片恋
はじめに
2000字のドラマ 募集時に書いたシナリオを加筆修正したものです。
縛りがないのであちこち書き直し+書き足し。
出来栄えはともかく、すごく楽しくてつらつら書きました。
3人の男性の関係性と、誰が片恋なのかを見ていただけたら嬉しいです。
登場人物
S1:伊藤が勤めるオフィス(日中)
女1「(資料を片手に)これ誰のコピーですかーー?」
伊藤「(しばらく気づかず間)あぁごめん、オレだ。」
女1「あれ、これ資料先週のじゃないですか?」
伊藤「(資料を確認)あ、間違えた。」
女1「あと今週は共有で出すから資料不要ってメール書いてありましたよ。あ、事前チェック。」
伊藤「(苦笑いで)いや、違う。普通に間違えた。」
女1「伊藤さんなんか今日らしくないですね。」
伊藤「昨日あんまり寝てないからかな。コーヒーでも買ってくるよ。」
S2:社外の自販機(日中)
伊藤「(短めに息をフッとはき少し上を向く)らしくない、か。」
S3:居酒屋(夕方)
高山「わりぃ!遅れた!」
男1「おー遅えよ!ってえ、子連れ!?」
高山「嫁が仕事終わんないみたいでさ。お前らの顔も見たかったしちょっとだけ来た!」
藤沢「久しぶりー元気?」
高山「おーー!藤沢!(藤沢の横に座る。)お前元気?じゃねぇよ。メール返せよ!元気なメールはオレずっと送ってんじゃん。むしろお前が元気なのかって話だよ。」
藤沢「元気元気ーちょっと高山構うの面倒だからスルーしてた。」
高山「(笑いながら)マジかお前、それはひどすぎだろ。あ、あれか!カリスマ店員はモテにモテてオレのメールなんて返す暇ないんだろ。」
藤沢「(笑いながら)何それ、普通にアパレルショップの雇われ店長なだけですけど。」
高山「いやでもあいつらに聞いたら(教えてもらったらしい他の同窓会メンバーを指さし)最年少店長らしいじゃんか。すげーな。」
藤沢「いや人足りないだけだしほんと雇われだから。(高山の子供を見つつ)高山はイケメンにイクメンも加わって最強じゃん。」
高山「変な韻踏むな(笑う)。」
藤沢「(子供に)こんばんは、高山の友達の藤沢です。」
子供「こんばんは。」
S4:居酒屋近くの公園(夜)
高山「ありがとな藤沢。」
藤沢「ううん、全然。明日も仕事だし、そろそろ抜けようかなと思ってたから。ちょうどよかった。」
高山「助かったわ。」
藤沢「奥さんから?」
高山「そう、仕事ひと段落したらしい。同窓会だったのにごめんって。謝んなくてもいいのにな、頑張ってんだからさ。(子供に笑顔で)さーーー帰るか!」
子供「いやだ、まだお兄ちゃんと遊ぶ!」
高山「もうママ帰って来るから、駅まで迎えに行こう。」
子供「えーーー。」
高山「お前すごいな、一瞬で懐いてるわ。」
藤沢「まぁねーカリスマだから?(笑う)」
高山「ははっ!」
藤沢「奥さん、忙しいんだ。」
高山「(苦笑いで)そう、体壊さねぇかが正直心配。(子供の顔を見ながら)ぶっちゃけ今日ほんとはこっち顔出すのやめようかなと思ってたんだけどな。でもあとで俺が行けなかったこと、気にするだろうから。」
藤沢「何だ。こっちはついで?」
高山「いやそういうわけじゃねぇけど!」
藤沢「ははっ、わかってるよ。(少し間)奥さん思いなんだね。」
高山「(照れつつ)まぁなー。お前こそどうなんだよ彼女とか。」
藤沢「さぁ?どうでしょう。」
高山「ほんと昔っから秘密主義だなー。じゃー行くわ。お前ちゃんと連絡よこせよ!(子供と手をつなぎながら歩き始め、藤沢に手を振りながら笑顔で)じゃあな!」
藤沢「気が向いたらね(笑顔で手を振る)(子供にも)ばいばーい。」
子供「(笑顔で)ばいばーい!」
S5:帰り道(夜)
S6:居酒屋近くの公園(回想)
藤沢「パパとママのこと、好き?」
子供「うん、大好き!!」
S7:帰り道(夜)
藤沢「あ、もしもし?」
S8:帰り道(夜)
S9:帰り道(夜)
伊藤「同窓会早かったな。」
藤沢「あれ、明日仕事だから早めに帰るって言わなかったっけ。」
伊藤「言ってたか?」
藤沢「言ったよ。何、なんか昨日かららしくないじゃん。ぼーっとして。」
伊藤「お前がそれ言うか。」
藤沢「え?」
伊藤「(しまったという感じで)あ、いや。」
藤沢「え?・・・(思いつき)あ、何。もしかして同窓会行くの心配だったとか?ヤキヤキしちゃった感じ?」
伊藤「何だヤキヤキって。」
藤沢「やきもちってこと。」
伊藤「わかんねーよ。」
藤沢「わかれよー。」
伊藤「(藤沢の顔を見る)大丈夫だったか?」
藤沢「(伊藤の顔を見る、少しの間)あぁそっか、そういう心配か。」
伊藤「見かけによらず繊細だからな、お前。」
藤沢「(笑いながら)見かけによらずは余計でしょーー?」
藤沢「(少し下を向きつつ考えたあと、後方の伊藤を少し見ながら)全然大丈夫なんだよ、もうとっくに、そんなの。(少し上を向いて)やっぱかっこいいなーとは正直思っちゃったけど、思っただけで。行動に移す何かじゃないっていうか。
思い出に、ちゃんと昇華してた。
あの頃の若者は、結構ちゃんと大人になってますよ。」
伊藤「そうか。」
藤沢「それに・・・こうやって心配してくれる人が?傍にいてくれる今が?幸せですし?」
伊藤「(クスっと小さく笑い)全部疑問形よせ、自信無くす。」
藤沢「あははっ・・・(伊藤を振り返って見つめて)ありがとう。」
藤沢「さ、帰ろ。」
伊藤「おう。」
書き終わった後のつぶやき
公開してしばらくたったし、
もう誰も見ないだろうと思ってるのでこそっと書きます。
この登場人物3人は推しのVtuber君たちを何となく頭に浮かべつつ書きました。
あくまでふんわりだけど、脳内では彼らが演じてます(笑)
やってくれないかなー。(超小声)
書くだけタダだから書いとこー。