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にゃあ日記10

 欧米では聖書ダコと呼ばれるガングリオン。
あの顎の違和感の忌まわしい記憶、それを懺悔という形で話してくれた。

 ジャレは亡くなったが、それでも残された生けるものは成長し
少女は大人になった。

結婚し自分の店を持ち娘を産み紆余曲折あり途中、
愛娘に押し切られハムスターを飼育したことはあるものの、
いつかのジャレが思い起こされ何かを飼ってみたいとなど
つゆほどにも思うことはなかった。
ましてや猫など…

 時代は令和。

 程度はどうであれ日本の動物愛護の精神は育まれペットの環境も随分よくなったと思う。
ムツゴローさんのような飼育する側ではなく、人を虜にするペットのスターもあちこちで散見する時代となった。

 そしてマスターは、にゃあをどうにかしてでも怪我の治療をしてあげたいと口にするようになる。

「にゃあのアゴは、ジャレと同じガングリオンかもしれない。」

<また腫瘍があっという間に大きくなって破裂でもしたら…>

 ジャレの聖書ダコの記憶に懺悔
して
「にゃあをなんとか病院に連れて行きたい。」マスターは己が思いを語ってくれた。

私も応援するしサポートしたい
そんなことを言った。

それなのに決意表明から翌日以降、にゃあは忽然と消えた。


どこへいった

11へつづく

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