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年齢だけでフィルタリングするのはもう止めませんか?シニアエンジニアを採用すべき理由とは

0.はじめに

「コアターゲットの30代〜40代までの方だけでなく、40代以上の方へもアプローチしたいと考えています!」

お客さまから上記のようなご提案を頂いたことがあります。

さまざまな理由でアプローチを行う方の年齢上限を30~40代までに設定している企業さまもいらっしゃるのではないでしょうか?

当然、事業運営をする上で企業さまごとの最適なペルソナ設計をされていらっしゃるかとは思います。

ただ、冒頭のご意見をいただいた企業さまで実際に50代の求職者さまにお会いいただくと、非常に優秀かつアグレッシブに成長を続けている求職者さまが多く素敵な出会いがありました。

この事例から、一概に年齢だけで判断してしまうのは勿体ないのでは?そう思い本ブログを執筆いたしました。

※本ブログでは、45歳以上のエンジニアを「シニアエンジニア」として定義しています。

※本ブログの内容は音声でも発信しておりますので、「聞く派」の方はぜひご視聴いただけたらと思います👇


1.  エンジニア採用における年齢制限の実態

そもそもエンジニアを採用する際、年齢制限を設けている企業さまはどの程度いらっしゃるのでしょうか?
調べてみたところ、下記のようなデータがありました。

出典元:8割以上の企業が活用を希望!シニアエンジニア、どんな人が求められてるの?年齢制限はあるの?採用担当者に調査!

当初考えていたよりも年齢制限を設けていない企業さまが多かったのですが、現状としては、シニア人材の活用を避ける企業さまは少なくないと言えそうです。
※肌感覚ですが、ベンチャーに絞ると年齢に対する考え方がよりシビアになっている気がします。

そもそもなぜ年齢でフィルタリングをしているのかを考えてみました。

などの理由が該当するでしょうか。

もちろん例外を除き、採用の募集要項に年齢制限を設けたり、年齢を理由に応募を断ったりすることは、雇用対策法で禁止されていますが、やはりご年齢が上がるほど転職活動に苦労する求職者さまが多いようです。

逆に冒頭に挙げた理由を解消できるようなメリットがあれば、転職活動に苦労している = ライバル企業さまが少ないエンジニアへアプローチをすることができる。と考えるととてもポジティブだと思います。

2. シニアエンジニアへアプローチをするメリット

シニアエンジニアを採用するメリットは他にも複数あると考えています。

2-1.  IT企業黎明期から活躍してきた知見を得られる。

次の表をご覧ください。

こちらは1995年~2022年までの主要なWeb/IT/クリエイティブ企業を抜粋した年表です。
以下赤枠で囲っている部分がIT業界の黎明期に該当するのではないでしょうか?

※Windows95が発売し、インターネットが一般ユーザーに大々的に普及し始めてから、97年に「Ultima Online」をきっかけにインターネットを始める人が増え、ソーシャルゲームが爆発的な盛り上がりを見せるまでくらいなイメージです。

ここでお伝えしたいことは、シニアエンジニアはこの赤枠の中の時代を最前線で経験している可能性が非常に高い、ということです。

※例えば、現在50歳で過去グリーさまで勤務されていた方であれば、32歳〜とエンジニアとして第一線で活躍している真っ最中だった。など

一概には言えませんが、これらの企業さまを経験したシニアエンジニアは素晴らしい方が多いと考えます。

今の日本の Web/IT/クリエイティブ領域の基盤を作ってきた知見や、カオスをくぐり抜けてきた経験は、スタートアップ企業にとって非常に魅力的ではないでしょうか?

2-2. マネジメントスキルが豊富

転職サイトのビズリーチで45歳以上かつエンジニア経験10年以上で検索をしてみると「747名」ヒットしました。※ログイン日を1週間以内に絞っています。

そのうち、マネジメント経験が6名以上の方が「605名」と、80%ほどの方がマネジメント経験をお持ちでした。

※全体の60%ほどの方が11~50名のマネジメント経験をお持ちです。
スタートアップ・ベンチャー企業のフェーズとマッチするのではないでしょうか?

2-3. 短期間でのジョインが見込みやすい

まずは下記の図をご覧ください。

図:年齢別転職活動にかかった期間

出典元:ミドルに聞く「転職活動期間」実態調査―「ミドルの転職」ユーザーアンケート―

上記のデータを見るに、ご年齢が高くなるごとに転職活動開始〜内定獲得までの期間が長くなる傾向があります。

転職活動が長引く→早く内定を獲得したい。という意向が上がっている方は多いと思いますので、直近でニーズが発生した際にアプローチをしていただくのは有効だと考えています。

2-4. 新しい技術を習得している方もいらっしゃる

アジェンダ1.でシニアエンジニアの採用を避ける理由として、

という理由を挙げました。果たして本当にそうなのでしょうか?

一例として転職サイトの「Forkwell」を使い近年ニーズが高い言語を習得されている方がどれくらいいらっしゃるのか調査しました。※言語Level2以上

GoやTypeScriptは少なかったですが、想定よりモダンな技術を習得されている方もいらっしゃいそうです。

※ちなみに、ニーズが高いRuby は 130人 / PHP は 142人ほどいらっしゃいました。

「Findy」でも調査をしたところ、下記のような結果でした。

※Ruby は 123人 / PHP は 119人 でした。

【Tips】エンジニアの平均在籍期間

アジェンダ1.で

という理由でシニアエンジニアへのアプローチを避けている企業さまがいらっしゃいそう、とお伝えしました。確かに20代の方と比べると勤続可能年数が短いのは事実です。

ですが、そもそもエンジニアにとって勤続年数が長いことはいいことのみなのでしょうか?IT先進国であるアメリカや中国のIT企業の平均勤続年数を調べてみたところ、面白いデータを発見いたしました。

・米国IT企業平均勤続年数

出典元:Geekroidさま

シスコシステムズや、オラクルなど歴史ある企業は比較的勤続年数が長めですが、ユニコーン企業、ベンチャー企業など新興のIT企業はほとんどが3年以下です。特にテスラや、ウーバーなどの新しい企業は2年前後と非常に短いです。

・中国IT企業平均勤続年数

近年成長が著しい中国はどうでしょうか?

出典元:Geekroidさま

平均勤続年数はより短いですね。中国IT企業の中でも特に著名なアリババ、テンセント、百度は3年以下と極端に短いといえます。

・日本IT企業平均勤続年数

最後に日本はどうでしょうか?

出典元:Geekroidさま

日本のIT企業は平均勤続年数が極端に長い企業と、米国や中国のIT企業並みに短い企業に二極化されていますね。平均年齢が若い企業の方が勤続年数が短い傾向があります。

ここからお伝えしたかったことは、近年のエンジニアの価値観として短期間での人の入れ替わりはある種しょうがないことです。ということです。その為、中長期的な活躍だけを見据えるのではなく、「最低でも3年ほどは即戦力として活躍できる方」の採用へ視点を切り替えてシニアエンジニアも対象に入れていただくことをご検討いただいた場合、事業成長に対してメリットも多いのではないでしょうか?

3. シニアエンジニアの採用手法[事前準備編]

シニアエンジニアを採用を開始するにあたり、媒体運用やエージェント開拓を始める前にすべきことがあります。それは、自社からシニアエンジニアに対して打ち出せる魅力、提供できる価値を「発掘」「言語化」「整理」することです。

3-1. 自社の魅力を整理する上で必要になる採用ブランディング

採用ブランディングとは、自社の魅力を「発掘」「言語化」「整理」することを指します。

企業さまの魅力を弊社が考えるフレームワーク「6P+CGM+Tech」に分類すると下記の通りになります。このフレームワークに沿って「発掘」「言語化」「整理」していただくことをお勧めしています。

詳細は下記のブログをぜひご覧ください。

「整理」まで終わった後は、自社の魅力の中で特にシニアエンジニアに訴求できる要素は何だろう。を考えてみましょう。

私の考えですが、ご年齢が高くなるにつれて、キャリアの軸が「経験」から「貢献」にシフトしていく傾向があると思います。その為、シニアエンジニアであれば、Growth(成長/挑戦できるか)や、Profession(自分の業務内容)よりもPhilosophy(企業のミッション/ビジョン、社会貢献性)や、Market(業界課題)などを中心に訴求を行なっていただくのが効果的です。

3-2. 会社が従業員に対してどのような価値提供ができるのかを言語化したEVP

EVPとは「Employee Value Proposition」の略で、日本語訳すると「従業員価値提案」を意味します。
つまり「会社が従業員に対してどのような価値提供ができるのか」です。

詳細は下記のブログを是非ご覧ください。

シニアエンジニアを採用するのであれば、EVPの整備や言語化は必須だと考えます。何故ならば、ご年齢が上がるほどご転職に慎重になる傾向があるからです。

上記EVPの一覧の中でも、Work/Organization等は特に重要になりますので、ぜひお考えいただければと思います。

3-3. 事前準備まとめ

ここまでお伝えしてきた内容をスライドにまとめました。

4. シニアエンジニアの採用手法[手段選定編]

企業の魅力、従業員に提供できる価値が整った上で、実際にどの手段で採用すべきか?を選定していきましょう。

4-1. 求人媒体を活用した採用

まず候補に上がるのは求人媒体を活用した採用だと思います。理由は後述いたしますが、私も媒体(ダイレクトリクルーティング)を活用した採用が一番効果的だと考えています。

結論としては、Green がおすすめです。

4-2. エージェントを活用した採用

大前提として、媒体を活用した採用と比較をすると、エージェント採用との相性はあまり良くないのではと考えています。
※大手Siや、ITコンサル採用の場合、お勧め度合いは逆転するのでエージェントを活用した方が良いと思います。

候補としては大手エージェントではなく少数精鋭で運営されているブティック型のエージェントを活用するのが良いでしょう。

4-3. 手段選定まとめ

ここまでお伝えしてきた内容をスライドにまとめました。

5.最後に

最後までお読みいただきましてありがとうございます!

いかがだったでしょうか?

今回の内容がお役に立てましたら、ぜひ御社の採用への価値観をアップデートいただけますと幸いです。

シニアエンジニアの採用だけでなく、弊社ポテンシャライトではエンジニア採用をはじめベンチャー・スタートアップ企業さまの採用・人事組織系のご支援をさせていただいております。

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