【紹介数だけで判断するのは時代遅れ!?】注力エージェントの選び方
こんにちは!ポテンシャライトです!
採用パートナーとして採用支援をさせていただいているお客さまから下記のようなお悩みをご相談いただくケースが多いです。
おそらく会社規模やフェーズに関わらず多くの採用担当者さまは経験があるのかもしれません。こちらの事象に対して、私は他の職種同様に「直近の紹介数」から選定しようと思っていました。
ただ採用成功にあたって「紹介数」だけでは本質的な注力エージェント選びができないのではないかと思いました。つまり、紹介数以外の変数も加味した上で選定したほうが本質的なのではないかと思い、本ブログを執筆いたしました。
1. エージェントの善し悪しを"紹介数"だけで判断してはいけない背景
皆さまご存知の通り、エージェントには各社様々な特徴や特性があります。
まずは一概に"紹介数"だけでは判断してはいけない背景をお伝えいたします。
以前弊社が公開した以下のブログをもとに説明いたします。
1-1. エージェントの「特徴」
エージェントの「特徴」にはどのような違いがあるのか、以下の表をご覧いただきながら説明していきます。
上記の通り、大きく3つに分類できます。
ここまでは各社の「特徴」を記載しましたが、「特徴」だけでなく「特性」を知ることが重要であると思います。
1-2. エージェントの「特性」
エージェントは「数字文化」が強い傾向にあります。つまり「売上目標」「KPI目標」に対しての管理をする強度は高い業界です。他業界と比較してもその文化は強いのではないかと思います。私も実際に人材紹介会社に勤めていたのですが、身を持って感じていました。
なぜ人材紹介会社は「数字文化」になったのか?あくまで私の予想に過ぎませんが、その背景には、リクルートさまの存在があるのではないかと思っています。
日本で早いタイミングで人材紹介事業を開始したと思われるリクルートでは、何名人材をご紹介すれば何名が書類選考を合格し、そのうち何名が1次面接に進み、何名が内定を獲得できるのかをファネル分析のように算出し、日々の行動数値に落とし込みを、早期に取り組んでいたのではないかと思っています。
世の中にはあらゆるビジネスが存在しますが、人材紹介は「成果報酬」になります。そのため、入社決定を創出することができなければ売上を創出することができません。そのため、入社決定までの「プロセス」は「ボランティア」と言い換えることもできるのです。
そのため、会社として存続をするのであれば必ず入社決定を創出しなくてはなりません。そのため、プロセスであるKPIに厳しいのは当たり前といえば当たり前です。
そして、その数値管理については他の人材紹介会社にも浸透をしていったのではないかと思います。
話を戻します。
上記のファネル分析において、会社によってどのフェーズ(工程)に「KPI」を設定するかによって、その人材紹介会社の価値観を垣間見ることができます。
※そもそもKPIとは何か?という点については、説明すると長くなってしまうため今回は割愛。
詳しく知りたい方は下記URLをご参照ください
では、KPIの設定フェーズごとの人材紹介会社の特色を見てまいりましょう。
上記のように各社によってKPIの設定フェーズが異なります。そのため、各人材紹介会社が設定しているKPIによって、採用企業さまからのフィードバックを含めたコミュニケーションを変えたほうがいいです。
余談ですが、上記に伴い 私自身が様々な人材紹介会社とお付き合いさせていただいている中で傾向が見えてきたので、アウトプットできればと思います。
上記から会社規模が大きくなればなるほど、従業員が多くなればなるほど「質」よりも「量」を追う営業スタイルへと移り変わっていくことが予想されます。
1-3. 業種・職種・レイヤーによっても異なること
上記特徴や特性以外の観点からも紹介数の増減は考えられます。そのひとつの観点に募集職種の「職種」や「レイヤー」からお伝えいたします。
以前私が公開した以下ブログから一部抜粋します。
職種やレイヤーごとに紹介数がどのくらい変化するのか、以下の表をご覧いただきながら説明いたします。
各職種と年収レンジ(レイヤー)を縦と横軸に設定した上で採用難易度はどのくらい異なるのかを表した表です。数字が高くなればなるほど(表の色が濃くなれば濃くなるほど)難易度が高いことを表しています。
※採用難易度はパーソル社(DODA)が公表している有効求人倍率参照
つまり、「職種」や「レイヤー」によって難易度に変化があるからこそエージェントからの「紹介数」の増減も生じてきます。
ハイレイヤー層の職種は難易度が高く、母集団も少ないので紹介数が少なくなる。一方、未経験採用など比較的採用難易度が低く、母集団が多い職種においては紹介数が多くなる傾向にあることがわかります。
2. 注力エージェントを選ぶ上での2パターン
前項を踏まえた上でどのような角度から注力エージェントを選べばいいのかを説明していきます。
まず前提として「シリーズA」や「シリーズB」などの「アーリーフェーズ」に属する採用企業様と年間採用人数100名を超える「大手企業様」とで注力エージェントの選び方は変わってくるかと思います。
例えば、大手企業ではこれまでの採用実績から「このエージェントからの紹介が多い」など実績の数字をもとに注力エージェントを選ぶことができますが、採用活動歴が浅い「アーリーフェーズ」に属する企業様ではその採用実績がありません。したがって、以下2パターンの選び方があります。
(1)は主に「大手企業様」が該当し、(2)については「アーリーフェーズ」に属する採用企業様が該当します。つまり、(2)は(1)のように過去の実績から導いた紹介の再現性がないため、各エージェントのポテンシャル(Will)から予測し、注力エージェントを選ぶ必要があります。
3. 注力エージェントの選び方①
3-1. 書類選考「通過数」から紐解く
次に前項で記載した「過去の採用実績から選ぶパターン」の中でもどのような「数」をもとに注力エージェントを定めればいいのかをお伝えします。
今回フォーカスするのは書類選考「通過数」です。
各エージェントの特徴や特性により書類選考「通過率」には違いが生じますが、「通過数」は特性や特徴に囚われないひとつの判断基準としてどのエージェントにも共通する数となるためです。
例えば、上記A社とB社の2つのエージェントがあるとします。紹介数のインパクトには大きな差がありますが、実際に選考に進んだ人数や採用決定可能性はA社もB社も同等であることがわかります。したがって、書類選考「通過数」にフォーカスして注力エージェントを定めていきます。
3-2. 採用決定に至るまでのインパクト
詳細はこちらのブログをご覧になっていただきたいのですが、論理的に計算すると、1名の入社決定のために必要な1次面接数は13件と計算できます。
少し詳しく説明をすると、
こちらの歩留まりで計算しました。
※実際には書類通過〜1次面接実施までの変数(1次面接調整率)があるが、今回は「1次面接数≒書類通過数」として計算する
本項では1名採用に当たり必要な1次面接数(≒書類選考通過数)のうち、「●%を1社のエージェントが占めるか」という視点で注力エージェントを選んでいきます。
13面接のうち1面接が占める割合が「約7.7%」となるため、この「7.7%」をひとつの基準値として定めると、自ずと注力エージェントが導き出せるかと思います。
上記紹介実績から「7.7%」を超えるA社・B社・C社が注力エージェントとして導き出せます。
※以下グラフをご参照ください
ここで注意点がひとつあります。
指標とする数字が「採用目標人数から割り出した必要な1次面接数」か「これまでの紹介実績から導いた1次面接数」かです。
今回対象となるのは後者の「これまでの紹介実績から導いた1次面接数」となるためご注意ください。
3-3. 注力エージェントで過半数の通過数を賄う
注力エージェントを5社にするのか、10社にするのか。その定義は会社の規模感や採用人数によっても変わるかと思いますが、今回のブログでは改めて定義付けできればと思います。
「全体の通過数の”50%”を補えるエージェントの数」
例えば、上記の過去実績だと、全体の50%を占めるA社・B社・C社・D社の4社が注力エージェントとして導き出せます。
上記のように1次面接数(≒書類選考通過数)を基準として、全体の50%を占めるエージェントを注力エージェントとして定める方法が適切なのではないかと思います。
4. 注力エージェントの選び方②
前項では「書類選考通過数」にフォーカスし、注力エージェントを定めましたが、本項では各エージェントの変数を理解した上で、「共通項目」から導いていきます。
4-1. 歩留まりから算出
エージェントからの紹介〜内定承諾までの歩留まりから「各エージェントの共通項目」を洗い出してみます。
上記にエージェントからの紹介〜内定承諾までの歩留まりを記載しました。
その上で特徴や特性などの変数に関わらない共通項目を◯としています。
改めてまとめると、以下が共通項目なのではないかと思います。
※前項で触れた「書類選考通過数」と「1次面接数」は本項では除く
なぜ共通項目なのかの詳細について以下に記載します。
上記より「面接調整率」と「内定フェーズの数値」が平均数値と比較して良いか悪いかによっても注力エージェントを定めることができるかと思います。
ご参考までに平均数値を以下に記載させていただきます。
4-2. 定性的な判断軸
前項では主に「定量」から注力エージェントを定めていましたが、本項では「定性」から定める方法をお伝えいたします。
「定性」から測れる項目は以下の通りです。
各項目をそれぞれ説明していきます。
上記より「エージェントの担当者」と「募集職種とエージェントの集客経路との相性」などの定性的な判断軸からも注力エージェントを定めることができるかと思います。
5. まとめ
改めて本ブログでお伝えした内容をまとめると下記の通りです。
注力エージェントの選び方について記載させていただきました。是非ご参考にしていただければと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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