僕が地域おこし協力隊を辞めたわけ④
はじめに
この記事は、北海道が好きすぎて移住し、道内のとある自治体で地域おこし協力隊として採用されたものの、たった半年で辞めた僕の体験を書いていきます。
この記事を通して、現役協力隊の方やこれから応募を検討している方、また、募集する自治体や地域の方にとって少しでも参考になれば幸いです。
前々回からは、実際に地域おこし協力隊として採用された僕の体験談に入りました。前回は勤務初日にして業務内容が改変されていた件と名刺に関するお話でした。
↓前回 あれれー?業務内容が違うゾお〜?
今回は上司との直接対決編!
今後の業務について話し合う機会を得た僕が、家賃や情報発信について疑問点をぶつけたところ驚きの返答が!一体どうなる!?
本編に入る前に、自治体には僕自身に対する悪意等は一切ないということと、役場の方々も良い人ばかりであったこと。そして、あくまでもこれがこの地方自治体にとっての普通であるということを明記しておきます。
そして苦しい生活で心が病んでいたとき、町民の皆さんとフォローアップに来てくださったAさんには本当に助けていただきました。この場で心からお礼申し上げます。
上司から語られた驚愕の返答!
さて、はじめの頃は挨拶回りなどへ連れて行ってくれた直属の上司はとても忙しい案件を抱えていたようで、4日目以降に話す機会はほぼありませんでした。
かと言って僕のすべき業務についての説明もありません。
僕はてっきり、近日中に上司から業務内容についてのオリエンテーション的なものがあると思っていたのですが、初日に「町の情報を読み込んでおいて」と資料を渡されてから何のアクションもないまま1週間が過ぎていました。
勤務開始1週目で完全なる放置プレイへと移行したわけです。
痺れを切らした僕は、業務の方向性を決めるために上司の方と話し合う機会を設けてもらうことにしました。
押さえた会議室に集まっていただいたところ、「話し合う内容の資料を配って」と上司。
え?何それ初耳。説明が欲しいのはこっちなんですが、、、
とは思ったものの、急いで「地域おこし協力隊のフォローアップの方に頂いた資料」を印刷し持って行きました。
忙しい中集められた上司には苛立ちの色が見え、少しばかり会議室の空気が悪くなるのを感じながら、僕は話し始めます。
(会議にレジュメを用意するのは当然であり、何の指示も出されていないとは言え、上司を集めておきながらそれを用意していない時点で、落ち度は僕にあります。反省)
いよいよ話し合いが始まりました。素直にズバッと切り込みます。
まず業務内容を確認したいのですが、役場は僕に何を求めていますか?
上司A「特にやってもらう仕事やその予定はない」
終
制作・著作
NHK
どういうこと!?驚愕の返答に何を言われたのか理解できず暫し唖然としますが、これぐらいで僕は折れません。
と、とりあえず、この町の地域おこし協力隊の公式アカウントという形でSNS活動を始めようと思うのですが
上司A「あなたの任期後は一体誰が引き継ぐのか。役場職員の負担が増えることはしたくない。やるのなら個人的にして」
終
制作・著作
NHK
だからどういうことだってばよ!?俺の仕事はSNSを使った情報発信業務じゃなかったのか!?それでも僕は負けません。
で、ではなぜ僕を雇用したのでしょうか
上司A「仕事はなかったけれど募集をかけていたら、あなたの応募があったのでとりあえず採用した」
終
制作・著作
NHK
いや、だからどういうことwwwもはや衝撃的過ぎて笑けてきます。
仕事がないなら最初から採らなきゃいいのにという至極当然な考えが浮かびましたが、これが「この場所の常識」であり「普通の考え方」なのだと自分に言い聞かせ、極めて画期的なこの価値観を生唾と共に飲み込みました。
この際言ってしまえとあの問題を口にします。
あ、あの、家賃が高過ぎてこのままだと生活が苦しいのですが、任期中だけでも職員住宅扱い(6000円)にしていただく事はできないのでしょうか
上司B「ふざけるな(激怒)」
終
制作・著作
NHK
・・・チーン。
試合終了!試合終了です!!流石にこれはもうやってらんない!!!
まだ1週間だけど、この自治体の底が見えた気がします。
1年で辞めよう。少なくとも2年目は絶対にない!という事を堅く心に決めて、話し合いは終了。
(NHKネタを多用し過ぎました、NHKさんごめんなさい汗)
上司の言葉の意味を考える
デスクに戻って冷静になった僕は、上司に言われたことを、ここの常識に当てはめて考え直すことにしました。
少なくとも後一年、この場所で働き続けるためにはここの考え方を理解する必要があるから、ということと、もしかしたら上司の言葉には今の僕には理解できないとてもとても深い意味や理由があるかも知れなかったからです。
まず、上司「役場でやってもらう仕事や予定はない」という言葉。
以前の面接編で書いたように、僕は将来の起業を目指す地域おこし協力隊として採用されました。
とするとこれは
「自分で課題を見つけ起業に向けて自由にやっていい」
という意味だったのではないでしょうか?おお、そう考えるといい感じ。なるほどなー。深い。深過ぎて、深海。
じゃあ次の言葉。
上司「あなたの任期後は一体誰が引き継ぐのか。役場職員の負担が増えることはしたくない。やるのなら個人的にして」
確かに新しい業務が増え、通常業務の負荷となるのは役場としては避けたいところ、保守的ではありますが、至極真っ当な意見です。
情報発信業務として雇用しておきながら公式SNSを開設する許可も貰えないのかと憤慨もしましたが、ここの考え方に合わせると
「公式SNSをやるなら、そのための制度や体系を一から整備しろ」
ということでしょうか。でもそれって協力隊がすべき仕事なのかな。もっとそれ以前の、なんて言うか協力隊を受け入れる以前に整備しておくべきことのような気がします。
そもそも「個人的にやって」と言われている時点で、初めから深い意味なんてない気がしてきました。
何だか雲行きが怪しいですが、次の言葉にいきましょう。
上司「仕事はなかったけれど募集をかけていたら、あなたの応募があったのでとりあえず採用した」
うーん、やっぱりこの考え方はわからない!
上司「ふざけるな(激怒)」
これに至ってはただの怒号。。。
言葉のニュアンスとしては図々しいという意味で使われていましたが、なぜここまで怒られたのか、本当に分かりません。
順当にいけば毎年昇級していく職員と違い、協力隊の雇用は最長3年間です。安定していて給料も良い正職員は6000円で住める住宅があるのに、3年後には一切の保証がない上に給料も最低限の協力隊には49000円の住宅を平気であてがう。これがこの自治体の普通なのだと。
やっぱり上司の言葉に深い意味は無かったようです。
ですがそれならば、僕のような協力隊はこの町で一体何が出来るというのでしょうか。
地域の問題を解決しつつ、退任以降自治体への負担がない活動とは何なのでしょう。。。
僕の地域おこし活動は始まる前から暗礁に乗り上げ、いや、海に出ることすら出来なくなってしまったのです。
今回のまとめと次回予告
最後まで読んでいただきありがとうございました。
いやー激しい回でしたね。文字数も今までで一番!お疲れ様でした。期間としては、これでまだ1週間ちょっとですからね。笑
さくっとまとめをしちゃいましょう。
・使命はあるが、具体的な業務は一切ない
・公式SNSを使った情報発信は事実上不可能
・地域の問題を解決しつつ、自治体への負担をかけてはいけない
・家賃や待遇の改善はできない
急にハードモードになった今回。次は休憩も兼ねて軽めの小話です。
では次回、
「赴任してから1ヶ月の間、灯油が入った水を飲み続けていた話」です!
お楽しみに〜!
↓灯油を飲み続けていた話
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