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リタイア後の自分を想像したけどリタイアしそうになかった #シロクマ文芸部

働いてた頃はあんなんじゃなかったのにって、
リタイアした途端に「ダメ」になっちゃう話はよく聞く。

長女を妊娠したとき私は横浜でOLをしていた。
8か月まで仕事して、さあベビーを迎える準備をしよう、
まずは部屋の模様替えだーーー、って意気込んだけど
3日で飽きたことを覚えている。
狭いアパートだし、大きなお腹で1人でやれることには限りがある。
が、ほんとのトコはそうじゃなく、家にずっと居て同じ事をし続けるのが向いてないのだ。やれば際限なくある家事だけど私にとっては「家事」と一括りで同じことをひたすらしている感覚になってしまう。

あれから35年ほど経った。
今の私が仕事をやめたら家や庭のことに集中して取り組めるんだろか。

とりあえず牛乳と食パンをカゴに入れ
精肉コーナーで鶏肉をじっと見てるだけ
それでも晩げのメニューが思い付かなくてテキトーに
目についたものを買って
ほせりが慌ただしいのも思ったほどおかずの数がないのも
刺し子がなかなか進まないのも
買った本に挟んだ栞がいつまでも同じページにあるのも
畑が草ボーボボーなのも

仕事がなければそんなことに負い目を感じる必要はなくなる
・・・かもしれないけど・・。

考えてみると「もっと時間があったらな」と思っているときの方が
時間のやりくりをしている気がする。
1日の中に区切りがいくつかあるからだ。
私にはある程度の「時間の制約」があった方が
気持ちにも体にもいいみたい。

何歳まで働くか、年金をいつからもらい始めるか。
そんな話を夫婦でするようになった。
職場に不平不満のない人などそうそういない。
前職場の友人の愚痴を「未だにあそこ変わってねーな」と思い聞いている。
自分だってあーだこーだつい不満を並べてしまう。
それでもまだしばらくは夫婦ともどもお互い今の職場で働き続けることになるだろうな。

#シロクマ文芸部
お題「働いて」

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potesakula
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