かなえたい夢と現実の壁
考古学者になりたい。
偶々テレビでエジプト特集か何かを見ていた時、
5歳児だった僕は「大人になったらこの人達みたいになりたい」と画面の中で一生懸命に遺跡の周りで作業している人達に漠然と憧れを抱いた。
そして、そこから数十年後の今、
くたびれたワイシャツに袖を通して
これまた擦り減った革靴と眠そうな目をして通勤ラッシュの人に揉まれながら毎日駅に行く僕がいる。
いや、考古学者の夢どこ行った?
ってなるんですけど
ええと、まあ、簡潔に述べると
〈考古学者になるためには決意が欠落していた〉
これに尽きます。
夢というのは憧れを抱いた時から
誰に否定されようが自分の意思を曲げなかった人だけ夢に向かって走れると思ってます。
「考古学者になるって言語はどうするの?」
「英語以外にも話せないといけないよ?」
「儲かる職なの?老後の蓄えどうするの?」
「なかなか日本に帰れないんじゃない?」
「もし考古学者になれなかったら潰しはきくの?」
色々な方面のその場限りの軽い言葉を受けて
僕は考古学者という夢をいとも簡単に手放してしまいました。つまり、それだけの熱意だったということです。
さて、日々を仕事に忙殺されて
きっとこのまま平均的な人生で死んでいくんだろうな…と思っている今日この頃、ささやかながら夢があります。
正直“夢”と語るには些か小さなことなのですが…心が落ち着ける自分好み部屋を作りたい
今はその一心にいます。
幸いなことに自宅は賃貸ではないので
壁に穴を空けようが天井にアンカーをブッ刺そうが誰にも咎められない環境にいます。
部屋を素人ながら改造して今までに収集してきたグッズを並べたい…
好きなもので部屋全体を埋め尽くしたい
鑑賞部屋を作りたい!!!!!
「〇〇なんだからこういう漫画見ないで頂戴」
「もう〇歳なんだからアニメは卒業しなさい」
「ゲームなんてくだらないもの…」
「パソコンは毒!叩き割ってやる!」
これらの言葉を押し除けて
なお好きでいられるゲーム、アニメ、漫画、
ニコニコ動画、YouTube…
それらは自分の中にある確かな熱意であり
今や核となり得るところまで来ました。
昔描いた夢とは内容もスケールも違いますが
鑑賞部屋を作る…
これも夢なのは間違いありません
それが自分の現状の夢であり
夢に向けて電動ドライバーを購入したり
現在大忙しにあります。
◇◇
億万長者になりたい
医者になりたい
プロ野球選手になりたい
宇宙飛行士になりたい
考古学者になりたい
海外に移住したい
世の中には様々な夢があると思いますが
現実の壁に押しつぶされない範囲で
妥協しながら叶えられる夢を追うことも
一つの手段ではないでしょうか
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