、と言っても外はまだ明るい時間に私はお店に顔を出す。
「にゃあとの初遭遇から二年は経った?年齢は、四歳くらいじゃないか?」
いや…初めから大きかったしなぁ
もうちょいいってるかな?
にゃあに纏わる考察を
本人不在をいいことに2人で
いろいろやってみた。
休眠中のバーカウンターで
紅茶片手にするにゃあの話は、本当に不思議なパワーがあり目の前に
本当にいるのでは?
そう思わせる魅力があった。
知ってか知らずか
【うちのにゃあ】
と笑って口にしたことを本人は理解しているのだろうか。
自分の猫でもないのにと
紅茶を啜った。
16へつづく
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