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僕が地域おこし協力隊を辞めたわけ①

はじめに

この記事は、北海道が好きすぎて移住し、道内のとある自治体で地域おこし協力隊として採用されたものの、たった半年で辞めた僕が考えた事を書いていきます。

あくまでも個人的な考えや意見にはなりますが、協力隊の制度や受入れ自治体、そして僕自身の過失についてきちんと文章化することで、自分の中の整理と応援してくださった方々への説明とし、現役協力隊の方これから応募を検討している方、また、募集する自治体や地域の方にとって少しでも参考になれば幸いです。

今回は、ざっくりと地域おこし協力隊とはどんな制度で、どんなメリットがあるのか。そして、6割以上ともいわれる任期後の定住率について書いていきたいと思います。あ、今回は僕の話はほとんどありませんね(笑)

地域おこし協力隊とは

まずはじめに、地域おこし協力隊とはなんなのでしょうか。

都会から来てなんだか色々なことをやっている人というイメージの方が多いのではないでしょうか。

かくいう僕もそう思っていた1人。ぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。といってもその認識で大体あってます。

協力隊制度について詳しいことは省きますが、簡単なポイントだけまとめまてみます。詳しく知りたい方は総務省サイトへ(結局何を言っているのか分からなかったり、内容が統一されていなかったりしますが)

1. 総務省が推進している制度で、隊員の活動経費は国から自治体へ特別交付税として支払われる。隊員一人当たり最大440万円(うち報償費240万円、その他経費200万円)
2. 制度の目的は、意欲のある人材の地方自治体への移住を促し、地域の問題解決に取り組みつつ、副業や起業を通して3年後の独立及び地域への定住を目指すこと。
3. 給与や雇用条件等は採用された地方自治体によって異なる。雇用関係があるパターンと依託のパターンがある。雇用関係がある場合は地方公務員法が適用されるため、副業等の制限がある。
4. 任期終了後に起業等を行う場合、助成金を得ることができる。

と、まあ、簡単にいうとこんな感じです。ではこの制度、自治体と隊員双方にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

地域おこし協力隊のメリット

自治体にとっては、
「都市部からアイデアや意欲のある人材を負担なしに雇用でき、隊員の数だけ人口増加に繋がる」メリットがあります。
一方、隊員にとっては、
「自治体に雇用されながら任期後の定住に向けた準備ができたり、任期後の起業時に助成金を得られる」というメリットがあります。

一見するとどちらにとってもWin−Winな良い制度のように思えます。

実際、地域おこし協力隊に関して調べていると、隊員が地域を盛り上げようと活躍している記事や体験談を多く目にします。これは地元の理解自治体のバックアップ、何よりも隊員自身の努力が生み出した素晴らしい成果だと思います。

しかし、活躍する隊員が目立つ一方で、隊員と自治体とのミスマッチや、心や身体を壊して任期途中で辞めてしまう隊員も多く、そういったマイナスの体験談もネット上には溢れています。

それでは地域おこし協力隊に採用された人たちのうち、一体どれだけの人が定住を続けているのでしょうか。

協力隊任期後の定住率

総務省等のサイトでは、隊員の任期終了後の同地域への定住率が約6割とされています。6割という数値は一見すると非常に高い割合に思えます。

しかし、この数字は「少なくとも一年以上活動した隊員」を分母としているため、僕のように任期途中(1年未満)で辞めた隊員は含まれていません。

また、この定住率の中には活動していた場所の近隣の自治体に移住した隊員も含まれています。その自治体での活動に関係があった場合もあると思いますが、本来の活動地に定住できなかったと考えると、地域おこし協力隊の成功数値として扱うのは少し違うようにも感じます。

そこで総務省が公表している令和元年の数値から、1年未満に退任した隊員を含め実際にその活動地に定住している割合を算出した結果が以下です。

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僕が知りたいのは、活動した自治体に移住した純粋な割合なので、分母は退任者全体、分子は活動地域限定としました。

その結果は43%となり、総務省の数値より2割ほど低いことがわかりました。この数値は年度末時点での数値となるため、それ以降の転出などは考慮されていません。あくまでも年度末時点での最大値です。

また過去(平成28年度)のアンケート調査では回答者の26%が出身地と赴任地が同じであると答えており、地域おこし協力隊をUターンの一時的な就職先として利用している人も一定数おり、その数値が退任後の定住率に大きく貢献していると考えられます。

以上のことから、実際に他地域から協力隊として移住し、その後定住した割合は43%より小さいはずです。

そして何より問題なのが、採用後1年未満で退任した隊員845人もいるという事実です。

単純に平均値をとると、前年度の受入れ自治体1061団体のうち、8割近い自治体で隊員が1年未満で辞めている事になります。(一応繰り返しますが単純な平均値での話です。)

離職の理由は人により様々あるとは思いますが、この数値の中にこそ地域おこし協力隊の制度や受け入れる自治体が考えなければならない改善点が隠れているように思えてなりません。

次回からは、実際に地域おこし協力隊として採用された僕が、どのような経緯、理由で半年という期間で辞める決断に至ったのか書いていきたいと思います。

もし良ければまた読んでくださいまし。

↓僕が地域おこし協力隊を辞めたわけ② えっ!?私の家賃、高すぎ!?


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