【財務分析 Vol.37】 LIXILの「狩猟型経営」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)

三部構成にて、内容展開していきます。

①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。

②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。

③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。


Vol.37 『LIXIL』


理念:「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、
世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」
ビジネスカテゴリー:住宅用品

①LIXILの実現する未来

LIXILという名前の由来は、以下のようになっている。

「LIVING(住)」×「LIFE(生活)」=「LIXIL(住生活)」

目指す未来は経営理念の通り、「豊かで快適な”住生活”」の提供です。

▶”不”だらけの建設業界

日本の住宅は今は知らないが、昔はよく「高いわりにチープ」「ウサギ小屋」などと言われていた歴史があるようです。特に大きくてエレガントな家に住んでいる外国の方などからすれば、「高い・狭い・遠い」と揶揄されても致し方ないこともあったのだろう。。。

それがなかなか改善できずにいる理由の一つとして、”不効率”が挙げられる。ビジネスはいつでも人々の”不”から始まる。

住宅は、多くの業者が関わる仕事です。受注から納品まで水道工事やら材木屋やらと、実に約35ものサブコントラクターが入り乱れて作業に従事し完成に至る。

”不効率”の理由は、そんな”当たり前”をおこない続けているサプライチェーンによるものです。

さらにサブコントラクターも多く存在していたため、お互いが生き残るために必死に攻勢にでるが、不効率性も相まって金額が下がるという事もない。

そう住宅が「高い」理由は”不効率”を起因として”不採算”をももたらしています。


▶LIXILの積極果敢なM&A

この従来の”当たり前”を破壊し、新たなる”当たり前”を創り上げ、目指す未来の実現へと、向かうためにLIXILがおこなった戦略が「M&A」です。

このような不効率かつ不採算極まりないサプライチェーンを破壊するためにはどうすれば良いか。LIXILがたどり着いた答えが”統合”です。

多様な業態を統合し、新たな住宅業界での”当たり前”を創り上げるために関連事業を「M&A」をおこなう。

結果として製品やサービスを広げることで、世界的に見てもかなり幅の広い住宅設備機器を網羅することに成功しています。

②LIXILの財務分析

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収益性 ★
安全性 ★★
生産性 ★★
成長性 ★★★★

ぱっと見の印象だと苦戦を強いられているように見える。利益剰余金が減少し、固定資産と流動負債が膨らむことで、財務体質は傾いてきていると判断できる。

ただし固定資産の内訳を見てみると、「のれん」の増加がわかる。これは、積極投資型を継続している証として見ることができる。

このM&Aがもたらした規模とシナジーを活かした今後の展開大きな成長を起こしていくための準備段階と捉えられることにします。

ちなみ、同業種であるTOTOを見てみると、下図の通りとなっている。

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LIXILに比べて、財務体質・CF・利益率様々な観点から手堅い様子と見受けられる。

ただし、大きな違いは規模にあります。実に約四倍に違うその規模は、LIXILが今後どれだけのことを起こせる可能性を秘めているかがわかるには十分な数値とわかるでしょう。

大きく攻めるLIXILと、手堅く闘うTOTO。

色がわかりやすく、おもしろいポイントです。

(昔二ケツという深夜番組で千原ジュニアが、INAXとTOTOは兄弟が元々一つの会社をやっていたが、ケンカして便器メーカーで争っている。だからINAXとTOTOを逆から読むと「OTOT×ANI」になるって言っていてよくそんなこと思いつくな。。。とふと思い出しました。わら)

③未来に数字を当て込んでみる

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静かに成長していくような予測とした場合でも、手許現金が不足することがわかる。お金の議論が多くされている昨今、預金課税されるなどのうわさもあります。そうなった際に投資の先が住宅などのモノに振れる可能性は大いにある。

リモートでの自宅での生活の質の向上や、少子高齢化の中での快適な暮らしを求める人が増えるとも予測できる。

価値が増すならば、一貫したサービスは上向く可能性を秘めていると判断できる。

あとは価値の提供の仕方と、本源的な見直しとなってくるだろう。

攻めの後の”経営者の戦略”が色濃く出るであろう今後の展開はとても興味がある。このただ数字をあてがったものより大幅な変化があることを期待している。


過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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