見出し画像

NPB球団別・ポスティングでの獲得金額ランキング

※記事中の人名は全て敬称略

12位 福岡ソフトバンクホークス 0円

 言うまでもないが、ポスティングを認めていないソフトバンクが最下位である。

 ただ、このチームから渡米した選手は少なくなく、井口や城島を筆頭に過去5人存在する。これはポスティングを容認する広島と同じ全体8位だ。

11位 読売ジャイアンツ 約1億3970万円

 長らくポスティングによるメジャー移籍を認めていなかったが、山口俊の容認によりその扉が開いた。

 今オフに菅野智之(ボルモチア・オリオールズ)が移籍したことによりアメリカに直接挑戦した選手(NPB球団の所属が挟まらない意)が10人となり、初めて二桁に到達した球団となった。

10位 中日ドラゴンズ 約1億4200万円

 2003年以来、22年ぶりのポスティング利用による移籍が起こった中日。11位巨人との差はほぼ無く、同率と言っていい。

 加えて中日は23年オフ終了時点でアメリカに直接挑戦した選手が3人と最も少なかったが、小笠原慎之介(ワシントン・ナショナルズ)が移籍したことにより、楽天と同率の最下位となった。

9位 千葉ロッテマリーンズ 約6億7600万円

 佐々木朗希(ロサンゼルス・ドジャース)の25歳ルール適用で今オフ話題を集めたロッテは、その他では西岡剛のみがポスティングを利用している。

8位 横浜DeNAベイスターズ 約16億8400万円

 ポスティングシステムが始まって以来一番長く申請が無かったDeNAは、その暗黒時代を打ち破った象徴の一人である筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)が第一号となった。昨年オフには今永昇太(シカゴ・カブス)が渡米し、オールスタープレーヤーにもなった。

7位 東北楽天ゴールデンイーグルス 約21億円

 表というより田中将大(読売ジャイアンツ)の譲渡金画像である。楽天は創設以来4人が直接海を渡っているが、ポスティング利用による移籍は田中だけである。たった一人で中位につける田中の実力が恐ろしい。

 しかも田中が移籍した当時、ポスティング移籍による譲渡金は2000万ドルに制限されており、田中は満額となっている。今の計算方法(契約総額に比例する方式)であれば2300万ドルほどだったのではないだろうか。 

6位 東京ヤクルトスワローズ 約21億8950万円

 7位の楽天と1億も差がないため、恐らくレートなどを考えると逆転してもおかしくない。同率くらいである。

 2000年代前半に海を渡った石井一久岩村明憲と2010年代を駆け抜けた青木宣親。いずれも球界を代表する選手だ。その一方で、それ以降ポスティング利用で移籍した選手はいない。ヤクルトは24年オフ時点でメジャー移籍による選手流出が最も長い間起こっていない球団になった(ポスティング利用に限れば昨オフまで中日が最長だったが、小笠原の移籍によりこちらも最長に)。

 ちなみに申請だけなら2015年にトニー・バーネットが行っている。いずれにせよ、来オフに村上宗隆が移籍する可能性があるためこの記録はすぐに塗り替わるだろう。

5位 阪神タイガース 約30億8800万円

 青柳晃洋(フィラデルフィア・フィリーズ傘下)の譲渡金がまだ報じられていない(今後変動する可能性あり?)が、順位変動ほどの金額にはならないと見込まれている。是非逆境を跳ね返してメジャー契約を勝ち取ってほしい。

 井川慶の譲渡金がほとんどを占める状況。藤浪晋太郎(シアトル・マリナーズ傘下)は金本政権時代に渡米していれば数倍以上になっていたのかもしれない。


4位 広島東洋カープ 約41億2800万円

 日本人右打者としては史上最高クラスなのになかなか大谷にお株を奪われがちな鈴木誠也(シカゴ・カブス)、手術を乗り越えメジャーに生き残り続ける前田健太(デトロイト・タイガース)と投打に印象深い選手を輩出。

 で、ケサダとは誰か。調べて初めて知ったが、この選手がNPBにおける初めてのポスティング利用者らしい。カープアカデミー出身で、広島では1年のみプレーしたのち渡米。ただ2Aまでしか昇格できなかったため、ポスティング利用でメジャーリーガーとなった初めての選手はイチローということになる。祝殿堂入り。

3位 北海道日本ハムファイターズ 約63億912万円

 端数の「2」について深く言及したいが、ここでは辞めておく。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の38億、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)の23億が全体の殆どを占める。

 大谷は25歳ルールによるマイナー契約であったことで年俸が低かったが、この時期は譲渡金も上限が2000万ドルに制限されている時期である(大谷は満額)。大谷があと数年待っても譲渡金はさほど変わらない、という状況だったことは推して量るべき部分だ。

2位 西武ライオンズ 約72億9750万円

 FA流出で苦しむ西武は、ポスティングフィーはかなり取れている方である。が、その大半は2000年代の松坂大輔によるもの。左腕エースである菊池雄星(ロサンゼルス・エンゼルス)も11億を残している。なお、FAによるメジャー移籍は二人(松井稼、秋山)である。

1位 オリックス・バファローズ 約106億8350万円

 日本人として初めてポスティング制度を利用したオリックスが通算首位。近年のインフレに強く影響を受けた結果となり、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)が70億円と7割弱を占める。吉田正尚(ボストン・レッドソックス)はこの契約金を見ると現地メディアの強い批判も頷ける。頑張ってほしい。

最後に

参考
コトバンク ポスティングシステム

日刊スポーツ ポスティングシステムで移籍した日本人選手/一覧


いいなと思ったら応援しよう!