にゃあ日記13
七月
だんだんと陽射しが厳しくなり外を歩くには、日傘を絶やすことのない吸血鬼のような女が、猫が立ち寄りそうな場所を見て回る。
成果一つなく、口に出すのは憚られるもやはり脳裏には浮かぶのは
ジャレの最後。
にゃあ
にゃあの話しはしてくれるなと、
空気を介して感じ取れるようになったこの頃
こちらも努めて
ヤツの話題は口にすることは
無くなった。
看板の灯りが灯ることのない
マスターのお店で落ちあうと
出番のなくなったカクテル用の
オレンジジュースを出してもらう。
私は、身内が作った流行りアニメの衣装の柄と同じ布マスクをマスターに手渡して目的を達成すると、
にゃあのことは聞くもんかと
同じ柄のマスクをして足速にサヨナラした。
20時過ぎの街は、やはり活動をとめていて大型スーパーの駐車場も関係者と思しき車が2台見えるだけ。
この光景も見慣れ季節は
八月
どこかの海上で台風の目が現れた
お知らせと共に吉報が舞い込んだ。
14へつづく