
“面接前“のCX Imformation Designとは? 情報開示のポイント を徹底解説
1. はじめに
みなさま、こんにちは。ポテンシャライト HPパートナーの藤元です!
今回は、「CX Imformation Design」、つまり中途採用における「求職者への情報開示」について、お話ししていきたいと思います。
そもそも「CX」とは認知 / 応募 / 面談 / 内定までの「採用プロセス全体」における「候補者の体験(CX)」のことを指し、CX Imformation Designの詳細については、過去noteもございます。
今回は、「面接前にどこまで情報を開示すべきか」「いつ、どのタイミングで伝えるべきか」という多くの採用担当者が頭を悩ませる課題について説明できたらと思います。
ぜひ本ブログを通じて、自社の最適解を見つけていただけたら嬉しく思います。
2. なぜ情報開示が重要なのか
2-1. 情報開示が採用活動に与える影響
情報開示は単に求職者に企業の情報を伝えるだけではなく、以下のような影響をもたらします。
CXの向上:
選考前に、企業からの情報提供があることで、求職者自身が安心して選考に臨むことができます。
選考はどうしても「評者者」と「被評価者」という立場上、企業優位な進め方になりやすいですが、事前に必要な情報を伝えることで、面接当日に有意義な議論ができたり情報不足による不安を解消し、選考辞退を防いだりすることが期待できます。企業ブランドの強化:
透明性のある情報開示を行う企業は、求職者からの信頼を得やすくなります。
たとえば、「社員のリアルな声」を載せた採用サイトや、入社後のキャリアパスを具体的に示すコンテンツなどを提供することで、企業の姿勢が伝わりやすくなります。
実際に、転職口コミサイトでも情報開示が積極的な企業ほど、求職者評価が高い傾向があります。ミスマッチの防止:
入社後のギャップを防ぎ定着率の向上につなげるため、選考では複数の社員が複眼で見極めることを優先する企業も多くいらっしゃいますが、見極めは企業側だけでなく求職者側も企業に対して行っていることを忘れてはいけません。
例えば、数人の選考官と話しただけでは伝えきれないことなどを、面接外の時間で伝えておくことで、面接官が伝えている内容との一貫性を感じ、企業や業務内容への解像度も高まるため入社後のギャップを防げると考えられます。正しい情報の共有:
ネット上には、採用活動の一環で過去に実施した採用広報や、過去に登壇したイベント情報での発信など最新の情報以外も多く溢れています。
求職者が主体的に情報を集める場合に、過去の情報を参照されるケースもございますので
最新の記事はどれか、最新の情報はどれか、企業側が提示することで認識の齟齬や
伝えるメッセージの矛盾が起きにくいと考えられます。
2-2. 情報開示が足りない場合のリスク
上記の反対に情報開示が不足していると、求職者が企業やポジションについて懸念や誤解を抱いたまま選考を進めることになります。
エージェント企業が間に入っている場合は、選考内での不明点などをエージェントを通して解消することもできますが、スカウト経由や自己応募経由の場合はどうでしょうか?
応募者が抱える懸念や誤解に気づくことがないまま、応募者の志望度が下がり、選考途中での辞退率が高まる / 内定後の辞退が増えるなどの事象が起こる可能性が高まります。
2-3. 情報開示のやりすぎによるデメリット
一方で、情報開示をしすぎると以下のようなデメリットが生じます。
求職者が準備をしすぎてしまい、素の反応が見えなくなる
企業の課題まで開示しすぎると、リスクに感じて応募をためらう
面接の段階ごとの情報提供のメリハリがなくなり、求職者の関心が薄れる
このように、情報開示には適切なバランスが求められるのです。
3. 初回接点前の情報開示
では、どのくらいの情報開示が適切なのか?
ここからは「初回接点前」と「最終面接前」の2つのフェーズに分けて、適切な内容をリスト化してみましたので、自社の情報開示が適切かご確認していただけたらと思います。
3-1. 初回接点の役割
カジュアル面談や1次面接などの初回接点は、お互いを知り、可能性を探る重要な機会です。
この段階では、求職者の興味を引き出しつつ、率直な対話を促すことを目的とすべきでしょう。
3-2. 初回接点前に開示すべき情報
✅簡単な会社概要
✅今後の事業の方向性
✅おおまかな職務内容や期待する役割
✅面接官の役職や担当領域
この段階では、求職者の興味・関心がどこにあるのかまだわからない状況です。
そのため、求職者が知りたいであろう情報が全てまとまって記載のあるページがあると理想です。
また、ある程度自社について理解をしてもらった上で参加してもらうことで、面談/面接の時間をより有意義な時間とすることができるため、事前に知っておいてほしい情報などは記事にまとめるのも良いでしょう。
その際の注意点としては、情報量が多すぎると求職者の負担になることが考えられるため記事の共有は3つまで、イメージとしては5分で読み切れる内容が良いと考えられます。
参考までに「5分でわかる 会社説明会」で検索すると、多くの企業様の採用ページがヒットしました。
すでに会社説明資料などがある場合、スライドを20枚〜30枚ほどに抑えると良いかと思います。

4. 最終面接前の情報開示
4-1. 最終面接の目的
内定に近づくにつれ、より具体的な情報開示が重要になってきます。この段階では、入社後のイメージを明確にし、ミスマッチを防ぐことが目的となります。
4-2. 最終面接前に開示すべき情報
✅具体的なプロジェクト内容
✅プロジェクトの課題
✅チームの現状
✅評価制度や福利厚生
✅面接官の役職や担当領域
この段階での詳細な情報開示は、求職者の意思決定を助け、入社後のギャップを最小限に抑える効果があります。
そのため、最終面接では自社の良い面だけでなく課題やチームの現状を伝えることで、求職者自身も具体的な貢献イメージを描きやすくなります。
また、入社後のイメージを膨らませるためには、チーム体制やどのようなメンバーがプロジェクトに在籍しているか等を伝えると良いでしょう。
最近では、LinkedInやYOUTRUST、WantedlyなどビジネスSNSを使っている方も多いため、面接前にメンバーのリンクを送るだけでもチームの雰囲気や人柄などは伝えやすいのではないでしょうか?
評価制度や福利厚生についても選考プロセス終盤になればなるほど、求職者が気になる要素としては大きくなります。
ただ、面接で直接聞きにくいという求職者の心理もあるため、企業側があらかじめ開示しておくと求職者のストレスなく、安心して選考に進んでいただけると考えられます。
5. 情報開示方法のご紹介
では、一般的にどのような方法で面接前に情報開示を行うのか、いくつかのパターンを紹介します。
5-1. 提供手段4パターン
PDF資料をメール送付:
特徴
シンプルで手軽に情報共有できる
適したケース
企業概要やポジション詳細をシンプルに伝えたい場合
NotionやGoogle Driveで専用ページを作成:
特徴
常に最新情報を提供でき、リンク1つで簡単に共有可能
適したケース
企業情報や社内文化などを頻繁にアップデートする必要がある場合
動画や音声で提供:
特徴
文章よりも直感的に理解しやすく、企業の雰囲気を伝えやすい
適したケース
代表や社員の生の声を伝えたい場合
企業文化やチームの雰囲気をよりリアルに感じてもらいたい場合
求職者専用ポータルを用意:
特徴
面接日程、選考フロー、事前資料などを一元管理できる
適したケース
求職者ごとにカスタマイズした情報を提供したい場合
5-2. 提供事例
弊社では、ベンチャー / スタートアップ企業の採用支援を行うことが多く、日々情報がアップデートされるケースが多いです。
そのため、情報提供手段としてはNotionでの共有を推奨しております。
具体的な提供事例についてはぜひ、以下のnoteをご参考にしていただけますと幸いです。
6. 最後に
面接前の適切な情報開示を通じて、より質の高い採用活動を実現していただければと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
本記事が皆様の採用活動の一助となれば幸いです。
選考フローの設計や、選考フロー内でのCX体験向上などにお悩みの採用担当者様/企業の代表様がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談ください。
よろしければフォローもよろしくお願い致します🤲
著者:
HRパートナー 藤元咲帆
新卒採用から中途採用、ベンチャー/スタートアップ企業から大手企業まで幅広く採用支援を経験。
新卒採用のコンサルティング企業やゲーム会社での新卒/中途採用担当を経て、2024年4月よりポテンシャライトのHRパートナーとして参画。
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