2024年3月17日 秋葉原に自転車で通っていたことがある
大学院修士2年の一時期の話。
詳細はここでは控えるのだが、その頃あらゆることが重なりかなり精神的に参ってしまっていた。
その結果、休学や退学という選択肢こそなんとか回避したものの、当面の間研究室に通うペースを大幅に落とすことになった。
それは当時の指導教員と話し合い決めたことではあったが、要はほぼほぼ不登校のような期間が設けられることになったということである。
とはいえ、その当時何かしらのアルバイトをしていたわけでもなかったし、何か熱中していることがあったわけでもなかった。
要は暇な時間はできたが、やることがない!といった状況である。
そんな中で結局何をやり始めたのかというと、自宅から秋葉原まで自転車で通うということをし始めた。
当時住んでいた私の実家と秋葉原駅間の距離は、大体20km程度であった。
それまでは秋葉原に行くときは決まって電車を使っていたのだが、これぐらいの距離であれば多少時間はかかるかもしれないが自転車で行けるんじゃないか?とふと思い立ったのである。
そこである日、思い切って自宅から秋葉原まで自転車で行ってみることにした。
とはいえ、私自身が規格外の方向音痴であるということもあり、ちゃんと行けるのかな?と初めの方は不安であった。
実際一番最初に行った時はあちこち迷ってしまったのだが、なんとか辿り着くことができた。その達成感は今でもよく覚えている。
オタクの聖地である秋葉原に電車でも車でもなく自転車を使って向かうということはなんだか一大冒険のように思え、大きなロマンを感じていたのである。
以降、これを週数回ペースでやっていた。
では実際に秋葉原に来ては何をしていたかというと・・・定期でのアルバイトは当時しておらず経済的には正直そこまで余裕もなかったので、お金を派手に使うようなことはほぼほぼしなかった(というよりできなかった)。
なんとなくラジオ会館に行ったり、スクフェスことラブライブ!スクールアイドルフェスティバルをビックカメラ秋葉原店のマクドナルドでひたすらプレイしたり、あるいは特にお金を落とすわけでもなく、アニメイトやとらのあな、GAMERSなどのオタクショップの中をただただ見て回って過ごしたりする、といったことがほとんどであった。
思い立って単発のアルバイトをした時などは一時的ではあるが金銭的な余裕ができたので、「NEW GAME!」や、「冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム」、「なれる!SE」などの、漫画やライトノベル作品を当時の最新刊まで買ったりしていた。
それらをまたビックカメラ秋葉原店のマクドナルドで読むところまでがセットである。
そんなことをしばらくの間やっていたのだが、そうやっているうちに精神的に元気が生まれたのか、ある程度経ったところでまた元のペースで研究室に通うことができるようになり、以後は秋葉原に自転車で通うことはしなくなる。
貴重な学生時代の一時期を週数回ペースで秋葉原に自転車で通うということに費やして良かったのだろうか?もっと他にやることはなかったのだろうか?と社会人になってから考えたことは、正直に言うと何回かはあった。
しかし、ただでさえ1週間のうちの5日間を仕事に費やす生活の中においては、どうしてもタイムパフォーマンスを重視してしまうきらいがあり、多少のお金はかかるものの電車で行ったほうが時間も労力も少なくて済む中で、あえて自転車で秋葉原で通うことに使おうと思ったことは、会社員になってからは一度もないというのが正直なところである。
そして途中でも述べたように、秋葉原に電車でも車でもなく自転車という移動手段で到着した時のあの達成感やロマンは私の中で確かなものであった。
そういった意味で、まさに学生時代しか経験することのできない、そしてオタクとしてはものすごく貴重な体験をすることができていたのかなと、今では心から思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?