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引く手あまたなエンジニアを採用するための「エンジニアタイプ別魅力訴求」とは
みなさんこんにちは!ポテンシャライトです。
先日、ある企業様のエンジニアさんとお話をしていて、下記のようなことをおっしゃっていました。
「カジュアル面談や面接の中で、求職者様(エンジニア)がどんなタイプのエンジニアかを把握するようにしています」
これを聞いて、スカウトのタイミングでエンジニアタイプに応じて魅力訴求ができたらよいのではないかと考えました。
その経緯をまとめたものを本noteでご紹介できればと思います!
では早速いきましょう!
1. エンジニアが会社を選ぶ基準とは
前提のお話しからさせてください。先日、弊社の小磯から下記noteを発信させていただきました。
上記noteは、求人媒体「転職ドラフト」のデータを元にポテンシャライト独自の観点で「求職者様の志向性」を調査しまとめた内容となっています。
結論から申し上げると、
「person」
「culture」
は会社を選ぶ基準として、エンジニア共通で重要視されていることがわかりました。
つまり、求職者様への魅力訴求する上で「person」「culture」文脈の情報は、必ず用意しておくべきだといえます。
採用広報においても、入社フィード(person)やカルチャー紹介(culture)の記事は優先度を高めて着手する必要があるといえます。(personやcultureなど魅力項目の説明は下記に記載しております)
philosophy :Mission/Vision/Valueなど
product :プロダクトや事業内容
profession :職務内容
person :人(組織/人材/など)
privilege :福利厚生/人事制度など
phase :会社のフェーズ
culture :組織カルチャー
growth :成長環境
market :市場・マーケット
technology:技術
2. エンジニアタイプとは?
アジェンダ1でお伝えしたのは、エンジニア共通で会社を選ぶ際に重要視する観点です。
昨今の激化するエンジニア採用を勝ち抜くためには、上記は最低限抑えつつ、さらに魅力訴求が必要になります。
そこで、+αの魅力訴求の切り口として、エンジニアタイプ別に訴求すべきではないかと考えています。
エンジニアタイプとは何か言及させてください。
私自身、前職でキャリアアドバイザーとしてエンジニアの転職支援をさせていただいた経験も踏まえ、大きく3つに分類できるのではないかと思います。
※スキルの話しではなく「志向性」のお話しです
(1)プロダクト志向
(2)技術志向
(3)組織志向
※必ずしも全エンジニアが3タイプに大別されるわけではありません
Chatwork CEO山本様のnoteを参考にさせていただきつつ、ポテンシャライトの解釈でそれぞれ説明させてください。(大変参考になりました。ありがとうございました。)
2-1. プロダクト思考のエンジニア
このタイプは、実現したい世界観や解決したい課題があり、その達成を最大目的とします。技術はあくまでもそのための手段として捉えており「Why」「What」が関心ごとの中心になります。
それが故に、特定の技術にこだわりは無いため、技術領域も広くフルスタックな経験になりがちです。エンジニアの中でも企画に興味のあるタイプのエンジニアが分類され、プロダクトマネージャーやプロダクトオーナーのキャリアを好む方が多い印象です。
2-2. 技術志向のエンジニア
技術志向のエンジニアは、プロダクト志向のエンジニアとは目的と手段が逆転します。
技術志向のエンジニアは、技術力向上や検証を目的として、その手段にプロダクト開発があるといったイメージでしょうか。人的マネジメントや調整役は好まず、技術にとことん向き合うことを希望する傾向にあります。テックリードやCTOのキャリアを好む方が多い印象です。
2-3. 組織志向のエンジニア
高い開発生産性を持つ優れた開発チームつくることを目的とし、手段としてプロダクトのデリバリを重視しますが、使用する技術や生み出したビジネス価値、事業インパクトそのものには深く踏み込みません。
マネジメント志向の強い方がここに分類されます。エンジニアリングマネージャーやVPoEのキャリアパスを希望する方が多いイメージです。
とはいえ、「どのタイプかをレジュメからどう判断するの?」と思う方もいらっしゃるかと思います・・。
確かに、レジュメから判断するには一定の経験が必要(わからない場合もある)になりますが、この点の議論は一旦本noteでは置いておきます。
3. 訴求ポイントを分類
志向性を魅力項目ごとに分類してみると、下記のような表で表すことができます👇
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縦:エンジニアタイプ
横:魅力項目
👆 こちらの表を説明するために、下記のように分類して①〜④で説明したいと思います。
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①共通項目
personとcultureは本ブログの冒頭でお伝えした通り、エンジニア共通で重要視しているポイントなので全て◎がつきます。(組織タイプのみ◎がふたつ並んでいる理由はこの後説明させてください)
②プロダクト志向のエンジニア
プロダクト志向のエンジニアに対して提供すべき情報は、
「product」「philosophy」
だと言えます。
「product」は、その名の通りですが、誰のどんな課題を解決するプロダクトなのか、今後の事業戦略を魅力的に伝えていく必要があると言えます。「philosophy」も重点的に伝える必要があります。なぜなら、技術を手段として、実現したい世界観や課題解決に強い興味を持っているためです。
③技術志向のエンジニア
技術志向のエンジニアに対しては、
「technology」「privilege」の情報提供がポイントになるでしょう。
「technology」では、開発環境や現在抱えている技術課題を明瞭にかつ魅力的に伝えられると良いですね。開発課題の打ち出し方は、下記ブログに記載がありますので、ご興味のある方はご覧ください。
「privilege」では、主に働き方について言及ができると良いです。下記は弊社で調査したものですがエンジニアが好む文化として「リモートワークOK」や「フレックスタイム制」は高い水準になっています。加えて、肌感覚ではありますが技術志向の強いエンジニアの方は柔軟な働き方を重視する傾向が強いと感じています。
④組織志向のエンジニア
最後に組織タイプのエンジニアは、共通項目である「person」「culture」に特に強い関心があるため、表では◎を2つにしています。どんなメンバーが在籍しているのかのみならず、組織構造や社内での取り組みなど、「面」での情報提供ができると良さそうです。
4. エンジニアタイプ別魅力訴求
このように一言にエンジニアと言っても、タイプによって志向性が大きく異なることはご理解いただけたかと思います。
同じエンジニアでも目的と手段が異なるとすれば、訴求の仕方も変わってくる事は言わずもがなかと思います。
では、エンジニアタイプ別に具体的にどのような訴求が有効になるか考えてみました。下記の内容についてまとめてみましたのでご覧ください。
エンジニアタイプ別にどのようなインサイトを抱えているのか
そのインサイトに対して、どのようなメッセージングができるか
インサイトとは :求職者様が抱える潜在ニーズ
メッセージングとは:求職者様への魅力訴求
4-2. 技術志向
💡インサイト
◆とりあえず動けばいいというスタンスで開発が進められており、本質的な技術課題に向き合うことができない。
◆エンジニア界隈でのアーキテクチャ設計に進歩があるにも関わらず、自社の技術アーキテクチャ選定はレガシーであり、且つ新しく機能開発をする際にも新しい技術環境を導入することに前向きではないカルチャーになってしまっている。
◆社内の勉強会も無く(少なく)、最新技術の共有はSlackで記事共有がある程度。社外での勉強会/カンファレンスに参加することはできるが、自己負担であり、会社として技術力を高めることへの姿勢を感じることができない。
◆新しい技術をとにかく使ってみる、ということが必ずしも是だとは思っていないが、既存の使用している技術を変える姿勢を感じることができない。この環境に居続けることによって、自分の技術レベルがレガシーに近づいてしまうと感じてきている。
💡メッセージング
◆インサイト社内の勉強会も無く(少なく)、最新技術の共有はSlackで記事共有がある程度。社外での勉強会/カンファレンスに参加することはできるが、自己負担であり、会社として技術力を高めることへの姿勢を感じることができない。
◆メッセージング 当社では、組織で技術力向上の取り組みを行なっています。例えば、週に1度エンジニアチーム全員が集まり、業務時間”内”に輪読会を開催し海外の技術書から知見をインプットしています。また、各メンバーがテックブログを投稿する文化があり、積極的にアウトプットする文化が根付いており、会社としても推奨しています。
4-3. 組織志向
💡インサイト
◆プロダクトを成長軌道に載せることが先決であり、組織作りの優先度を下げざるを得ない状況にある(ベンチャー)
◆あらゆるタイプのエンジニアが混在している組織であることに対しての不満はないが、エンジニアリングチームのポリシーやルール、カルチャーへの関心が薄く、チーム開発という側面においての生産性が低いと感じている
💡メッセージング
◆インサイト
あらゆるタイプのエンジニアが混在している組織であることに対しての不満はないが、エンジニアリングチームのポリシーやルール、カルチャーへの関心が薄く、チーム開発という側面においての生産性が低いと感じている
◆メッセージング
当社では、エンジニアチーム内での行動指針(バリュー)が存在し、かつ各種のルールをボトムアップ式に策定しています。そのため、トップダウンで決めたルールのみならず、メンバーの意見を尊重し随時カルチャーを醸成しており、チーム全体が同じベクトルを向いています。つまり、建設的な議論ができる環境が整っており、生産性の高い開発ができる源泉だと言えます。
5. 志向性別に選択肢を準備
通常であれば、「1ポジションの募集に対して1つの求人を作成する」のは自然な流れかと思います。バックエンドエンジニアを募集するために、バックエンドエンジニアの求人を作成するといった具合です。
しかし、それだけでは名だたる採用競合には打ち勝つことは難しいかもしれません。ではどうするべきかご紹介できればと思います。
前項でご紹介したメッセージングを活用しつつ、志向性別に求人票を複数作成しましょう。(通常通りバックエンドエンジニアの求人票ももちろん作成します)
例えば、バックエンドエンジニアであれば下記のようになります。
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メリットは3つあります👇
▼求職者様にとって▼
①自分の志向性や希望のポジションに出会いやすくなる
興味を持った企業があっても、希望のキャリアパスが叶えられないと断念せざるを得ないといった事象がなくなり、希望のキャリアを模索することができます。
▼採用企業様にとって▼
②機会損失を防げる
会社・事業に興味を持ったもらったが、希望のキャリアが叶えられないと判断されてしまい、エントリーに至らないといったことを予防できます。
③将来の募集ポジションの充足に繋げることができる
スタートアップの企業様の場合、今すぐにそのポジションの採用必要性がなかったとしても、近い将来にポストが生まれる可能性が高いです。つまり、先手を打った採用ができます。
詳細は、下記ブログでもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は、「エンジニアタイプ別」という切り口で魅力訴求の方法をお伝えいたしました。ひとつのポジションの募集に対して、ひとつの求人で採用できる時代ではなくなっているのかもしれません・・・。
あくまでも今回の内容は一例として捉えていただき、エンジニア採用に生かしていただけると幸いでございます。
ポテンシャライトでは、採用ブランディング含め、採用・人事組織系のご支援をさせていただいていますので、下記よりお気軽にご相談くださいませ👇
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