【モバイルアプリエンジニア採用の教科書】1からモバイルアプリエンジニア採用を始めるあなたへ
0. はじめに
直近「モバイルアプリエンジニアの採用はどの点を意識すればよいのか」という疑問をお客様からいただくことがありました。
ここ数年で「モバイルアプリエンジニア」の採用を行なっている企業が多くなっているように思います。
そこで「モバイルアプリエンジニア」をどのように採用するのかわからない。
「モバイルアプリエンジニア」採用の難易度が高く、ノウハウを知りたい。というニーズが多いと感じています。
そこで今回は、モバイルアプリエンジニア採用に必要な前提情報や施策、手法について本noteで説明いたします。
モバイルアプリエンジニア採用をゼロから始める方にも、本noteを読んで全体感を理解していただけますと幸いです。
※モバイルアプリエンジニアはさまざまな名称で表現されるかと思います。
これらの名称はさまざまですが、同じ意味合いです。本ブログでは、これらの総称としてモバイルアプリエンジニアと表現をしているため、ご認識いただければと思います。
1. 採用を始める前に押さえておくべきポイント
モバイルアプリエンジニアを採用するための手法を公開する前に、よりスムーズに採用活動を進めるために事前に把握した方が良いことをお伝えします。
1-1. モバイルアプリエンジニアとは
そもそもモバイルアプリエンジニアとは何を指すのでしょうか。
1-2. モバイルアプリエンジニアとWebエンジニアの違い
次にモバイルアプリエンジニアをWebエンジニアと比較した上で違いをお伝えできればと思います。
1-3. iOSエンジニアとAndroidエンジニアの違い
モバイルアプリエンジニアの中でもiOSエンジニアとAndroidエンジニアの2種類に分けられます。これら2つのモバイルアプリエンジニアの違いについてお伝えいたします。
2. モバイルアプリエンジニア採用の全施策をまとめてみる
さあ、ここからが本題です。一体、モバイルアプリエンジニア採用において取り組むべき施策・取り組んだほうが良い施策はいくつあるのか。まずはモバイルアプリエンジニア採用において出来ることを項目別で洗い出してみました。
これをレベル別にまとめてみると・・・👇
レベル5に近づけば近づくほどモバイルアプリエンジニア採用において「強者(レベル高)」になるイメージです。(個人的な所感ですが、レベル5まで到達している企業はほとんどないかと思います。)
3. モバイルアプリエンジニアの採用手法
3-1. 前提
iOSエンジニア、Androidエンジニアはサーバーサイドエンジニアやフロントエンドエンジニアと比較すると人口が少ないです。SIerでのシステム開発、Web系受託開発、Webサービス開発などいわゆるシステム開発をする上での歴史は1990年代から始まっています。そのためサーバーサイドエンジニアの人口が多いのは必然です。
一方で、iOSエンジニア、Androidエンジニアは2007年に日本でiPhoneが発売されて以降に登場しています。ただiOSアプリ、Androidアプリは無料でダウンロードされ、ユーザーが簡単に課金をしないが故に、スマートフォンアプリは「ゲーム」でなければビジネスが成立しにくい時代でした(2010〜2015年頃)。ここで市場を圧巻したのはCygames、コロプラ、ガンホー(パズドラ)、Mixi(モンスト)です。スマートフォンゲームを開発する際に使用されていたのは「Unity」というスマートフォンアプリ開発プラットフォームです。本来であればiOSアプリとAndroidアプリを「分けて」開発をしなければならなかったのですが、Unityはマルチプラットフォーム、つまりUnity上で開発をするとiOS / Androidの両アプリに変換することが可能となりました。そのため、iOSアプリをObjective-C / Swiftを用いて開発したり、AndroidアプリをJava / Kotlinを用いて開発したりする企業は非常に少なかったのです。
整理をすると、2007年にiPhoneが日本に登場して以降、2015年頃まではスマートフォンアプリ開発エンジニアは、ほぼほぼ「Unity」を用いていました。ただ、昨今スマートフォンアプリ開発をしている企業(例 : メルカリ/スマートニュース/LINEなど)は、Unityを用いずに、SwiftやKotlinを用いています。2015年以降に新たにチャレンジをする方が増えてきて、やっと人口が増えてきた、という流れなのです。
3-2. 最適な採用手法
iOSエンジニア、Androidエンジニアの最適な採用手法は、サーバーサイドエンジニアとフロントエンドエンジニアとそこまで変わりません。
Wantedly
Green
Findy
LAPRAS
転職ドラフト
などの採用手法が好ましいです。
一つポイントとしては、スマートフォンアプリ開発エンジニアが少ない傾向にあります。
また、WantedlyとGreenは登録者がそこそこいらっしゃいます。ただ求人数が多いので、媒体内有効求人倍率はやや高めかもしれません。そのため、上記をしている媒体のいずれかが最適な採用手法と言えるかと思います。
4. モバイルアプリエンジニアの魅力設計
ここまでモバイルアプリエンジニア採用の大枠について、触れてきました。大枠がわかっても、具体的な採用戦術を理解しなければ、採用成功は難しいです。ということで、本項では上記の施策を参考にした上で、キャリア別のモバイルアプリエンジニア採用の施策について説明いたします。
キャリア別の採用施策では前述した採用手法以外にキャリア別の魅力設計が重要です。
魅力設計をする際に重要なことは、「ターゲットから逆算したインサイト/メッセージング設計」です。
インサイトとメッセージングとは何かを下記にて紹介します。
(詳細を知りたい方はこちらのブログをご覧ください。)
それでは、それぞれのターゲットに合わせた魅力設計をお伝えしていきます。
4-1. 自社サービス企業のモバイルエンジニア経験者(ベンチャー出身) の魅力設計
まずは、自社サービス企業のモバイルエンジニア経験者(ベンチャー出身)の方への魅力設計をご紹介します。
上記の魅力設計について簡単に解説します。
どれだけ良いサービス・プロダクトだったとしてもビジネスに受け入れられなければ自己満足に過ぎず、事業や会社の成長を促進させることは難しいのではないかと思います。
限定された顧客に受け入れられるサービスよりも、業界の本質的な課題に受けられるサービスの方がはるかにスケールするため、出来る限り多くの顧客の課題解決をする方がやりがいは大きいことがこのインサイトに隠されております。
したがって、メッセージングでは、サービスの成長性を数字や背景を用いた上で訴求することが必要になります。
4-2 自社サービス企業のモバイルエンジニア経験者(大手出身) の魅力設計
続いて自社サービス企業のモバイルエンジニア経験者(大手出身)の方への魅力設計をご紹介します。
上記の魅力設計について簡単に解説します。
大手出身者の経験者は既存のプロダクト開発に従事する可能性が高いため、細かい機能追加が多く、プロダクトの根幹の開発に携わることができないというインサイトを抱えています。
したがって、メッセージングでは、サービスの根幹や立ち上げフェーズに関わることができるという魅力を訴求することが必要になります。
4-3. 受託開発企業のモバイルエンジニアの魅力設計
続いて受託開発企業のモバイルエンジニア経験者の方への魅力設計をご紹介します。
上記の魅力設計について簡単に解説します。
受託開発企業の経験者は、その名の通り、第三者になるため開発業務を依頼される立場にあります。そうなると、自分がやりたいことをやるというより、依頼された業務範囲を正確に行うことがメインになるため、本来はモバイル開発からプロダクト全体の意思決定まで行いたいけれど、なかなか実現できないというインサイトを持っているケースがあります。
このインサイトは自社サービス企業であれば、メッセージングしやすいかと思いますので、ぜひご参考いただければと思います。
5. モバイルアプリエンジニア採用の落とし穴・注意点
最後に、モバイルアプリエンジニア採用における落とし穴を紹介しますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
5-1. 有効求人倍率
こちらの表から見て取れるのは、Webエンジニアよりも圧倒的にモバイルアプリエンジニアが少ないことです。その要因として「Webライクな企業さまが少ない」ことが挙げられます。
UberEatsやNetflixなどのスマートフォンアプリはたくさん存在するものの、海外産が多いです。逆に、日本では、SaaS(Web)が主流であるため、モバイルアプリ志向のエンジニアよりもWeb志向のエンジニアのほうが多いです。
また、「求人数と求職者さまのバランス」という観点からも有効求人倍率が高いことがわかります。
弊社では毎月各採用媒体の求人数と登録者数の推移を調査しております。その中でもモバイルアプリエンジニアの数値は以下のようになっています。
以上の表から以下のことがわかります。
したがって、母集団数も求人数もWebエンジニアの1/5となっているため、採用自体が難しい傾向にあることがわかります。
5-2. 類似語に注意しましょう
モバイルアプリエンジニアの採用やスカウトを実施する上で似通ったワードが頻繁に現れる場面が多々見受けられます。その中で特に気をつけるべきワードを挙げていければと思います。
◆金融業界の「SWIFT」
採用媒体上で求職者検索をする際に、キーワードに「Swift」と入力すると、度々金融業界に従事されている方々がヒットします。
Googleにて検索してみると以下のような結果が出ました。
スマホアプリ開発の「Swift」ではなく、金融業界の非営利法人のため、採用媒体上では注意しましょう!
◆サーバーサイド側の「Kotlin」
Androidアプリ開発言語として代表的な「Kotlin」ですが、近年サーバーサイドの開発言語としてKotlinに注目が集まっています。Kotlinというプログラミング言語はAndroidのアプリ開発だけでなく、サーバーサイド開発においても積極的に導入するスタートアップや大手テック企業(Adobe、AWS、Expedia等)の事例が増えています。
またiOSおよびAndroid双方に対応したマルチプラットフォームモバイル(Kotlin Multiplatform Mobile)SDKの提供やJavaScriptへのトランスパイルなど、Kotlinはフロントからサーバーサイドまで活用範囲が広いプログラミング言語です。
ひとつの言語をとっても担当領域によって採用ターゲットか否かについて判断する必要があります。
5-3. 言語の将来性や重要性
採用ターゲットが少ない同職種であるがゆえに、言語未経験の受け入れ体制を整える細葉企業さまもいらっしゃるのではないでしょうか?
その中で重要なのが、「モバイルアプリ開発や言語の魅力をどのように伝えるのか」になります。本ブログでは1つを例に取り上げ、ご紹介できればと思います。
6. 最後に
いかがでしたか?
ここまでモバイルアプリエンジニア採用に必要な前提情報や魅力設計、採用手法に触れてきました。モバイルアプリエンジニア採用をこれから始めようとしている方や、悩んでいる方に読んでいただけたら嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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