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今更聞けない!カジュアル面談の教科書

どうも、ポテンシャライトの森田です!

「カジュアル面談って、結局どうすればいいの?」
採用に関わる人なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?

スタートアップの採用活動において、カジュアル面談はもはや必須のプロセスになりつつあります。
特に、候補者の転職意向がそこまで高くない場合、いきなり面接ではなく「まずは話してみる」という場を設けることが、優秀な人材を採用するための重要なステップになります。

しかし、ここで問題なのが、カジュアル面談に「正解」がないということ。

「カジュアル面談って、具体的に何を話せばいいの?」
「普通の面接とは何が違うの?」
「どうすれば、面談から選考につなげられるの?」

こうした疑問を持ちながら、自己流でカジュアル面談を進めてしまい、結局成果につながらないというケースも少なくありません。

そこで、本記事では、カジュアル面談の目的を押さえつつ、スタートアップならではのカジュアル面談の進め方を徹底解説します!




1. カジュアル面談の目的/ゴール

1-1. そもそも、カジュアル面談とは何か?

スタートアップの採用活動において、カジュアル面談はもはや避けて通れないステップとなっています。従来の「面接」とは異なり、求職者との初回接触の場として位置付けられ、「お互いを知るための機会」として活用されます。
ただ、ここで一つ疑問が生じます。

「カジュアル面談のゴールは何か?」

「とりあえずフランクに話してみる場」として実施している企業も多いですが、目的が不明確なまま進めてしまうと、次のような課題が生まれます。

  • ただ雑談して終わってしまう(面談後、求職者が企業の魅力を理解できていない)

  • 面接への移行率が低い(せっかく会ったのに、選考へ進まない)

  • 担当者ごとに質がバラバラ(面談の進め方が統一されていない)

つまり、カジュアル面談の本質を理解し、明確な目的を持って設計しないと、単なる「時間の浪費」になってしまうのです。

1-2. カジュアル面談のゴールは「惹きつけ」と「見極め」のバランス

カジュアル面談の成功とは、単に楽しい会話をすることではありません。スタートアップにおけるカジュアル面談のゴールを、以下の2つに整理します。

1. 求職者を自社のファンになってもらう(魅力を伝え惹きつける)
スタートアップ企業は、大企業と異なり「知名度」や「ブランド力」で採用を進めるのが難しい。だからこそ、「なぜ自社で働くことが面白いのか?」を言語化し、求職者に伝えられるかがカギになります。

企業のビジョン・ミッションの共感度を高める
会社の成長フェーズや事業の面白さを伝える
具体的なカルチャーや働く環境について話す

2. 求職者の志向性やカルチャーフィットを見極める

やや語弊のある見極めるという表現をしましたが、カジュアル面談は前提、候補者様を惹きつけする場となります。
ただ、「誰でもウェルカム!」のスタンスでは、採用のミスマッチが起こりやすくなります。カジュアル面談を通して、自社の強みや魅力だけでなく会社や事業の課題をお伝えすることことによって、今の会社のフェーズに合ってるか、スピード感に対応できるかなどを相互でフィット感を擦り合わせていくことが重要となります。

カジュアル面談の場を通じて、求職者がどのような価値観を持ち、どのような環境で力を発揮できるのかを擦り合わせていきましょう。

どんなキャリアの方向性を考えているのか?
どのような働き方や組織文化を求めているのか?
スタートアップのスピード感に適応できるタイプなのか?



2. カジュアル面談「前」に押さえておくべき指標

「毎月多くのカジュアル面談を実施しているけど、なかなか採用につながらない…」

そんな悩みを抱えているスタートアップの採用担当者やCxOの方は多いのではないでしょうか?

前提としてカジュアル面談は「数」(カジュアル面談を実施した数)」ではなく「質(カジュアル面談が効果的だったか)」が重要です。
そのためには、感覚ではなく数値をベースに設計することが欠かせません。

そこで、まずは、カジュアル面談の成功率を高めるために、以下の2つの指標を押さえておきましょう。

◆注意
※数値については、あくまで弊社がこれまでご支援してきた中での所感の数値となりますので、ご参考程度にご覧いただけますと幸いです。


2-1. 面談後の「選考移行率」(=面接に進んだ求職者の割合)

カジュアル面談後に、どれだけの求職者が「選考を希望するか」は、面談のクオリティを測る重要な指標です。

  • 理想の目安40%~50%(求職者の約半数が選考に進む状態)

選考移行率が低い場合は?
「求職者がワクワクできる話ができていない」可能性が高い、企業の魅力や成長機会をきちんと伝えられているか、面談の流れを見直してみましょう。

2-2. 「マッチング率」(=企業側が選考に進めたいと判断した割合)

カジュアル面談は選考要素がないとはいえ、「この人は自社に合いそうか?」という観点で軽いジャッジはしているはずです。

  • 理想の目安60%~70%(カジュアル面談を実施したうち、6〜7割の人が企業にマッチすると判断できる状態)

マッチング率が低い場合は?
「そもそもアプローチしている母集団がズレている」可能性があるため、スカウトのターゲット設定やジョブディスクリプションを見直しましょう。



3. カジュアル面談の進め方

「カジュアル面談って、結局どんな流れで進めればいいの?」

こうした疑問を持つ採用担当者様は多いのではないでしょうか?
「カジュアル面談だからこそ、流れをしっかり設計する」ことが成功のカギ です。
フリートークで終わるのではなく、目的を持った「設計」ができていれば、求職者の選考移行率は格段に上がります。

そこで本項では、カジュアル面談を「求職者の興味を高め、選考に進みたくなる状態」に持っていくための、理想的な進め方を解説します。

3-1. アイスブレイク(5分)

まずは求職者がリラックスできる雰囲気を作ることが大切です。

簡単な自己紹介(面談担当者の経歴や役割)
求職者の現在の状況やキャリアに関する雑談
面談の目的をシンプルに伝える(相互を理解する場としての目的のすり合わせ)

3-2. 会社・事業の紹介(10分)

ここからは、企業の魅力をしっかり伝える時間です。
事前に整理している企業の推しポイントをお伝えしましょう。
求職者様の志向性に合わせてお伝えできるとベストです。

企業のミッション・ビジョン(なぜこの会社が存在するのか?)
現在のフェーズ・課題感(なぜ今このポジションが重要なのか?)
会社の成長ストーリー(今後どのような未来を描いているのか?)

3-3. ポジション・業務内容の説明(10分)

続いて、求職者が気になる 「具体的な仕事」 の話に入ります。
求職者様の志向性やこれまでのキャリアを鑑みた上で、どのようなプラス面があるかを考えながら話せると良いでしょう。

このポジションが担う役割・期待されること
実際の業務の流れ・関わるメンバー
入社後のキャリアパスや成長の機会

3-4. 当社で得られること・得られないこと(7分)

ここで、「期待値のすり合わせ」を行います。
カジュアル面談は「良いことだけを伝える場」ではなく、「この会社に合う人・合わない人を明確にする場」でもあります。

「この会社ならではの経験」を伝える(例:「このフェーズのスタートアップだからこそ、裁量を持って働ける」)
「この会社では得られないもの」も正直に伝える(例:「まだ組織は整っていないので、受け身の方には向かない」)
求職者のキャリア観と照らし合わせる(「〇〇さんが大事にしていることと、この環境はフィットしそうですか?」と聞く)

3-5. 質疑応答(15分)

ここが最も重要なパートです。
求職者が聞きたいことを自由に質問できる時間を設けることで、会社への理解が深まり、興味度がアップします。

求職者からの質問にしっかり時間を取る
単なる回答ではなく、「惹きつけ」のチャンスと考える
求職者の価値観や志向性を自然に引き出す質問を投げかける

3-6. 次のステップの確認(5分)

カジュアル面談でありがちなのが、「では、今日はありがとうございました!」で終わってしまうこと。
これでは、求職者が次にどうすればいいのか分からず、フェードアウトのリスクが高まります。しっかりとネクストステップの確認をしてから面談のステップを終了させましょう。

「今日の面談を通じて、どう感じましたか?」と求職者の率直な感想を聞く
「もしご興味があれば、ぜひ選考に進んでいただきたいと思っています」と意向を確認する
「一度持ち帰って考えたい」場合は、フォローアップの方法を決める



4. カジュアル面談を成功させるための準備と実践ポイント

「カジュアル面談はラフな場だから、準備はそこまで必要ない」
そう思っていませんか?

しかし、準備不足のまま面談に臨むと、求職者に響く話ができず、せっかくの機会をムダにしてしまうことも。

また、面談の進め方が適切でないと下記のような課題が残ってしまいます。

  • 求職者が「結局この会社の何が魅力なのかわからなかった」と感じる

  • フランクに話しすぎて「本当にこの会社で働けるのか?」という不安が残る

  • 面談後にフェードアウトされ、次のステップに進まない

そこで本項では、上記のような課題感を払拭するために、

・カジュアル面談前
・カジュアル面談中
・カジュアル面談後

3つのステップに分けて、カジュアル面談を成功させるための準備と実践ポイントを解説いたします。

4-1. カジュアル面談前

まずは、準備です。
何事もそうですが、カジュアル面談においては、ここのステップがかなり重要となるので、自社で実施できているか、ぜひご確認ください。

①カジュアル面談前に読んでいただきたい情報をインプットしていただく

カジュアル面談をより有意義なものにするためには、カジュアル面談前に自社の情報を限りなく知っておいていただく必要があります。
カジュアル面談前に自社のことを知っていただくことによって、面談への姿勢もそうですし、自社とのマッチ度のすり合わせや面談内での自社への理解も異なってくるため、面談/面接での時間の生産性が圧倒的に変わります。

そのため、事前に読んでいただきたい採用広報や会社のことを広く知ることができる「Entrance Book」を事前に用意/送っていただくことをお勧めします。


② 自社の魅力を言語化しておく

カジュアル面談の目的は、「求職者を惹きつけること」です。
そのために、「この会社ならではの魅力」を言語化し、伝えられるようにしておくことがとても重要となってきます。

◆準備すべきポイント
なぜこの会社が存在するのか?(ミッション・ビジョン)
事業の成長性・将来性(なぜ今ジョインする価値があるのか?)
具体的な仕事の面白さ(このポジションでどんな挑戦ができるのか?)
会社のカルチャー・働き方(どんな価値観を大事にしているのか?)

自社の魅力をきちんと整理した上で、面談で話す内容を設計しておきましょう。また、求職者様の志向性やこれまでのご経験に合わせて、自社でどのようなメリットを提供することができるかを考えておけるといいでしょう。

③ 面談の流れを決めておく

カジュアル面談はフリートークではなく、ある程度の進行プランを決めておくとスムーズに進みます。

◆理想的なカジュアル面談の流れ
✅ アイスブレイク(5分) → 求職者がリラックスできる雰囲気を作る
✅ 会社・事業の説明(10分) → 企業のビジョンや事業の魅力を伝える
✅ ポジション・業務内容の説明(10分) → どんな仕事をするのかを具体的に話す
✅ 当社で得られること・得られないこと(7分) → ミスマッチを防ぐために正直に伝える
✅ 質疑応答(15分) → 求職者の疑問を解消し、関心度を高める
✅ 次のステップの確認(5分) → フェードアウトを防ぎ、次のアクションを明確にする


4-2. カジュアル面談中

④「ストーリー」で語る

カジュアル面談では、ただの会社説明ではなく、「ストーリー」を交えて話すことで、求職者の印象に残りやすくなります。

✅ 会社の成長ストーリー(なぜこの会社が生まれ、どんな未来を目指しているのか)
✅ チームのストーリー
(どんなメンバーがいて、どんな想いで働いているのか)
✅ 仕事のストーリー
(このポジションでは、どんな挑戦ができるのか)

伝える際の語り方ですが、できるだけ求職者様には情景をイメージできるようにお伝えできるとベストです。
例えば、単に「フラットな組織です」と伝えるのではなく、「先週も新しく入社したエンジニアが、すぐに経営会議で発言して、新規事業の方向性に影響を与えました」といった具体的なエピソードを話すと、求職者も働くイメージが湧きやすくなります。


⑤ 求職者との「対話」をデザインする

カジュアル面談は、企業が一方的に話す場ではありません。
求職者にしっかり話してもらうことで、相手の価値観やキャリア観が明確になり、より良いコミュニケーションが取れるようになります。

✅ 「この転職で何を実現したいと考えていますか?」
✅ 「今後のキャリアで重視していることは何ですか?」
✅ 「どんな環境なら力を発揮できそうですか?」

よくありがちなのが、企業側の話を伝えすぎてしまったあまりに、求職者様の話をあまり聞けずに終わってしまうパターンです。求職者の話を深掘りすることで、より具体的な魅力を伝えやすくなるため、できるだけ求職者様と対話する形で面談ができるのがベストです。

あらかじめ面談の流れを決めておくということはもちろんですが、話を聞く時間と話す時間のバランスを意識しましょう。


4-3. カジュアル面談後

⑥ 面談後のフォローを徹底する

カジュアル面談の成功は「面談中」だけでなく、「面談後」のアクションでも決まります。

✅ 「本日の面談、ありがとうございました!」のフォローメールを送る
✅ 求職者が迷っていそうなら、「追加で聞きたいことはありますか?」と連絡する
✅ 次の選考ステップをスムーズに案内する

カジュアル面談の目的は、あくまで求職者様に選考を受けていただく/選考の歩留を良くすることと考えています。
そのため、面談後のフォローアップも欠かせないポイントとなります。面談後24時間以内の連絡や適切なリマインドは欠かさずに行っていきましょう。


5. 面談・面接の設計はポテンシャライトへ

当社ポテンシャライトでは、採用がネックとなって飛躍しないベンチャー企業様などを対象に、今まで累計約400の採用コンサルとして携わってきた実績を元に、適切な採用ソリューションをご提案します。

本項で紹介させていただいたカジュアル面談や面接の設計はもちろんのこと面談・面接のレクチャーや面談・面接の代行なども支援実績として豊富にございます。

  • 採用のリソースが足りない、人事専任者がいない

  • もう少し採用の効果をあげたい

  • 現在の採用状況の効果測定をし、適切な改善案を実施していきたい

など、お悩みの採用担当者様がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

よろしければフォローもよろしくお願い致します🤲

著者:
HRパートナー 森田浩市
新卒からポテンシャライトにジョインし、シード期から上場企業まで幅広く累計10社超ほどを対象に採用戦略から選考体験設計までを支援。採用領域は幅広く、ビジネス領域〜エンジニア領域までカバー。特にPdMやPjMなどの領域に強みを持つ。

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