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6期目のベンチャー企業で実施したミッション・ビジョンの理解/浸透ワークの全容を公開
皆さんこんにちは。ポテンシャライトです。
「創業からHRトレンドブログ公開数400本間近!2022年カウントダウンブログリレー」という企画を12/1からスタートしております!
そして、今回はその第11弾となります。
当社ブログ公開数が2022年11月末時点で380本!
12月は毎日(営業日)ブログを公開するとちょうど400本に到達する!
ということで多くのメンバーが参加するブログリレーを実施することにいたしました。
スケジュールはこちら👇
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当社ポテンシャライトでは、Employee Experience(以下、EXと記載)を高めるために、各メンバーがEXの項目ごとに担当を担い、それぞれ動いています。
EXとは?という部分については下記をご覧いただければと思います。
EXの最上位項目は「ミッション・ビジョンの理解/浸透」と、当社では伝えています。理由はすべての人事活動のみならず経営・事業活動はミッション・ビジョンが紐付いていると思っているからです。
ただ、ミッション・ビジョンは抽象度が高いが故に、全社員に理解/浸透させるのは難易度が高い項目の1つです。本ブログでは、EXにおける、ミッション・ビジョンの理解/浸透をさせるために実施したワークの全容、行なってみて気づいたことをアウトプットしたいと思います。
社員にミッション・ビジョンの理解/浸透をさせたいけれど、どのようにしたらいいかわからないという方にご覧いただけたら嬉しいです。
0. (前提)EXの項目
先ほど記載をしたブログに詳細の説明がございますが、当社はEXを12の項目に分けています。
1. MV(ミッション・ビジョン)の理解/共感
2. VC(バリュー・カルチャー)の理解/浸透
3. ペルソナ(求める人物像/採用基準)の理解
4. エントリーマネージメント
5. 入社オンボーディング
6. マネージメント
7. カルチャー
8. 目標管理
9. 人事制度
10. キャリア成長/教育機会
11. 福利厚生
12. オフィス環境 / 業務ツール
なぜこれらの項目に分けたかの詳細の説明は割愛しますが、端的に申し上げますと、EX(≒人事組織型)は下記の項目で構成されていると当社が結論を出しているからです。
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上記のスライドの中で最も最上位概念は「MVVC-P」と記載しておりますが、これはミッション/ビジョン/バリュー/カルチャー-ペルソナを指しています。
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混同されがちな概念なので、上記をご覧いただけると良いかと思います。また、下記もご覧いただけるとバリューとカルチャーの違いをご理解いただけるかと思います。
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つまり、
ミッションとビジョンを達成するために必要な「行動指針」としてバリューを意識し続けた結果、会社に浸透している雰囲気がカルチャー
と、ご理解いただければ幸いです。
1. ミッション・ビジョンの理解/浸透ワークの全容
なぜ、ミッション・ビジョンの理解/浸透が重要なのか、という問いについては本ブログの主題ではないため割愛したいと思います。
当社のEXの各項目の施策については2022年7月から開始しており、3ヶ月をかけて合計3つのワークを行いました。本項では3つのワークの概要と背景をお伝えいたします。
1-0. [前提] ミッション・ビジョンの理解/浸透ワークを行う背景
ワークの概要に入る前に、ワークを行うに至った背景を話します。
背景を一言で申し上げると、メンバーごとにミッション・ビジョンの理解度・浸透度が異なっていたためです。現在、当社は正社員30名弱、業務委託等も含めると80名程度の組織で、特に昨年から今年にかけて組織が急拡大をしているフェーズです。そして、当社の選考基準の一つとして、「ミッション・ビジョンへの共感」を強く見ているものの、メンバーのミッション・ビジョンへの認識や知識レベルでの差異が起こっている状況でした。
ベンチャー/スタートアップ界隈では、どの企業様も「20名の壁」「50名の壁」「100名の壁」のいずれかに直面するという話がありますが、これらの壁に直面する理由は様々ですが、問題の比率として大きいのは「人事組織系」であることが多いです。
実は当社も2019年、2020年に同じような壁に直面していたこともあり、ミッション・ビジョンの理解/浸透に関する課題にできるだけ早く向き合っていこうとなりました。
これらの問題は複雑な要因が絡み合う部分ですが、議論を重ねた結果、以下のゴール設定を行いました。
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上記のゴールを達成するため、下記3つのワークを全メンバーの時間を1時間ずつ押さえて、実施して参りました。
[第1回 ワーク]
ミッション・ビジョンを理解してもらうために、設立背景やミッション/ビジョンが完成した背景を代表の山根から詳しく説明
[第2回 ワーク]
各メンバーが当社のミッション・ビジョンの具体的にどの部分に共感しているのかを明瞭にする
[第3回 ワーク]
各メンバーがこれまでに起こしたアクションの中で、ミッション・ビジョンに当てはまるアクションを明瞭化する
それでは、一つひとつのワークの概要や参加したメンバーの反応を見ていきましょう。
1-1. 第1回ワーク
第1回のワークは上述の通り、こちらでした。
[第1回 ワーク]
ミッション・ビジョンを理解してもらうために、設立背景やミッション/ビジョンが完成した背景を代表の山根から詳しく説明
山根からミッション・ビジョンについて詳しく説明をしていただくために、事前に全メンバーにどんな質問を聞きたいか?とアンケートを取り、限られた時間の中でミッション・ビジョンの理解が深まるように設計しました。一部の質問をお見せします。
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過去・現在・未来で一つずつお見せいたします。
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これらの質問(合計5つ)を45分程度で山根が回答し、第1回のワークは終了しました。個人的にもミッション・ビジョンについての理解を深める時間となりました。
ここからはメンバーの反応を見てみましょう。
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全員で25名程度参加していましたが、9割近くがとても良かったという回答でした。
良かったと回答いただいた理由をいくつか抜粋してみました。参考までにご覧ください。
今まで起業の背景や思いは聞いたことがありましたが、それに対して私が質問をしたことがなかったのであくまでも山根さんの伝聞しかできない状態でした。
それが今回のワークを通してストーリーの全体を把握できたので、自分の言葉で話せるようになったかなと思います! また山根さんの話し口調も私が入社した時とは変わっていて、ライフステージの変更に伴う気持ちの変化も見れて嬉しかったです。
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・当事者意識レベルが上がった
入社前と入社後で聞くのとでは当事者意識が異なる。逆にまだMV達成に対して自分自身がまだお力添えできていないことを認識させられた。
・貴重性
入社後もこのように代表が自ら登壇し、自分の口でお話しする機会はなかなかないと思う。
・学び
カジュアル面談時のMV説明の参考になった。
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山根さんの過去や未来の考えや、またポテンシャライトの創業への思い等も伺うことができ、より一層自分も頑張ろうと思えたからです。
個人的にも、メンバーのアンケートを見ても、とても良い会になったと振り返っています。当社では毎日朝礼を行っており、常に代表の山根からの発信があったり、出社を推奨しているため物理的にも近い環境で働いているのですが、それでもミッション・ビジョンに関する深い話はあまり聞く機会がなかったので、メンバーにも良い刺激になったようです。
一般的なベンチャー/スタートアップ企業様でも、常に経営陣が事業に関する発信は何かしら行なっていることが多いと思いますが、ミッション・ビジョン等の会社における根幹の部分を話す機会はそこまで多くないと思いますので、このような機会を作るのは有益かと思います。
1-2. 第2回ワーク
続いて、第2回ワークについてです。
[第2回 ワーク]
各メンバーがミッション・ビジョンの具体的にどの部分に共感しているのかを明瞭にする
ミッション・ビジョンのどの部分に共感をしているのか明瞭にするということで、対"非"自分と対自分で分けて3つのコンテンツを用意しました。詳細は以下にてお伝えします。
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1stコンテンツはこちら。
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上述の第1回ワークや朝礼等の発信を思い出して、自分が共感した部分を改めて書き出してみるというワークです。はじめは、対自分のことだけを深掘る時間にしようかと思っていたのですが、第1回のワークを無駄にせず、繋がりを持たせるためにも、第三者からの発信を通して共感した部分を考えてもらう時間を最初に取ることにしました。
2ndコンテンツの一つ目はこちら。(2つあります。)
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当社はベンチャー/スタートアップ企業様の採用支援を行なっているため、ミッション・ビジョンの共感を深めていただくための根本的な質問だと思い、このコンテンツを用意しました。
第二回のワークの「本日のコンテンツの概要」というスライドの通り、最初に土台となるベンチャーの興味/関心について考えてもらい、次に、ビジョンである「ベンチャー採用/転職のStandardをポテンシャライトに」に関する内容を考えてもらい、最後に3rdコンテンツとなる自分の業務とミッション/ビジョンがどのように繋がっているかを考えてもらうコンテンツにしました。
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最後に、3rdコンテンツはこちら。
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3rdコンテンツの問いが普段あまり考えていない部分のため、最も難しいのではと予想していました。ただ、上述の通り、順を追って自分自身を振り返ることによって、各グループ(3〜4名程度)で良いディスカッションになっていたことを思い出します。
ここまで第2回ワークで行なったことです。ここから、メンバーのアンケートを見ていきましょう。
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前提として、full flatというカルチャーが存在することもあり、このようなアンケートで社内に忖度するようなメンバーはいません。笑
それを踏まえると、率直に嬉しい結果でしたし、想像以上の反応でした。
ただ、肝心なのはミッション・ビジョンの共感度がどれだけ高まっているかです。次に、その結果を見てみましょう。
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こちらも比較的良い結果が多かったです。ワークを振り返って感じるのは、自分の言葉で話してもらう重要性です。それぞれのコンテンツごとに5〜10分程度ディスカッション時間を取り、また、入社年次や事業部が異なるメンバーが話せるようなグループ分けにしていたこともあり、普段なかなか聞けない話や新しい気付きを得ることが多かったようです。(ちなみに、「変化なし」と回答した人は創業期から参画しており、元々、ミッション共感がとても強いメンバーでした。)
1-3. 第3回ワーク
最後に、第3回ワークです。
[第3回 ワーク]
各メンバーがこれまでに起こしたアクションの中で、ミッション・ビジョンに当てはまるアクションを明瞭化する
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おそらく20代後半以上の方はピンとくるかと思いますが、ドラゴンボールで有名なあの天下一武道会です。(蛇足ですが、私自身はドラゴンボールをほとんどわからないのですが、メンバーが盛り上がりそうなものは何か?と考えた時に天下一武道会が思いついたため、名前を借りることにしました。)
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上記の通り、メンバーを6つのチームに分け、ミッション・ビジョンに当てはまる事例をお話しいただきます。その事例がミッション・ビジョンに当てはまっている度合いを参加している全メンバーで評価し、勝敗を決する。そして優勝チームを決めよう、というワークです。
ただ勘違いしていただきたくないのは、優勝チームを決めるためにこのワークを実施しているわけではありません。
ミッション・ビジョンの理解/浸透を猛烈に高めるために重要なのは、
数多くのミッション・ビジョンに当てはまる事例を、全メンバーが同じタイミングで聞き、そして同じタイミングで評価をする。これを集中して繰り返すことによって、具体的にどのようなアクションがミッション・ビジョンに当てはまっているのかをメンバーで共有することができます。
こういった事例の共有の際に注意しなくてはならないのは、
「すごくグッドアクションではあるのだが、ミッション・ビジョンに当てはまっている事例ではない」
ということ。グッド「アクション」の共有は、どちらかというと「バリュー・カルチャー」の事例として共有をした方が良いです。
話を戻しますが、今回のワークでは、全メンバーに参加してもらい、所要時間1時間の中で合計27回の事例共有が試されました。
最後に蛇足ですが、当日の資料の一部をご紹介します。(第3回ワークのアンケートは取っていないため、本項はこれにて締めくくります)
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2. 本ワークを実施してみての気づき
本ワークをメインで担当し、巻き込む側目線で重要だと感じたことをお伝えいたします。
2-1. ディスカッションのグループは事業部/入社年次をバラバラにすること
当社では半年に1、2回、全社でワークを行う機会がありますが、いつも事業部や入社年次をバラバラにグループ割りをしています。
「話しやすさ」で言えば、"同"事業部・"同期"入社のメンバーですが、異なる事業部、異なる入社年次だからこそ、日々行なっている業務内容も異なるし、考えていることもそれぞれ異なります。また、今回で言えば、ミッション・ビジョンの理解度/浸透度等も異なります。入社から長くいるからと言って、ミッション・ビジョンを正しく理解できているとは限らないですし、その逆も然りです。入社年次が若いメンバーの意見から、新しい気付きに繋がることも多くあります。
ディスカッションをするグループを事業部/入社年次をバラバラにするのは、単にコミュニケーション不足を補うだけではなく、さまざまなメリットがあることをご理解いただければ幸いです。
2-2. 楽しんでもらえる要素を入れること
前提として、メンバーにワークを普通に参加していただくだけなら、楽しんでもらえる要素は不要で、ワークの設計やスケジュール管理等が重要だと思います。ただ、ワークの時間の効果を最大化するためには、より主体的に参加していただく必要があると考えているため、楽しんでもらえる要素があった方が良いなと感じました。
上述の第3回ワークがまさにこのような事例だったわけですが、ミッション・ビジョンに関するワークが3回目ということで、やる内容は毎回違くてもややマンネリがしそうな気がしていました。(自分が参加者側だったら、また同じような感じか….となっていたと思います。)
結果として、楽しんでもらえる要素を入れながら、本来の目的である各メンバーがこれまでに起こしたアクションの中で、ミッション・ビジョンに当てはまるアクションを明瞭化できたのは良かったと振り返っています。
3. (補足) その他ミッション・ビジョン理解/浸透のために行なっていること
これまでは入社後に定期的に行うワークの話がメインでしたが、当社ではワーク以外にも、ミッション・ビジョンの理解/浸透のために行っていることがありますので、その点を最後にご紹介します。
3-1. 入社前/選考時
まずは入社前/選考時から。
3-1-1. ミッション・ビジョンのブログ読了
当社のEntrance Book(カジュアル面談前のタイミングで提示する資料)に必ず見ていただきたい資料として以下2つのブログを選定しています。
3-1-2. ミッション・ビジョン重視の採用をしている旨の伝達
前提として、当社ではカジュアル面談は「惹きつけの場」と定義しており、60分のカジュアル面談の中で、30分以上ミッション・ビジョンに関する話をすることも少なくありません。
また、上記でチラッとお伝えしましたが、当社では求める人物像を公開しております。3つある人物像の中で個人的に一番重要だと感じているのが、「ミッション・ビジョン共感」です。
選考中に「当社ではなぜミッション・ビジョンの共感を重視しているのか」という話をすることは多く、入社後のミスマッチが少なくなると感じています。求める基準が明瞭になったことで、選考が通過しにくくなったことも一部ありますが、この基準を求めるようになってからミスマッチは少なくなっているので、良いアクションだと思っています。
3-2.入社直後
続いて、入社直後に行っていることを紹介します。
3-2-1. 代表の山根からミッション・ビジョンについて改めて説明
入社初日 or 2日目にMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)について説明する時間を改めて1時間取っています。
参考までに、ミッション(Glow Up Ventures)、ビジョン(ベンチャー採用/転職のstandardをポテンシャライトに)の詳細スライドを添付します。
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前提として、入社前/入社後に関わらず、知りたい内容は全て話しますというカルチャーなので、入社初日である程度MVVCについて理解が深まっている多いです。改めて、ミッション・ビジョンの背景やバリューをお伝えし、働く上でのマインドセットを整える意味合いでも全メンバー行っていることです。
3-3. 入社後
最後に入社後に行っていることをご紹介します。
3-3-1. ミッション・ビジョンの事例共有
当社では毎日朝礼を行っているのですが、朝礼後に「MVVC発表」という毎日異なるメンバーがオンラインで3チームに分かれて、ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャーに関する事例の共有を行う場があります。
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「ミッション・ビジョンの理解/浸透に注力しよう!」となった時は、通常バリュー・カルチャーの発表が8割くらいなのですが、ミッション・ビジョンに関する発表のみと制限を加えて、1ヶ月走り切りミッション・ビジョンへの理解を深めました。
3-3-2. ミッション・ビジョンの理解/浸透ワーク
こちらは大項目で1でお伝えしたことになるため、割愛します。
最後に
いかがでしたでしょうか。
社員にミッション・ビジョンの理解/浸透をさせたいけれど、どのようにしたらいいかわからないという企業様の何かしらの参考になりましたら幸いです。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。