街裏ピンク漫談書き起こし 2/7冗談手帖

よろしくお願いします〜、どうもね。
街裏ピンクと申します。

あのちょっと突然なんですけどね、
朝丘雪路さんってご存知ですかね?

えー、あのもう82歳でいらっしゃってですね、
もうベテランの大女優さんなんですけども、
この朝丘雪路さんがですね、
先月、
単独ライブをやるということでね、
えー、第8回、朝丘雪路独演会
全てカタカナ表記で
スバラシキネイロというタイトルでね、
行うと。
絶対行かなあかんやん!

前売り2200円、
安いよね。
えー、でね〜、もう雪路さんですから
もっと大きな劇場でやるのかなと思ったら
意外とそこはですね
下落合のタックス1179っていう
130人も入れば満杯になるようなところで
もうプレミア感出してやると。
先月一人で行ってきたんですよ。

もう、当日ね、僕開演の5分前くらいに着いたんですけどね、
僕結構ね、その人が開場中のBGMとかで、
なんの音楽流すんかなってチェックしたりもするんですよ。
あの〜、
ジブラでした。
ほんとにビックリしましたけども。

でね、開演になったって、
ほんならね、最前列にいた女のお客さんが叫ぶんですよ。
「ちょっと!私の隣の女の人が気失ってるんですけど!」って。
そしたらスタッフの人が、
バーッって3人くらい駆け寄ってきたんですけど、
そしたら気失ってた人がね、
「違うの!私気失ってたんじゃないの!
 私昨日からこのライブ見るのたのしみでね、
 もう昨日寝れなかったから
 今ちょっと寝落ちしちゃってただけよ!」って。
で、その人がパッと振り返ったら、
雪路さんご本人なんですよ!
客席、ウォー!盛り上がりまして、
そりゃ演出嬉しいよね、ファンやったらね。
ほんでゆっくりと雪路さんがドレス着ながら上がっていくんです。
センターマイクが1本立ってるんですけど、
15分くらいの漫談をですね、
やってくれましてですね、
とんかつよりもチキンカツのほうが
どうのこうのみたいなネタやったと思うんですけど、
結構スベってましたね。

ただですよ、特筆すべきは最後の演目、
これを見れただけでもほんまに来れてよかったと思った。
あの、暗転の中、赤いスポットライトだけが舞台を照らしてる。
その中で雪路さんが、全身迷彩の軍服を着てましてですね。
マシンガンを持ってこうやって立ってるんですよ。
アァーー!という空襲サイレンがものすごいいい音で鳴り響く。
それをかき消すくらい大きな声で雪路さんが、
「世の中にあるすべての演芸場をぶっこわせー!」
って言うんですよ。
その瞬間袖からウァー!とでっかい戦車が
うわぁーっと、作り物ですよ!出てきて、
よく見ると戦車のボディにぶわぁーっと
写真が貼ってあるんですよ。
よく見るとたけしさんまタモリというテレビを賑わせた大スターの写真から、
談志枝雀米朝などの昭和の演芸場を支えた舞台芸人までの
数々の芸人の写真がですね、
その戦車のボディを隠すくらいにベタベタベタベターっと
貼ってるんですよ。
そんな戦車がウァーっときまして、
いとも簡単に雪路さんを轢き殺すんですね。
その瞬間でかい笑い声ががドーン!と起こって、
スタンディングオベーションになった。
俺も本当に鳥肌が立ったし、
本当に来れてよかったって思ったけれども、
雪路さーん!
近々追い越しますよ。

読んでくれたらありがとうございます。 サポートしてくれてたらありがとうございます。